2018.04.14 スペシャルインタビュー

人生100年のビジョンマップ:心もお財布も幸せに生きよう!PART3

マネーセラピスト・安田まゆみさんに聞く (2)金融機関とファイナンシャルプランナーの違いは?

Interview Guest : 安田まゆみ(マネーセラピスト)

interviewer : 山中伸枝 / Photo : 新美 勝

Interview Guest

安田まゆみ(マネーセラピスト)

安田まゆみ(マネーセラピスト)

CFP認定者(国際資格)、1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)、NLPプラクティショナー、カラー心理カウンセラー。
 
1955年、東京生まれ。大学卒業後、雑誌編集者、外資系損害保険代理店を経て、96年からファイナンシャルプランナーとして活動を開始。
 
同時に有限会社マイプランニングオフィスを設立し、代表に就任。現在に至る。家計管理の相談の他、離婚後のお金相談も多く携わってきた。
 
近年は、老後不安からの老後マネー相談をはじめ、両親の「相続対策」「認知症対策としての任意後見契約」「老後の財産を守る個人信託」などの相談がかなり多くなってきている。
 
「元気が出る お金の相談所」所長、「一般社団法人エンディングメッセージ普及協会」理事長、「有限会社マイプランニングオフィス」 代表取締役。
 

人生100年時代と言われるようになりましたが、果たして私たちはビジョンを持って「人生100年」を受け止めているでしょうか?

この対談企画では、様々な分野の方にお話しをお聞きし人生100年時代のビジョンを読者のみなさんと作り上げていきたいと考えています。

今回はマネーセラピストの安田まゆみ様にお話しを伺いました。今回はその2回目です。

パートナーがいない50代からの「お金の相談」が多数

安田 50代からの「老後のお金の相談」も多いですよ。特にお一人様。パートナーがいない分、ものすごく大きな不安を抱えていますね。まあお一人様に限らず老後のお金が足りるのか、いくら必要なのかってとにかく不安ですよね。
 
でも価値観の書き換えをしていかない限り、お金に対する恐怖心ってずっと続くんですね。50代のご相談者の人は心理学でいう所の<アダルトチルドレン>な人が多いんです。
 
自己肯定感が低くて、自分に自信が無い。それはお金への価値観にも影響しますね。
 
山中 お金の相談を受ける時、私たちファイナンシャルプランナーってお客様の背景というか、家族関係などとても重要視しますよね。そこからその方の価値観が分かりますから。
 
安田 特に今はダイバーシティだからいろんな方がいらっしゃいます。相談者にはLGBTの方もいらっしゃいますが、そういう場合も含めて、その方の暮らし方などまずは切り込んでいきますね。
 
山中 私もそれは分かります。シングルでお子さんがいらっしゃるんだったら、離婚なのか、死別なのか、あるいは認知してもらっていないのかとか。そこを聞かないと、お金のアドバイスって全然変わってしまいますよね。
 
安田 そうなんですよ。FPの有料相談ってまだまだハードルが高いと言っている人も多いけど、やっぱり根本的に心の部分もあってのアドバイスだから。ご家族構成教えてくださいねってさらっと聞きながら、探っていきますよね。
 
山中 ファイナンシャルプランナーってお金を計算だけするだけでは絶対答えは見つけられないから、そこはご相談者にも伝えていきたいですよね。
 
安田 そうなんですよ。ところが保険の見直しだったら保険だけ見れればいいんでしょみたいな事を思っている人もいて、あなたがどういう風にお考えになっていて、どういう暮らしをしていきたいのかを聞かなければ、保険をただ見て、これ良いとか悪いとか言えない。
 
これ誰に合っているのか、あなたのライフプランに合っているのか?を見るんですよっていうことがなかなか伝わらない。
 
山中 そうですよね。ま、そこがFPと金融機関の違いですから。
 
安田 金融機関ってライフプランって聞かないみたいなんですよね。家族構成は聞くんだけど夫の年齢とか、妻の年齢とか。
 
山中 年齢という数字しか見てませんね、お客様の心は感じてない。
 
安田 すぐに言われたことを機械に打ち込んじゃうから。感じる時間はないのかも。
 
山中 相談業務をやっているFPって、数字を打ち込むことは正直どうでもいいぐらいの話でその人がどうしたいかが大事ですよね。夫がいてもね、離婚間近なのかもしれませんしね。
 
安田 そうなのよね。最初の頃、離婚相談の半分くらいは、保険の相談って言って来ていたんですよ。
 
FPに離婚相談ができると思っていなかったみたいで。元々お金の相談に来ていた人達が、これってちょっと離婚を臭わせている?って思うから、「将来的に、離婚を考えていらっしゃるんですか?」って私が切り出していって、実はそうなんですって。そこから離婚相談に入っていくっていうパターンが長い事続いていました。
 

やりたいことのためにお金を使いましょう

山中 なるほどなるほど。そうですよね。ひとつのお財布で見るのか、いずれ分けていこうと思っているのか全然違いますものね。
 
安田 なので保険の相談っていっても、その背景にはいろんなことがある。だから、この先のライフプランなり、大切にしている価値観や家族の関係なども聞いていくんですよね。
 
その方の考えていることを聞くと、物事の受け止め方も何となくわかってくるので、心の問題まで切り込んでいけることも多い。できるだけそうしていかないと本当の相談の目的は分からない。私は、心の在り方、持ち方まで考えて、アドバイスしないと本当の問題を解決したことにはならないと思っています。
 
老後のお金の不安があるのであれば、「やりたいことのためにお金を使いましょう。その為には、働きましょう」とお伝えしています。わずかばかりでも、働くという覚悟を持たないと取り崩すばっかりでは、老後は辛くなる。不安は尽きないわけです。
 
でも、例えばシルバーセンターに登録して、月1万円でも2万円でも働いて稼げるお金があると「このお金は、私が稼いだお金だから、自由に使っていいんだ」という風に思える。そうなると心持ちが変わりますよ。
 
山中 自信にもなりますもんね。
 
安田 手元にあるお金が不安だから、病気のためとか介護とかに使わずにとっていても、全然楽しくないんです。その不安のために、お金が使えないから。楽しむためには、楽しみに使える収入を得ること。働いたお金で大いに遊べばいいじゃないですか。そういう心持になるよう、ちょっと先に楽しいことわくわくするようなことを見せて、考えてもらうことが大事だと思うんですよ。
 
喜びがないとね。お金は、貯め方よりも使い方です。
 
山中 なるほどね。何憶あっても不安って方はいらっしゃいますもんね。
 
安田 不安どころか不幸ですよ。数億円の資産があっても、不幸な人いっぱいいる。
 
山中 心構えとして、自分を幸せにするのは自分だっていうのは思っておかなきゃいけないですよね。やっぱり誰かに幸せにしてって思っちゃうから依存しちゃうし、その人がいなくなったら不安でしょうがない。
自分を幸せにするのは自分って思わなきゃ。

 
安田 そこに至る人は、ご相談者には、少ないです。特に女性の場合、なかなか難しい。
 
山中 時代背景ですかね?
 
安田 そうだと思います。専業主婦が当たり前の世代でもあるので、「女の子なんだから、そんなことは考えなくてもいいのよ」「あんたは黙って、親の言うことを聞いていればいいのよ」という風にお母さんに言われていた人も多く、親に褒められたことも少なく、自信もなければ、言いたいことをいうような家庭には育たなかったという人が多いです。
 

サザエさん一家の道徳観は、女性の自立を阻んでいた?

安田 私はね、サザエさんって、女性の自立を阻んできたと思うの。
 
山中 サザエさん?
 
安田 そう、フネさんは女性の自立を阻むようなことを言うんですよ。
 
お友達と喧嘩したワカメちゃんに向かって、有無をも言わさず、「謝ってきなさい。あんたも悪かったんでしょ」っていう子供の話をじっくり聞いてあげるようなお母さんじゃないんですよね。
 
山中 サザエさん一家を幸せだと思っちゃうとマズイってことですね。
 
安田 幸せかどうかは、分かりませんが、女性は、専業主婦であれ、みたいな価値観が前面に出ていて、男が一家の働き手で、女が家事を一切引き受けて、って。
 
まぁあれが一般的な昭和のお家だった訳なのでしょうけど…。小さいころからそれを見て育ってきた女性たちが、自分自身に枷をはめてしまっているのではないかと思っちゃいますね。今となっては、不自然な道徳観ですね。それで、いま、苦しんでいる人たちがいると思うと切ないです。
 
山中 じゃあそこからやっぱり自己肯定感の低さっていうのが出てくるんですかね?
 
安田 そうだと思いますね。女性が自分で何かを決めてやり遂げてっていう達成感を味わった事がないから、自分に自信が無くなる。自分のことが好きになれない。認められない。自分のことを認められない人は、自分に似たようなことをしている家族や他人も認められないので、その人たちをけなしてしまう。息子はだらしないとか、夫はうだつが上がらないとか。
 
山中 悲しいですね。
 
安田 悲しい人多いですよ。だから「人のせいにしない人生」っていうのを目標にして、私こんな事もできるんだっていう事をちょっと探してみましょうかね。っていう話をしますね。
 
山中 でも現実問題、50代60代になってくるとお勤めっていうは難しくなる方も多いんじゃないですか?
 
安田 そうですね。働くことを先に提案せずに、何か今楽しくやっている事ありますか?って問いかけます。友達と何かしたり、楽しい習い事とかチャレンジしていることありますか?と。すると大抵は、何かしらありますね。
 
じゃあそれを自分で働いたお金でやるっていうのはどうですか?と。シルバー人材センターに登録したり、有償のボランティアでもなんでもいいんです。少額で。1ヶ月で2万円でも稼げれば、それをフラでもスポーツジムでも、自分のお金でちゃんと行けるという事はすごい自信になります。
 
それがないと「誰に養ってもらっているんだ」って喧嘩して夫に言われても、返す言葉が無いんです。「私は私で頑張っているのよ」って言っても、「どれだけ稼いでいるんだ」とか言われると、自分のやっていることが虚しくなります、とかおっしゃる方は多いんです。
 
経済力の無さが自信の無さにつながって、自分の幸せも狭めているっていうのも、認識しているんです。
 
山中 わかっているんですね。原因がそこだって事が。
 
安田 わかっているけど、夫のお金でママ友ランチに行って、愚痴を言っている。それじゃダメなんだけどね。その繰り返し。
 
山中 なんかちょっとお金を使うのに、ビクビクするような所もあるのかもしれませんね。
 
安田 夫のお金はちょっとしたことには使えても、本当に自分にとって、大切な事にお金を使えないっていうのは寂しいんじゃないの?って。でも自分で働いて得たお金であれば、誰にも後ろ指刺されずにやりたい事をやれる、そういう決断もできる。
 
もしかしたら、できる環境にいるのにやってないだけじゃない?って。そんな話を良くします。そのうえで、魂の喜ぶお金の使い方、お金の奴隷にならないって事を大事にしてね、と言います。クレジットカードって、使った後から請求来るじゃないですか。
 
使っている時は、さくっと支払えて、気持ちいいけど、請求着た後は、お金を返すために働いている気になっちゃいませんか?と。これはよくないよねって。
 
山中 なるほど。支払う段階になって、あー無駄遣いしちゃったみたいになっちゃうんですね。
 
安田 そうなんです。楽しかったことや、おいしかったことが、請求がきた後には、無駄遣いしちゃったという「後悔」になっちゃう。それは魂の喜ぶ使い方ではないし、返すために働くというお金の奴隷になってしまう。
 
だからちゃんとお金を貯めてから使うようにすること。使う時はカードでももちろんいいんだけど、ちゃんと貯まってから使うようにすることをしつこいくらいに言い続けています。
 
貯めたお金だからこそ、心から、はい、ありがとねーって気持ちよく使えるし、言えるよね。それがお金の主人公になるってことだよ~って。
 
山中 ちょっとした順番の違いで気持ちが違うんですね。
 
安田 そうです。お金の主人公は、本来自分じゃないですか。自分が大事だと思うことにお金を貯めて使う。でも、そうじゃない人が多いです。
 
貯める前に行き当たりばったりにお金を使って、リボ払いにしていったらそれはもうお金の奴隷になってしまって、本当に自分のためには使えない状況になっている。そのことになかなか気がつかないし、指摘しても、その考え方にシフトチェンジするというのが中々難しいですね。
 
※マネーセラピスト・安田まゆみさんに聞く③民事信託で願いを叶える」に続く
 
interviewer:山中伸枝 (やまなか・のぶえ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)
Photo:新美 勝(にいみ まさる)

人生100年のビジョンマップ:心もお財布も幸せに生きよう!PART3

山中伸枝

interviewer:山中伸枝(やまなか のぶえ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)
株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役 

1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業。メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーとして、講演・相談・執筆を中心に活動。

新美 勝

Photo:新美 勝(にいみ まさる)

フリーランス・フォトグラファー

 

 

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