傷害保険は、日常生活のシーンに合わせて組立てよう

配信日: 2020.04.20

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傷害保険は、日常生活のシーンに合わせて組立てよう
傷害保険とは、突然の事故などによるけがが原因で死亡したり後遺障害が残ったりしたとき、または介護状態になった場合に、経済的な負担をカバーしてくれる保険です。
 
一方、医療保険は、病気やけがになったときの経済的な補償です。傷害保険に加入するニーズは医療保険ほど多くないと思いますが、もし、傷害保険に入るなら、どのような入り方をすればいいのでしょうか。
 
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

目的が何かを考える

傷害保険は、端的にいうと、けがを原因とした補償です。日常生活のけがを対象としていますが、おそらく、病気と比べると、それほどイメージがわきにくいかもしれません。
 
例えば、健康のためにスポーツサークルやクラブに入っているとします。サークルやクラブの団体側は、部員や会員に「スポーツ保険」加入を求めます。スポーツサークルやクラブなどで運動中にけがをした場合、その治療費などを補償する必要があるためです。このスポーツ保険がまさに傷害保険です。
 
また、国内旅行や海外旅行に行く際、旅行会社や航空会社から旅行保険の加入を勧められた方は少なからずいるかもしれません。旅行保険では、旅先でけがにあった場合、治療などの費用が補償されます。
 
他にも、死亡・後遺障害になった場合や携行品に対する補償、旅行先で遭難した際の救援者費用など、旅行中に起こりうるリスクに対して、補償内容が組まれています。旅行保険というネーミングがされていますが、旅行者向けの傷害保険ということができます。
 
他にも、ゴルファー保険というゴルファー向けの傷害保険があります。これは、けがの補償はもちろん、ゴルフバッグなどの携行品が盗まれたり、ゴルフボールが誤って他人を傷つけてしまったりした場合の補償が含まれています。
 
傷害保険は、原則的に、日常生活にともなう「急激」かつ「偶然」な「外来の事故」によりけがをした場合が補償の対象です。これに、目的に応じた特約補償を付加することで、〇〇〇向けの傷害保険として組み立てられています。
 
「急激」とは、突発的に発生することを指します。例えば、原因となる事故が発生してすぐに、けがが起きるような性質のものです。事故が起きて、時間が経ってからけがが発生するものは含まれていません。
 
「偶然」とは、原因か結果のいずれか、もしくは両方が予知できないものを指し、以下の3つのうちのいずれかに該当するものをいいます。
(1)原因の発生が偶然である
(2)結果の発生が偶然である
(3)原因・結果とも偶然である

 
「外来の事故」とは、傷害が被保険者の身体の外部からの作用によるもの。つまり、けがの原因が自分以外にあることを指します。
 
このため、交通事故、運動中の打撲・骨折、転倒、 火災・爆発事故などが保証の対象になりますが、熱中症や細菌性食中毒、わざと喧嘩して受けたけがなどは保証の対象外です。
 
日常生活を営む中で、階段を下りている最中に転んでけがをした、自転車の運転中に転倒しけがをしたなど、通常起こりうる事故に対しても補償されます。特に、高齢者など普段の生活の中でけがのリスクが高いかもしれないという方の場合、有用といえます。
 
加入に際しては、何のために入るかが重要になるため、家族と相談したうえで加入の可否を検討するようにしましょう。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)


 

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