退職後に国民健康保険へ切り替えたら、保険料が“月3万円”に…! 年収「450万円」なら普通ですか? 想像以上に高くて驚いています
もっとも、退職後の健康保険は国民健康保険だけではなく、複数の選択肢があり、保険料の水準も制度ごとに異なります。そのため、「高いかどうか」は制度の仕組みと前提条件を踏まえて判断する必要があります。
本記事では、退職後の健康保険の選択肢と国民健康保険料の決まり方を整理したうえで、年収450万円で月3万円の保険料が妥当な水準かを検証します。
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退職後の健康保険にはおもに3つの選択肢がある
まず確認したいのは、退職後の健康保険の選択肢です。会社を退職すると、それまで加入していた健康保険の資格を失うため、何らかの公的医療保険に加入する必要があります。
具体的には、「健康保険の任意継続」、「国民健康保険」、「家族の健康保険の被扶養者」のいずれかを選択することになります。
健康保険の任意継続は、退職前に加入していた健康保険を最長2年間継続できる制度であり、保険料は事業主負担がなくなるため全額自己負担となる点が特徴です。
一方、国民健康保険は都道府県と市区町村が共同で運営しており、前年の所得などをもとに保険料が決まります。また、一定の収入条件などを満たせば、家族の健康保険の被扶養者となることで、本人の保険料負担が発生しない場合もあります。
このように、どの制度を選ぶかによって負担額は大きく変わるため、単純に「国民健康保険が高い」と判断する前に比較が必要になります。
国民健康保険料は「前年の所得」をもとに決まる
次に、国民健康保険料の決まり方です。国民健康保険料は、おもに前年の所得を基準に計算される所得割と、世帯の加入者数に応じて一定額がかかる均等割などを合算して決まります。
このため、退職直後は在職中の収入が基準となるため、実際の収入が減っていても保険料が高くなる傾向があります。いわゆる「前年所得ベース」という仕組みが、想定より高く感じる要因となります。
また、国民健康保険は自治体ごとに保険料率や計算方法が異なるため、同じ年収でも地域によって金額が変わる点にも注意が必要です。
年収「450万円」で「月3万円」は妥当か
では、具体的に年収450万円で月3万円という水準が妥当かを見ていきます。
前述の通り、国民健康保険料は自治体ごとに差があるため、ここでは一例として東京都新宿区の「令和7年度 国民健康保険料 概算早見表(給与/年金のみの場合)」を参考に考えます。新宿区の保険料は、医療分、支援金分、介護分それぞれにおいて所得割と均等割を合算して決まり、前年所得を基準に算出されます。
公開されている概算早見表を踏まえると、給与収入450万円では、1ヶ月あたりの保険料は、介護分なし(40~64歳以外)で2万9002円、介護分あり(40~64歳)では3万5504円となっています。
したがって、「月3万円」という金額は特別に高いというよりも、前年所得が450万円程度ある場合には一定程度見られる水準と考えられます。
判断は「他の制度と比較してどうか」で行う
新宿区の令和7年度の概算では、今回のケースにおいて月3万円という金額自体は制度上想定される範囲といえます。
ただし、それが適切かどうかは別の問題です。例えば、健康保険の任意継続であれば保険料は退職時の標準報酬月額を基準に決まり、場合によっては国民健康保険より安くなるケースもあるかもしれません。また、家族の健康保険の被扶養者になれる場合は大きく負担が変わる可能性があります。
このため、単に保険料の金額の大小で判断するのではなく、どの制度が自分の収入や家族構成、将来の収入見込みに合っているかを比較することが重要です。
まとめ
退職後に国民健康保険へ切り替えた際、今回参照した東京都新宿区の「令和7年度 国民健康保険料 概算早見表(給与/年金のみの場合)」によれば、月3万円程度の保険料になるケースは、年収450万円前後であれば一定程度見られる水準と考えられます。
これは前年所得を基準に計算される仕組みや、全額自己負担となる構造によるものです。もっとも、退職後の健康保険には複数の選択肢があり、負担額は制度によって変わります。
そのため、「高いかどうか」を判断する際には、国民健康保険だけでなく任意継続や扶養の可能性も含めて比較することが重要といえるでしょう。
出典
新宿区 国民健康保険 保険料について 保険料の計算方法について 保険料の試算 令和7年度 国民健康保険料 概算早見表(給与/年金のみの場合)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー