会社を辞めた母が「失業手当をもらってから年金を受け取ったほうが得では?」と話しています。本当に受け取り方で損得は変わるのでしょうか?

配信日: 2026.05.17
この記事は約 3 分で読めます。
会社を辞めた母が「失業手当をもらってから年金を受け取ったほうが得では?」と話しています。本当に受け取り方で損得は変わるのでしょうか?
会社を辞めたあと、失業手当や年金をどう受け取ればよいのか悩む人は少なくありません。特に60代で退職した場合は、65歳前か65歳以降かによって、確認すべき制度や手続きが変わります。
 
失業手当と年金の関係をよく確認しないまま進めると、思っていた収入と違ってしまうこともあります。本記事では、退職後の失業手当と年金の関係について、確認しておきたいポイントを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

失業手当と年金は年齢によって同時にもらえるかが変わる

失業手当とは、雇用保険の基本手当のことです。会社を辞めた人が、働く意思と能力があり、求職活動をしている場合に受け取れる給付です。つまり、退職しただけで自動的にもらえるものではありません。
 
年金との関係で大切なのは、退職時の年齢です。65歳前に受け取る「特別支給の老齢厚生年金」などと雇用保険の基本手当は、原則として同時には受け取れません。日本年金機構も、65歳になるまでの老齢年金と失業給付は同時に受けられないと説明しています。
 
一方、65歳以降に退職した場合は、65歳前とは扱いが変わります。この場合、雇用保険から受け取れるのは、通常の失業手当ではなく、「高年齢求職者給付金」になることがあります。
 
これは、65歳以上の雇用保険加入者が失業したときに受け取れる給付です。年金を受け取りながら対象になる場合もあるため、65歳前と同じように考えず、退職時の年齢に合わせて制度を確認しましょう。
 

65歳前に失業手当をもらうと年金が止まることがある

お母さまが65歳前で、すでに特別支給の老齢厚生年金を受け取れる年齢になっている場合は注意が必要です。ハローワークで求職の申し込みをすると、その月の翌月から失業手当の受給期間が終わる月まで年金が全額支給停止になります。
 
例えば、失業手当を3ヶ月分もらえたとしても、その間に本来受け取れた年金が止まるのであれば、合計額で得になるとはかぎりません。失業手当の金額が年金より多ければ一時的には助かりますが、年金の停止期間や支給再開の時期も含めて比べる必要があります。
 
また、失業手当は「働く意思がある人」のための給付です。退職後は働くつもりがなく、家事や趣味に専念する場合は、受給対象にならない可能性があります。失業手当を受け取ることで金銭的に得になるかどうかだけでなく、実際に再就職を希望しているかどうかも確認しましょう。
 

65歳以降は「高年齢求職者給付金」と年金を確認する

65歳以降に退職した場合は、高年齢求職者給付金を確認します。この給付を受けるには、離職日前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6ヶ月以上あり、就職する意思と働ける能力があるうえで、求職活動をしていることが必要です。
 
65歳以降の年金については、受け取り開始を遅らせる「繰下げ受給」も選択肢の一つです。老齢基礎年金や老齢厚生年金は、65歳で受け取らず、66歳以降75歳までの間に繰下げることで増額されます。増額率は1ヶ月あたり0.7%で、増えた割合は一生変わりません。
 
ただし、繰下げは誰にとっても得とはかぎりません。受け取らない期間の生活費をどうするか、健康状態、家族構成、税金や社会保険料への影響も考える必要があります。手元資金に不安がある場合は、無理に年金を繰下げるより、65歳から通常どおり受け取って生活を安定させる方法もあります。
 

失業手当と年金の受け取り方は生活設計も含めて考えよう

失業手当をもらってから年金を受け取ると得になるかは、お母さまの年齢、退職日、雇用保険の加入期間、年金額、再就職の意思によって変わります。特に65歳前は、失業手当を受けると年金が止まる場合があるため、単純に「両方もらえる」と考えないほうが安全です。
 
まずは、ねんきん定期便や年金事務所で年金額を確認し、ハローワークで失業手当または高年齢求職者給付金の見込み額を聞いてみましょう。そのうえで、数ヶ月分の収入だけでなく、今後の生活費や働き方も合わせて考えることが大切です。制度を正しく比べれば、お母さまに合った受け取り方を選びやすくなるでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金と雇用保険の失業給付との調整
厚生労働省 ハローワーク 離職されたみなさまへ <高年齢求職者給付金のご案内>
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 yumobile
FF_お金にまつわる悩み・疑問