契約満了で退職予定の派遣社員です。退職後は無収入になります。健康保険は任意継続と国保のどちらを選ぶのがよいでしょうか?
健康保険の選択肢としてよく比較されるのが、勤務先の健康保険を続ける「任意継続」と、市区町村で加入する「国民健康保険」です。本記事では、それぞれの違いを整理したうえで、無収入になる予定の人がどう考えると選びやすいのかを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
契約満了で退職した後の健康保険は3つの選択肢がある
退職後の健康保険には、大きく分けて以下の3つの選択肢があります。
1. 今の健康保険を続ける任意継続
2. 住んでいる市区町村の国民健康保険に入る
3. 家族の健康保険の扶養に入る(条件を満たす必要あり)
まず確認したいのは、家族の扶養に入れるかどうかです。扶養に入れれば、本人の保険料負担がないため、最も負担を抑えやすい選択になることがあります。失業給付を受ける場合は、その日額によって扶養に入れないこともあるため、家族の勤務先へ早めに確認することが大切です。
任意継続と国保は何が違う? 比べるべきポイント
任意継続は、退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヶ月以上あり、退職日の翌日から20日以内に手続きすれば加入できます。加入期間は、最長2年間です。
保険料は、退職時の標準報酬月額をもとに決まり、在職中は会社と折半していた分も退職後は自分で全額負担します。そのため、一般には退職前に天引きされていた健康保険料の約2倍になると考えると分かりやすいでしょう。
一方、国民健康保険は前年の所得や世帯人数などをもとに保険料が決まります。自治体ごとに金額が異なり、退職直後は前年の給与収入を基準に計算されるため、無収入になる予定でもすぐには保険料の負担がすぐに軽くなるとはかぎりません。ただし、翌年度には前年所得が下がるため、保険料も下がる可能性があります。
無収入になる予定ならどちらを選ぶべきか
無収入になる予定なら、まずは任意継続と国民健康保険の保険料を実際に比べることが重要です。退職直後は、国民健康保険も前年所得で計算されるため、必ずしも保険料が低くなるとはかぎりません。
そのため、退職前の給与水準が高かった人は、任意継続のほうが負担を抑えられることがあります。反対に、前年所得が低かった人や、自治体の保険料水準が低い地域では、国民健康保険のほうが保険料負担を軽くできる可能性が高いといえます。
また、契約満了での退職は、雇い止めなどの事情によっては、国民健康保険料の軽減対象になる可能性があります。
国民健康保険では、倒産、解雇、雇い止めなどによる離職者を対象とした軽減制度があり、離職理由コードが一定の条件に当てはまるかどうかが判断材料になります。
ただし、派遣社員の契約満了でも自動的に全員が対象になるわけではないため、ハローワークで交付される雇用保険受給資格者証の離職理由コードを確認し、市区町村の国民健康保険窓口に相談することが大切です。軽減の対象になれば、国民健康保険を選ぶほうがよい場合があります。
退職後の健康保険は保険料と条件を比べて選ぼう
契約満了で退職し、退職後に無収入になる予定なら、まず家族の扶養に入れないかを確認しましょう。扶養に入れない場合は、任意継続と国民健康保険のどちらが自分に合うかを保険料や条件から比べることが大切です。
任意継続は保険料の見通しが立てやすい一方で、手続きの期限が退職後20日以内と短いため、早めの確認が欠かせません。国民健康保険は自治体によって保険料に差があり、離職理由によっては軽減制度の対象になる可能性があります。
このように、退職後に無収入になる予定でも、国民健康保険の保険料は前年所得をもとに決まるため、負担がすぐに軽くなるとはかぎりません。任意継続と国民健康保険のどちらがよいかは、退職前の給与水準や住んでいる自治体の保険料、扶養の可否、離職理由などによって変わります。
迷ったときは、保険料だけでなく、手続きの期限や扶養に入れるかどうか、軽減制度の対象になるかも含めて判断することが大切です。自分に合った選択ができれば、負担を抑えながら安心して次の仕事探しに集中しやすくなるでしょう。
出典
全国健康保険協会(協会けんぽ) 退職後の健康保険加入のご案内
全国健康保険協会(協会けんぽ) 任意継続の加入条件について
全国健康保険協会(協会けんぽ) 保険料について
墨田区 非自発的失業者の国民健康保険料軽減について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
