歌舞伎俳優の市川猿之助さんの事故は労災?
配信日: 2017.10.12
更新日: 2025.07.01
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10月9日、歌舞伎俳優の市川猿之助さんが「スーパー歌舞伎2 ワンピース」ルフィー役の舞台の最中に、舞台の昇降装置に衣装が巻き込まれて左腕開放骨折で重傷という痛々しいニュースが報道されました。
こういった舞台装置に衣装が巻き込まれた事故は幾度となく耳にしますが、この場合どういった保障が適応になるのでしょうか?
こういった舞台装置に衣装が巻き込まれた事故は幾度となく耳にしますが、この場合どういった保障が適応になるのでしょうか?
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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労災による「休業補償手当」は適用外
労災保険というのは「労働者災害補償保険法」という名の通り、「労働者」が使用者の指示のもと業務中に起こった事故に対して補償するものです。
おそらく、猿之助さんほどの俳優は労働者として雇用契約を締結しているのではなく、業務委託契約だと推察されます。労働契約と業務委託契約の違いは一言でいうと、「時間・指揮命令など拘束性が強く自由裁量の余地はない」と、「作品や成果物を提供することが優先で指揮命令や時間などの拘束性はなく自由裁量が大きい」というものです。
もちろん舞台期間中は拘束されますが、例えば稽古の時間やその間の自由度は大きい、(いい作品を提供してその結果多くの観客を招集できればいい)というものではないかと推察されます。労働者であれば、違法労働者でも適用されるのが労災ですが、業務委託であれば適用外と考えられます。当然サラリーマンに適用される健康保険からの傷病手当金も適用外です。