子どもの教育費に備えて「学資保険」と「積立保険」で迷っています。将来の受取金額だけでなく、税金や生命保険料控除まで考えると、どちらのほうが手取りとして残りやすいのでしょうか?

配信日: 2026.03.22
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子どもの教育費に備えて「学資保険」と「積立保険」で迷っています。将来の受取金額だけでなく、税金や生命保険料控除まで考えると、どちらのほうが手取りとして残りやすいのでしょうか?
人生の三大資金の一つといわれる子どもの教育資金について、どのような方法で備えるのがよいのか迷う方も多いと思われます。
 
本記事では、その方法を「保険」とした場合に、「学資保険」と「積立保険」に関する税金や生命保険料控除、その他覚えておきたい特徴などを確認していきます。
高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

生命保険の保険金を受け取る際の税金に関する取り扱い

生命保険契約に基づき学資保険の場合は「学資金」、積立保険の場合は「満期保険金(解約返戻金)」を受け取ります(以下、「学資金」および「満期保険金(解約返戻金)」について、「保険金」と記載します)。
 
その際の税金の取り扱いは、基本的には共通で主に以下の4つに大別されます。
 

(1)契約者自身が、保険金を一括で受け取る場合

つまり、学資保険で父親が契約者で、学資金を一括で父親が受け取るケースです。この場合の保険金は、所得税(復興特別所得税、住民税も課税対象)の一時所得として以下の算式で計算されます。
 
【総収入金額-収入のために支出した金額-特別控除額(50万円)=一時所得の金額】
 
学資保険の場合には、総収入額は受け取った学資金総額、支出した金額は払込保険料総額となります。一時所得の特徴は、特別控除額として50万円の控除がある点と、給与所得など他の所得と総合課税として合算する際に、所得金額の2分の1のみが加算される点です。
 

(2)契約者以外の人が、保険金を一括で受け取る場合

学資保険で父親が契約者で、学資金を一括で子どもが受け取るケースなどが該当します。
 
この場合の保険金は、贈与税の課税対象となります。贈与税の税率は、直系尊属(父母や祖父母など)から、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の子や孫への贈与には特例税率が適用されます。 この税率は、一般税率よりも低く設定されています。
 

(3)契約者自身が、保険金を年金受取する場合

この場合には、その年に受け取った年金額が所得税の雑所得(公的年金等以外)に該当し、年金額から必要経費を差し引いて計算されます。必要経費とは、払込保険料総額÷受取保険金総額となります。また、雑所得の場合には、一時所得と違い特別控除や合算の際に2分の1とする措置はありません。
 

(4)契約者以外の人が、保険金を年金受取する場合

この場合も上記(2)と同様に、贈与税の課税対象となります。年金受取開始時点(給付事由発生時点)で年金受給権が贈与されたとみなされ、その評価額に贈与税が課税されます。
 
なお、2年目以降は贈与税の課税対象部分以外に所得税が課税され、課税対象が経過年数に応じて段階的に増加していく仕組みです。
 

生命保険料控除に関する取り扱い

生命保険料控除の取り扱いについても、学資保険、積立保険に差異はありません。基本的には、一般の生命保険料控除として年間の支払保険料に応じて、所得税で最大4万円、住民税最大2万8000円の所得控除を適用することができます。
 

4つの方法によるシミュレーション

前述した4つの方法ごとに所得金額、税金についてシミュレーションしてみましょう。統一の前提条件は、受取保険金400万円、払込保険料300万円とします。
 

(1)契約者自身が、保険金を一括で受け取る場合(所得税の一時所得)

400万円-300万円-50万円=50万円 ⇒総合課税に2分の1の25万円を合算

仮に、契約者が給与所得者で所得税率20%が適用される場合、

25万円×20%=5万円の所得税の負担増
 

(2)契約者以外の人が、保険金を一括で受け取る場合(贈与税)

子ども(18歳の場合には特例税率を適用)が受取人として、

(400万円-基礎控除110万円)×15%-10万円=33万5000円(贈与税)
 

(3)契約者自身が、保険金を年金受取する場合(所得税の雑所得)

仮に、その年の年金額が40万円とした場合、

40万円×300万円÷400万円=30万円

また、(1)と同様に契約者の所得税率が20%であった場合、

30万円×20%=6万円の所得税の負担増
 

(4)契約者以外の人が、保険金を年金受取する場合

年金受取開始時点で年金受給権が贈与されたとみなされ、その評価額に上記(2)と同様に贈与税が課税されます。2年目以降の雑所得にかかる所得税の計算は、国税庁の「タックスアンサーNo.1620」をご参照ください。
 

まとめ

学資保険の場合、契約者(通常、親)が死亡や所定の高度障害を負った場合に、以後の保険料の払い込みが免除されます。
 
そのような特長はあるものの学資保険と積立保険で税金や生命保険料控除の取り扱いについて、基本的には差異はありません。むしろ、保険金の受取方法と受取人の違いによって取り扱いが変わることを覚えておきましょう。
 
もし、不利となる可能性がある場合には受取人等の変更も検討することをお勧めいたします。
 

出典

国税庁 タックスアンサー No.1490 一時所得
国税庁 タックスアンサー No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー No.1620 相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係
 
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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