いわゆる“独身税”が始まったことで、年収「500万円」の独身世帯と既婚世帯では、年間の負担額はどのくらい変わるのでしょうか?

配信日: 2026.05.09
この記事は約 4 分で読めます。
いわゆる“独身税”が始まったことで、年収「500万円」の独身世帯と既婚世帯では、年間の負担額はどのくらい変わるのでしょうか?
少子化対策の一環として導入された「子ども・子育て支援金制度」は、社会全体で子育て世帯を支えることを目的とした仕組みです。この制度による負担は子育て世帯だけでなく、独身世帯にも及びます。では、独身世帯と既婚世帯で、年間の負担額にはどのような違いが生じるのでしょうか。
 
今回は、制度の概要や導入の背景とあわせて、家計への影響について整理していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

2026年度から「独身税」が課される? 子ども・子育て支援金制度とは?

近年、インターネット上で「独身税」という言葉が飛び交うようになりました。これは、政府が少子化対策の財源を確保するために導入する「子ども・子育て支援金制度」の俗称です。この制度は、2026年4月から段階的に導入され、医療保険の保険料に上乗せして徴収される仕組みです。
 
こども家庭庁の公式サイトによると、この支援金は、児童手当の拡充や妊産婦への支援、保育サービスの充実など、社会全体で子育て世帯を支えるための財源として活用されます。
 
一方で、この制度には大きな特徴があります。それは、子どもがいる世帯だけでなく、独身世帯や子どものいない世帯、さらには後期高齢者までもが広く負担の対象となる点です。
 
独身世帯にとっては、直接的な給付を受けられない一方で、保険料負担だけが増えることになるため、SNSなどでは実質的な「独身税」であると批判的な視点で捉えられるケースがあります。
 

具体的な支援金額はいくら?

では、具体的にいくら負担することになるのでしょうか。こども家庭庁が示した試算によると、2026年度の月額の平均支援金額は以下のとおりです。
 

・健保組合:被保険者一人当たり約550円
・国民健康保険:一世帯当たり約300円
・後期高齢者医療制度:被保険者一人当たり約200円

 
支援金額は、医療保険制度ごとに年収などによって変わり、例えば被用者保険では以下のとおりです(2026年度)。
 

・年収200万円:月額192円
・年収400万円:月額384円
・年収600万円:月額575円

 
今回のケースでは、年収「500万円」の独身世帯と既婚世帯では年間の負担額がどのくらい変わるのかということですが、仮に被用者保険の場合、年収「500万円」の会社員における2026年度の年間負担額は5750円程度(月額479円程度)と試算されます。
 
この制度は、独身世帯か既婚世帯かという点ではなく、加入している医療保険制度や本人の収入水準に応じて1人当たりの負担額が決まる仕組みであるため、加入している医療保険制度や年収水準が同程度であれば、1人当たりの負担額についてもおおむね同水準になると考えられます。
 
物価高が続く中で新たな固定的負担として家計を圧迫する要因となる可能性がありますが、少子化対策という観点では国民全体に関わる取り組みとして位置づけられている点についても理解しておくことが重要といえるでしょう。
 

子育て世帯は負担以上の恩恵も?

独身世帯では制度による直接的な給付を受ける機会が限定的である一方、子育て世帯については、各種支援の拡充による恩恵が見込まれます。
 
中でも、支援金を財源とした児童手当の拡充は、子育て世帯の家計に大きな助けとなります。所得制限の撤廃、支給対象の高校生年代までの延長、そして第3子以降への増額が実施されており、より多くの世帯が恩恵を受けられるようになっています。
 
例えば、高校生の子どもが1人いる場合、拡充前は支給対象外でしたが、制度改正により新たに年間12万円(月額1万円)の児童手当を受け取れるようになりました。
 
さらに、第3子以降の児童については月額3万円が支給されるため、中学生が第3子として従来月額1万円受け取っていたのが、月額で2万円増額(年間24万円増額)となり、同じ中学生であっても支給額が大きく拡充されます。
 
このように、子ども・子育て支援金制度は、負担と支援の関係が世帯状況によって異なり、家計への影響にも差が生じる仕組みとなっています。制度の内容を理解したうえで、自身の家計にどのような影響があるのかを整理しておくことが重要です。
 

まとめ

子ども・子育て支援金制度は、医療保険料に上乗せして広く国民から徴収される仕組みで、独身世帯にとっては直接的な給付が限定的である一方、負担は発生する点が特徴のひとつといえるでしょう。
 
基本的に全ての医療保険加入者にとって負担増となりますが、子育て世帯は児童手当の拡充などにより、年間数万円~数十万円規模の支援を受けられる可能性があります。
 
本制度は国民の負担が増える一方で、子育て世帯を支えることにつながります。「独身税」といった負担面だけに目を向けるのではなく、広い視野で総合的に考えることが重要でしょう。
 

出典

こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について
こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度のQ&A Q2.令和8年度から始まる子ども・子育て支援金はどんな制度?何に使われるの?
こども家庭庁 医療保険制度ごとの年収別試算 被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合)(1ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 yumobile
FF_お金にまつわる悩み・疑問