夫の死亡保険を減らそうとしたら、妻に「遺族年金だけでは足りない」と反対されました。保険はいくら残しておくべきですか?

配信日: 2026.05.21
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夫の死亡保険を減らそうとしたら、妻に「遺族年金だけでは足りない」と反対されました。保険はいくら残しておくべきですか?
死亡保険を見直そうとしたとき、妻から「遺族年金だけでは足りないのでは」と反対されたらどうするべきでしょうか?
 
死亡保険をいくら残すべきかは、家庭によって変わります。子どもの有無、住宅ローン、貯金、妻の収入、夫の勤務先の保障などで必要額は大きく変わるからです。大切なのは、「なんとなく不安だから多めに入る」「保険料が高いから一気に減らす」と決めないことです。
 
この記事では、夫の死亡保険を減らす前に確認したい遺族年金の考え方と、保険金額を決める手順を解説します。
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遺族年金だけで生活費をすべてまかなえるとは限らない

夫が亡くなった場合、条件を満たせば遺族年金を受け取れることがあります。会社員や公務員など厚生年金に加入している人が亡くなった場合は、遺族基礎年金や遺族厚生年金の対象になる可能性があります。
 
ただし、遺族年金は誰でも同じ金額を受け取れるわけではありません。子どもの有無、子どもの年齢、夫の収入、年金の加入状況などで金額が変わります。
 
たとえば、遺族基礎年金は「子のある配偶者」などが対象です。ここでいう子とは、原則として18歳になった年度の3月31日までの子を指します。つまり、子どもがいない家庭や、子どもが独立した後の家庭では、受け取れる年金の内容が変わることがあります。
 
また、遺族年金が出たとしても、現在の生活費をそのまま維持できるとは限りません。夫が亡くなれば食費や通信費など一部の支出は減るかもしれませんが、家賃、住宅ローン、光熱費、教育費は大きく減らないこともあります。特に子どもが小さい家庭では、進学費用や習い事の費用も考える必要があります。
 
妻が「遺族年金だけでは足りない」と感じるのは、決して大げさとはいえません。保険を減らす前に、まずは遺族年金で足りる部分と、足りない部分を分けて考えましょう。
 

死亡保険は「不足するお金」を埋める金額で考える

死亡保険の金額は、「多ければ安心」「少なければ損」と単純には決められません。基本は、夫に万が一のことがあった後に必要なお金から、入ってくるお金を差し引き、その不足分を保険で用意する考え方です。
 
必要なお金には、残された家族の生活費、子どもの教育費、住居費、葬儀費用、車の買い替え費用などがあります。たとえば、妻と子ども2人が残される家庭なら、子どもが独立するまでの生活費と教育費は大きな項目です。大学進学を想定するなら、まとまった費用が必要になることもあります。
 
一方で、入ってくるお金も確認します。遺族年金、妻の収入、貯金、勤務先の死亡退職金、団体信用生命保険で住宅ローンがなくなるかどうかなどです。団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が亡くなったときなどに、ローン残高が保険金で返済される仕組みです。これに入っていれば、住居費の不安は小さくなる場合があります。
 
たとえば、今後必要なお金が5000万円、遺族年金や妻の収入、貯金などで用意できるお金が3500万円なら、不足分は1500万円です。この場合、死亡保険は1500万円前後を一つの目安として考えられます。
 
もちろん、これは単純な例です。実際には、物価上昇や妻の働き方、子どもの進路によって必要額は変わります。そのため、保険を減らすなら、余裕をまったく残さず削るのではなく、少し幅を持たせて考えると安心です。
 

保険を減らす前に確認したい家庭ごとの注意点

死亡保険を減らしてもよい家庭もあります。たとえば、子どもがすでに独立している、住宅ローンがほとんど残っていない、十分な貯金がある、妻に安定した収入があるといった場合です。このような家庭では、大きな死亡保障を長く持ち続ける必要性が下がることがあります。
 
一方で、減らしすぎに注意したい家庭もあります。子どもが小さい、妻が専業主婦または収入が少ない、住宅ローン以外の借入れがある、貯金が少ない場合です。このような家庭では、夫の収入がなくなったときの影響が大きくなります。保険料を下げたい場合でも、保障を一気にゼロにするのではなく、必要な部分だけ残すほうが現実的です。
 
また、保険の種類も確認しましょう。定期保険は、一定期間だけ大きな保障を持つ保険です。子どもが独立するまでなど、必要な期間に合わせやすい特徴があります。終身保険は、一生涯の保障が続く保険です。ただし、保険料は定期保険より高くなる傾向があります。
 
保険料が負担なら、金額を少し下げる、保障期間を見直す、掛け捨て型を活用するなどの方法があります。妻の不安を無視して解約すると、家計の話し合いが感情的になりやすくなります。まずは「何が不安なのか」を聞き、その不安に必要な金額を数字で見えるようにしましょう。
 

まとめ

夫の死亡保険をいくら残すべきかは、家庭ごとに違います。目安は、残された家族に必要なお金から、遺族年金、妻の収入、貯金、勤務先の保障などを差し引いた不足分です。つまり、死亡保険は「遺族年金で足りない部分を補うもの」と考えると分かりやすくなります。
 
妻が「遺族年金だけでは足りない」と反対する場合は、感情だけで判断しているとは限りません。子どもの教育費や老後の生活費など、夫が見落としている不安を考えている可能性があります。反対されたときは、すぐに保険を減らすのではなく、家計表や年金見込み額を使って一緒に確認することが大切です。
 
保険料を下げること自体は悪いことではありません。使わない保障に高い保険料を払い続けると、今の生活を圧迫することもあります。ただし、必要な保障まで削ってしまうと、万が一のときに家族が困ります。
 
まずは、今後必要なお金と入ってくるお金を書き出しましょう。そのうえで、不足する金額だけを死亡保険で残せば、保険料の負担と家族の安心のバランスを取りやすくなります。迷う場合は、保険会社だけでなく、家計全体を見られる専門家に相談するのも一つの方法です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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