定年後「会社の健康保険」を“任意継続”したら、実は「国保より年20万円」高かったと知りショック! 退職後“20日以内”に選ばないと損する「老後の保険」の境界線とは
実は、世帯の状況や住んでいる自治体によっては、国民健康保険(国保)に切り替えたほうが、年間で数十万円も安くなる逆転現象が起こり得るため、注意が必要です。
本記事では、退職後「20日以内」に迫られる保険選びのタイムリミットと、損をしないための境界線について解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
会社負担がなくなり保険料は「全額自己負担」へ
在職中の健康保険料は、会社と従業員で半分ずつ負担する「労使折半」となっています。
しかし、退職して任意継続を選択した場合、会社が負担していた保険料分がなくなり、全額自己負担になります。そのため、保険料は給与天引きされていたときの約2倍になるのです。
特に注意したいのは、「退職時の標準報酬月額をベースに計算される」という点です。現役時代に高い給与を得ていた場合、その水準で計算された保険料が、収入の減る退職後の家計に重くのしかかります。
一方、任意継続には保険料の上限額が設けられているため、現役時代の給与が非常に高かった人にとっては割安になるケースもあります。
例えば、現役時の月収が50万円だった人が任意継続する場合、上限額の設定により保険料が月額約3万円(年間36万円)に抑えられる健保組合もあります。一方、同条件で国保に加入すると、所得比例の「所得割」が重く響き、年間保険料が50万円を超える自治体も珍しくありません。
年間20万円の差を生む「扶養」と「自治体の制度」
それでは、国民健康保険のほうが安くなるケースに該当するのは、どのような人なのでしょうか。この要因となるのが「自治体ごとの計算式」と「扶養の有無」の2つです。
国保の保険料は、前年の所得や世帯人数をもとに市区町村ごとに決定されます。住んでいる地域によって計算式自体が異なるため、同じ都内の市部であっても、隣の市と保険料が年間数万円違うケースもあります。そのため、自分が住んでいる自治体の正確な料率を確認する必要があります。
また、「扶養」の有無によって保険料は大きく変わります。任意継続であれば、収入のない配偶者を扶養に入れることで配偶者の保険料は0円になりますが、国保には扶養制度がないため、加入する人数分の「均等割」が加算されます。
扶養家族が多い世帯であれば、任意継続との差額が年間20万円以上に達するケースも珍しくありません。この「制度の仕組みの差」が、退職後の保険料に大きく響いてくるのです。
つまり、「独身や共働きで扶養家族がいない人」や「住んでいる自治体の国保料率が比較的低い人」は、国保を選んだほうが年間数十万円得する可能性があります。そのため、自身の世帯状況で正しく保険料を算出することが必要です。
退職後「20日以内」のタイムリミットに注意
退職後の健康保険の選択で注意すべきなのが、手続きの期限です。任意継続に加入するためには、退職日の翌日から「20日以内」に健康保険組合へ申請しなければなりません。
さらに、この「20日以内」には、土日や祝日も含まれる点に注意が必要です。離職票などの必要書類が届くのを待つ間に日数が経過することもあるため、事前に会社の人事担当者と打ち合わせておくとよいでしょう。
この手続き期限を1日でも過ぎると、任意継続を選ぶことはできず、自動的に国保へ加入することになります。退職直後は手続きや生活の変化で慌ただしい時期ですから、保険料の比較と選択は退職前に済ませておくと安心です。
退職前にどちらが安くなるか比較しておこう
定年後の健康保険は「任意継続」と「国民健康保険」のどちらが得か、一概に断定することはできません。扶養家族の人数や住んでいる自治体の計算式、そして退職前後の収入によって保険料は変わります。
「取りあえず会社の保険」という選択は避け、退職の数ヶ月前には市区町村の窓口で国保の保険料の試算を出してもらいましょう。年金生活を控えた時期に年間で数十万円もの固定費の差が生じることは、今後の家計管理に大きな影響を与える可能性があります。
老後資金を守るためにも、会社の任意継続の保険料と比較検討してみましょう。
出典
全国健康保険協会 退職後の健康保険について
厚生労働省 国民健康保険の保険料・保険税について
全国健康保険協会 任意継続の加入条件について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー














