更新日: 2019.08.05 その他保険
夫に何かあったときのために、収入や医療費をサポートしてくれる仕組みを知っておこう
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
一定期間働けなくなったら傷病手当金
会社や事業所などを通じて健康保険に加入している場合、健康保険組合より傷病手当金を受けられることがあります。傷病手当金とは、業務外のけがや病気により4日以上仕事ができずに休んだとき、4日目からお金が支給される制度です。
支給される期間は1年6ヶ月で、支給される金額は支給開始日12ヶ月前の標準報酬月額を平均したものを30で割り、そこに3分の2をかけた金額です。
保険組合によっては要件や金額などが若干異なることもあります。詳細については加入している健康保険組合へお問い合わせください。
高額な医療費には高額療養費制度を利用しましょう
高額療養費制度とは、1ヶ月間に医療機関や薬局の窓口で支払った金額が上限額を超えた場合に、その超えた部分を支給する制度です。ここでいう上限額は年齢や所得、場合によっては加入先となる健康保険組合によって異なります。
また、高額療養費制度の対象となる費用の範囲は、あくまでも保険適用される診療の部分に限られています。入院時の食費や患者の希望による差額ベッド代などは対象とならないのです。
詳細については、国民健康保険の方は各市区町村へ、健康保険(勤務先の社会保険)に加入している方は健康保険組合へ問い合わせるようにしてください。なお、申請から支給までの間は3ヶ月程度かかることがほとんどです。
医療費の支払いが困難な場合、一定の条件により無利息での貸付を受けられる「高額医療費貸付制度」を利用できることもあるため、心配な場合にはそちらも確認しておくとよいでしょう。
遺族年金
国民年金、または厚生年金の被保険者が亡くなってしまった場合、その妻(夫)は遺族年金を受け取ることができます。遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金とがあります。
国民年金の被保険者が亡くなった場合は遺族基礎年金を、厚生年金の被保険者が亡くなってしまった場合は遺族基礎年金に遺族厚生年金を上乗せして受け取ることになります。どちらも残された遺族のための制度ですが、受けられる条件や期間、金額が異なってきます。
例えば、遺族基礎年金を配偶者が受け取るには18歳到達年度の末日(3月31日)までにある子(一定の障害の状態にある場合は20歳未満)のいることが必要で、子がその年齢に達するまでの間受け取ることができます。
それに対し、遺族厚生年金は子の有無にかかわらず受け取ることができますし、遺族基礎年金と併用して受け取ることができる場合もあります。詳細についてはお住まいの市区町村を管轄する役場や、年金事務所へお問い合わせください。
万が一に備えて用意しておくべきことは?
病気やけが、死亡といった事故を事前に予測することは困難です。万一の際、国が用意している制度により一定の保障を受けることができますが、必ずしもそれで十分であるとは言い切れません。
そのため、普段から貯蓄をしたり、医療保険や生命保険などに加入したり、有事に備えておくことが必要でしょう。とはいえ、安心できる備えの内容はリスクや事故、年齢、家族構成などによって異なります。
また、万一に備えておくとはいっても、現在の生活に支障が出てしまわないようにすることが重要です。無理なく十分な備えが用意できるよう、ファイナンシャルプランナーをはじめとする専門家へ相談しておくことをおすすめします。
執筆者:柘植輝
行政書士