転職先で「紙の資格情報のお知らせ」をもらいました。私は「マイナ保険証」を持ってるのに、なぜ今さら渡されるのでしょうか? 捨てると不都合はありますか?
本記事では「資格情報のお知らせ」について、必要性や役割を紹介します。
特定社会保険労務士・FP1級技能士
マイナ保険証利用者が入社すると
以前は、入社すると、会社から新しい健康保険証が渡されていました。しかし、今はマイナ保険証の時代、そうした場面はなくなりました。
マイナ保険証の情報は自動で切り替わる
従業員が入社すると、会社は保険者(健康保険組合や協会けんぽなど)に対し、健康保険の資格取得手続きをします。
この手続きが完了すると、マイナ保険証で確認される健康保険の資格情報も、新しい会社のものに変わります。この間、従業員はマイナカードを所持したままでよいのです。
「資格情報のお知らせ」を受け取る
資格取得手続きが終わると、会社から「資格情報のお知らせ」という紙を渡されます。
「資格情報のお知らせ」は、保険者が発行するもので、健康保険の記号番号・被保険者の氏名・生年月日・資格取得日などが書かれています。マイナ保険証のデータも、基本的には同じです。
しかし、「資格情報のお知らせ」は保険証の代わりにはなりません。また、この紙だけで保険診療を受けることはできません。それなのに、なぜ「資格情報のお知らせ」が交付されるのでしょうか?
「資格情報のお知らせ」はなぜ必要?
マイナ保険証利用者に「紙」の資格情報のお知らせを渡す理由は、資格情報(保険診療を受けるためのデータ)を、目に見える形で提示するためです。理由は、大きく2つあります。
・資格情報を、本人が確認できるようにするため
・医療機関でマイナ保険証が使用できない事態に備えるため
本人が自分のデータを確認するため
従来の健康保険証には、氏名や記号番号などの情報が書かれていて、見るだけで一連の事項の確認ができました。
しかし、マイナカードを見ても、顔写真や氏名などが表示されているだけで、どこにも健康保険の情報はありません。そうした情報を確認するには、カードリーダーなどの機器が必要なのです。
この情報を目で確認できる形にしたものが、「資格情報のお知らせ」です。これにより、マイナ保険証利用者は、自分の資格情報を確認できます。健康保険の給付金請求時に、記号番号などのデータを記載するときにも便利です。
不測の事態に備えるため
有効なマイナ保険証を持っていても、医療機関でマイナ保険証のデータを確認できないと、スムーズに保険診療が受けられない懸念があります。
カードリーダーなどのデジタル機器は、停電や故障などのトラブルに見舞われる可能性がゼロではありません。たとえ頻度は高くなくても、マイナ保険証利用者に非がないにもかかわらず、保険診療を受けられない事態は避けるべきでしょう。
そうした「マイナ保険証が読み取れない」事態に備えるために、必要なデータを紙に印字した「資格情報のお知らせ」を保険者が出しているのです。
「資格情報のお知らせ」が役立つ場面は?
医療機関で、カードリーダーの不具合などによりマイナ保険証が機能しないときは、「資格情報のお知らせ」が役に立ちます。
「資格情報のお知らせ」単体では使えない
そうしたときは、マイナ保険証とともに「資格情報のお知らせ」を、医療機関の窓口に提示します。「資格情報のお知らせ」だけでは受診はできません。
また、「資格情報のお知らせ」は必ず紙で提示する必要があります。スマートフォンで撮影したデータなどは使えないため、注意しましょう。
マイナポータル画面の提示でも可
「資格情報のお知らせ」がなくても、スマートフォンで資格情報画面を提示できれば、保険診療を受けることができます。
スマートフォンでマイナポータルにログインすると、健康保険の資格情報が見られます。この資格情報をダウンロードした画面を、医療機関の窓口に見せる方法です。なお、スマートフォン画面を使用する場合も、マイナ保険証とセットで窓口に出す必要があります。
まとめ
「資格情報のお知らせ」は、医療機関の機器が正常に動いている限り、特に必要になることはありません。しかし、万一マイナ保険証が読み取れない事態が発生したときには、「資格情報のお知らせ(またはマイナポータル画面)」が役に立つのです。
「資格情報のお知らせ」を失くしたときは、保険者に対し、再発行の手続きが必要です。マイナポータルの資格情報画面を使い受診することもできますが、紙の媒体が必要な人には「資格情報のお知らせ」はやはり便利なものでしょう。
出典
厚生労働省 資格確認方法について
執筆者 : 橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士