2018.04.04 スペシャルインタビュー

人生100年のビジョンマップ:心もお財布も幸せに生きよう!PART3

マネーセラピスト・安田まゆみさんに聞く ①マネーセラピストはお金と心のケアをするスペシャリスト

Interview Guest : 安田まゆみ(マネーセラピスト)

interviewer : 山中伸枝 / Photo : 新美 勝

Interview Guest

安田まゆみ(マネーセラピスト)

安田まゆみ(マネーセラピスト)

CFP認定者(国際資格)、1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)、NLPプラクティショナー、カラー心理カウンセラー。1955年、東京生まれ。大学卒業後、雑誌編集者、外資系損害保険代理店を経て、96年からファイナンシャルプランナーとして活動を開始。 同時に有限会社マイプランニングオフィスを設立し、代表に就任。現在に至る。家計管理の相談の他、離婚後のお金相談も多く携わってきた。 近年は、老後不安からの老後マネー相談をはじめ、両親の「相続対策」「認知症対策としての任意後見契約」「老後の財産を守る個人信託」などの相談がかなり多くなってきている。
「元気が出る お金の相談所」所長、「一般社団法人エンディングメッセージ普及協会」理事長、「有限会社マイプランニングオフィス」 代表取締役。

人生100年時代と言われるようになりましたが、果たして私たちはビジョンを持って「人生100年」を受け止めているでしょうか?

この対談企画では、様々な分野の方にお話しをお聞きし人生100年時代のビジョンを読者のみなさんと作り上げていきたいと考えています。

今回はマネーセラピストの安田まゆみ様にお話しを伺いました。

実際に離婚に踏み切るには、自立の覚悟と同じくらいお金の使い方が問題

山中 こんにちは、今日はよろしくお願いします!早速ですが、安田さんはマネーセラピストとしてご活躍ですが、例えばどういう方からどのような相談が多いのか教えていただけますか?
 
安田 最近多いのは「離婚後のお金の相談」ですね。離婚したいけど、離婚してもやっていけるかしら?っていうご相談です。それも熟年離婚、そろそろ夫に退職金が入る、あるいは、退職金の金額が見えてきた、というタイミングの方のご相談、多いですね。
 
山中 なにかそこに大きな転機があるんですね。
 
安田 退職金という大きなお金が入る、そのお金をもらったら自分が自立できるんじゃないか、ここを離れられるんじゃないかっていう想いがあるようですね。
 
山中 なるほど。
 
安田 もちろん様々なケースがあります。ご相談者は圧倒的に女性が多いんですが、比較的離婚を軽く考えている方も多いですね。ご相談者には、まず計算してみましょうって言うんですよ。
 
例えば、退職金の半分を財産分与で貰いました。家を売ってその半分もらいました。それが2000万円だったとします。その2000万円もらって、毎月いくら使えるのか計算しましょう、と。
 
あなたの65歳からの年金は、若い時ちょっと働いていたから月8万円。あと30年生きるとして、360ヵ月で割ってみましょう。どうですか?月5.5万円ですよ。年金の8万円と財産分与の5.5万円で13.5万円。貯金やへそくりが無ければ、それ以上の取り崩しはできないです。
 
孫にお小遣いはあげられないかもしれない。離婚すれば、そういう生活が待っている。そういう生活をするか、生活が楽になるよう、必死で働くか。
 
どうします?っていう話をしますね。そうすると、離婚後の生活が具体的に見えてきて、経済的な面から考えると簡単には離婚に踏み切れないんだなって、始めて思う人もいるんですよ。
 
山中 うーん。
 
–安田 もちろん本当に決意が固い人なら、「はい、それでも離婚に踏み切ります」ってなるけど、甘く考えている人は、そこで離婚の気持ちが萎えますね。
 
山中 決意が固い方と甘い方、どちらの方が多いですか?
 
–安田 圧倒的に甘く考えている人が多いです。
 
山中 その甘さはどこから来るんでしょう?
 
安田 1つはこれまでに見たことのないような大きな金額の退職金。それが手に入ったら、一人で暮らせるんじゃないか?みたいな、夢を見てしまうからではないかと思います。
 
山中 ご主人から月々いくらみたいなお金を貰ってそのやり繰りをしてこられた方だと、全体の資産形成とか資産管理の経験はあまりないですね。
 
安田 そうですね。おっしゃるように月々15万とか20万円とかっていうお金を預かっている人は、そこだけやればいいから、資産の全体像は見てない。全体像を見る力が無いから、見通しを立てる力も弱い。
 
山中 俯瞰していないって事ですよね。
 
安田 そういう事ですね。経済的な独立は派難しいと離婚をあきらめた方でも、せっかくご相談に来てくれたのですから、経済的な自立ばかりが「自律」ではないよ、と自立について踏み込んでアドバイスしています。
 
自立っていうのは、家にいてもできるのだという話です。夫の事が目障りだって言うけど、夫がどうであれ、あなたはあなたの人生を完結して生きて、言うべきことを言える人間になる事が大事じゃないのか。
 
それが自立への一歩でその自信ができれば、家を出る事ができるようになるかもしれない。
 
たとえ、今後、一緒に暮らさざるを得ないとしても、「夫がいるからできない」という言い訳をずっと続けて、何もしなかったら、人生がもったいないよ、と。あなたが手に入れたいものや暮らしは、どういうものなのか、ということを深く話し合ったりしますね。
 
離婚そのものを諦めるのであれば、今ある現状でどうやって幸せに生きていくかを考えていきましょう、とお伝えします。実際に離婚に踏み切るには、自立の覚悟と同じくらいお金の使い方の問題が大きいですから。
 
山中 お金の後ろ盾がないと離婚という道も選べない。

安田 そう、月に7万円くらいの年金もらって、貯金を取り崩しながら、安い家賃の家を借りて暮らすんだよーとか言ったところで、それじゃぁ暮らせないって、離婚よりも安定した暮らしを望む人もいる。
 
ビンボー暮らしをしてまでも…って言う人は、そこまでですね。
 

マネーセラピストが教える「男の女のコミュニケーション術」

安田 傾向を見ていると人を批判してばかりの人は、多くて、やっぱり覚悟が足りない。とにかく他人を認めない。非難する。そういう傾向のある相談者が来た時に、こんなことがありました。
 
彼女は、結婚当時から夫は家事に協力的ではないっていう事を言い募るのですが、話を聞く限り、最初から協力的でなかったわけではなさそうなんです。彼女の思う協力と、夫の思う協力の掛け違いが甚だしかっただけなんですね。
 
例えば、ご飯の支度をするから、テーブルの上を片付けておいてねって言えば、女の人同士だったら、テーブルの上を綺麗に片付けた後、テーブル拭いて、お箸とかお茶碗を出したりする。でも、男の人は片付けてって言われたら、片付けだけして、待っている。
 
山中 待っている(笑)
 
安田 できたよ、片付けたよってニコニコ。で、奥さんが見たらお茶碗とかお箸とか出してないじゃないの、みたいな。男の人の多くの脳は、ワンタスク脳なので、ちゃんとこれとこれをしてね、って言わないとわからない脳なんです。
 
そういう脳で行動することを分かった上で言わないとならないわけで。でも実際には、それを知って伝えている人は少ないので、「役に立たない!」「協力してくれない」と女の人は夫を切り捨てちゃう。
 
私から言わせれば、男の脳は、言われたら、きちんとやってくれる誠実な脳なんですけどね。
 
山中 言われたことはしっかりやっています、という事なんですね。
 
安田 それしか頼まなかったからやらなかっただけで。それは君がやると思っていたよ。それ言ってくれたらやったのに、ってみんな言いますよ。
 
だから男の人の脳は性格の良い脳なんですよ。いい脳なんだけど、女の人から見たら、言わなくてもわかるでしょ。なんで融通が利かないの。察してよ、って思うわけなの。
 
山中 女性たちは当たり前のように思っちゃってるからね。
 
安田 そうそう、そうです。えーっ、そんなことまで言わなきゃわからないのって思うけど、その一言があれば、家事もやってくれる。通じ合えるんです。でもその違いが判らないから、言っても協力してくれないんだわ、って、そこでもう諦めたりしちゃうんですね。
 
山中 所詮男性と女性は、コミュニケーションの仕方が違う生き物ですもんね。
 
安田 そうですね。さらに皆さんにお伝えしているのは、男の人の脳は、家に帰ってきた時に一人になりたい脳なんですよ、っていう事ですね。
 
山中 やっぱりその辺りがまさにセラピストですね。
 
安田 どうも、日中のあれこれを脳が整理する時間が欲しいらしく、一人になりたいと思う男性は多い。「一人にしてくれ」と妻に言おうものなら、早く一人になりたいのに、「何があったの?私にも言えないの?」ってこう身を乗り出して、ワーワー言ってくる。「ほっといてくれ」と言えば、「愛していないのね」とまで言い出す。
 
男性は、少しの時間ひとりになりたいだけなのにね。気の毒です。そういうことが度重なると、家には、帰りたくなくなっちゃう。そんなことが起きていませんか、って相談者のお伝えしています。男性がそういう時は、ちょっと待とう。一人になりたいって言うのは、それは愛していないって事に繋がらないよって。それを知っていれば何の問題にもならない。
 
別に一生一人にしておいてくれって言っている訳じゃないのだから。わずか30分とか待っていてあげようよ。その話はよくしますね。みなさんの反応は「あら、そうだったの。悪いことをしていたわ」ですって(笑)。
 
山中 お金の相談として入っては来ても、結局は心の部分が非常に大きいんですね。
 
安田 私はそう思っているんです。離婚相談だけではなく、家計相談でもそうですよ。世の中にお金を貯めるノウハウ本はいっぱいある訳でしょ。
 
お金を貯めたかったらそれを見たらいい。でも本を読んでもネットを見ても自分はお金が貯まらないです、って来るっていう事は、ノウハウだけではない、なにかがあるのだと思うわけです。
 
山中 そこに心の問題があると。
 
安田 そうですね。そこが解決できないから、家計簿つけてみたけど上手くいかないとか、私は続かないんですとか。そういう自己評価がどんどん低くなってしまって・・・。
 
山中 悪循環なんですね。
 
安田 なので、そこを見てアドバイスしていかないと、お金の貯まる家計管理ができていかない。その為に、単発の相談ではなく、継続的な相談を勧めています。家計改善は半年みっちり。
 
毎月予算を立て、決算をしてもらう、を繰り返しています。「予算は、自分で決めたこと。決めたことが、どういう理由で守れなかったのか。
 
そこには何があったのか。自分で分析できるようにしよう」って言って、繰り返しその分析力について話をします。守れた費目については、大いに称賛して「素晴らしい!ここはよくできた!って、自分で自分をほめていいからね。十分達成感を味わって」と、自分で褒めることを勧めています。そうやって卒業を見守る。
 
山中 もう今回のタイトルそのまま、幸せって心とお財布の両方が相まって始めて感じるものってことですね。
 
安田 人生の大半の悩みはお金と人間関係だと私は思っていて、その人間関係ってやっぱりコミュニケーションなんですよ。
 
そういう脳の構造の違いっていうのも含め違う者同士の関係性が大事ですね。違うから愛おしい訳でしょ(笑)
 
Interview/Text :山中伸枝 (やまなか・のぶえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)
Photo:新美 勝(にいみ まさる)

人生100年のビジョンマップ:心もお財布も幸せに生きよう!PART3

山中伸枝

interviewer:山中伸枝(やまなか のぶえ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 

1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。

新美 勝

Photo:新美 勝(にいみ まさる)

フリーランス・フォトグラファー

 

 

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