自動車保険の「現場急行サービス」がオススメな理由
配信日: 2019.05.21 更新日: 2020.04.06
どこの保険会社と契約しても、対人賠償保険や人身傷害補償保険のような基本補償にそれほど大きな差はありません。そのため、運転に自信があるなら補償内容は最小限にし、保険料が一番安いところを選ぶというのも1つの考え方でしょう。
しかし、もし交通事故の経験がないのであれば、警備員が事故現場に来てくれる「現場急行サービス」のある保険会社を検討してみてはいかがでしょうか。
今回はこの現場急行サービスについて、筆者の経験をふまえて紹介します。
執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター
保険を得意ジャンルとするFP・フリーライター。
代理店時代、医療保険不要論に悩まされた結果、1本も保険を売らずに1年で辞めた経験を持つ。
FPとして、中立公正な立場から保険選びをサポートしています。
「現場急行サービス」とは
自動車保険の「現場急行サービス」とは、交通事故が起きたとき、その現場に警備員(緊急対処員)が来てくれるというサービスです。保険会社によって名称は異なりますが、以下「警備員」「現場急行サービス」で統一します。
現場に来た警備員は、運転者の代わりに以下のようなことを行ってくれます。基本的にどこの保険会社も24時間365日対応で、追加の保険料は不要です。
・警察への連絡や救急車の手配
・事故現場の写真撮影
・相手方からのヒアリング
・レッカーの手配 など
交通事故を経験したことがなければ、このサービスにはそれほど価値を感じられないかもしれません。
しかし、筆者は過去に車を運転する仕事をしていたことがあるため、相手方のある交通事故を何度か経験したことがあります。このときの経験から、現場急行サービスはとても良いサービスであると考えています。
交通事故が起きたとき、現場に警備員が来てくれるのは心強い
交通事故と言っても、実際に起きる事故は誰もケガをしない軽微なもののほうが多いでしょう。仮にそのような場合、事故が起きた直後の流れは以下のようになります。
・車同士が接触するなどして、事故が起きたと認識する
↓
・車を道路の端に寄せる
↓
・車から降りて、相手車両の運転者と話す(相手の過失割合が高いときは、相手が無言のこともあります)
↓
・当事者のいずれかが警察に連絡する
↓
・保険会社に連絡する(勤務中なら勤務先)
警察官が現場に到着するまでの時間は地域にもよるでしょうが、筆者の経験上、東京都心なら10分くらいです。
サイレンを鳴らしたパトカーがやってくると思う人もいるかもしれませんが、実際は自転車で来ることが多いです。それも、大きな事故でなければ1人だけです。
警察官は現場を確認したあと、当事者に対して免許証と車検証の提示を求め、書類に必要事項を記入します。
そして、それぞれから別々に話を聞きます。交通事故は当事者の言い分が異なることが多いため、一緒に話を聞くとケンカになるからかもしれません。
それが終わると警察官は所属の警察署名・部署名と氏名を告げ、交通事故証明書が必要なときの手続方法について説明します。そして「あとは2人でやりとりしてください」と連絡先の交換をうながして現場を去ってしまいます。
そのため、互いの言い分について当事者同士で話すのは警察官がいなくなってからになります。運が悪ければこちらは1人、相手方には同乗者がいて複数という状況になるかもしれません。
そのようなときに警備員が駆けつけてくれたら心強いだろうということは、交通事故を経験したことがある人なら納得できるのではないでしょうか。
事故のときは気が動転して判断力が落ち、十分な対応が取れないことも多いです。そのため、しかるべき対応を慣れた人が行ってくれるのはとても助かるはずです。
現場急行サービスを検討するうえでの注意点
現場急行サービスは、交通事故が起きた場所が高速道路上や山間部、離島など対象外となるところがある点に注意が必要です。
また、警備員の到着に時間がかかるときは、相手方が「忙しい」という理由で現場を去ってしまう可能性が考えられます。
過去の経験では、過失割合の高い当事者は余計なことを言わないようにするためか、「あとは保険会社から連絡させます」と言ってできるだけ早く立ち去ろうとする傾向がありました。
事故が起きたときのことが不安なら、対人賠償保険や人身傷害補償保険のような一般的な補償だけでなく、こうしたサービスもあわせて検討することをおすすめします。
執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)