最終更新日:2019.01.10 公開日:2017.12.27
暮らし

え、交通機関が3割引?え、水道料金の減免? ひとり親家庭を対象とする4つの制度

ひとり親家庭(特に母子家庭)は、経済的に厳しいご家庭が多いので、手厚い支援制度が用意されています。ひとり親家庭が利用できる支援制度には、ひとり親家庭を対象とするものと、収入の低い人等を対象とするものがあります。国だけではなく、市区町村独自の支援制度もあります。支援制度には児童扶養手当、住宅手当のような手当等、医療費の助成などの助成、就業を支援する母子(父子)家庭自立支援給付事業などさまざまです。このうち、本稿では、減免・割引制度をお伝えします。
新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

詳細はこちら
新美昌也

執筆者:

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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ひとり親家庭を対象とする減免・割引制度

(1)寡婦(夫)控除
一定の要件を満たすと「寡婦(夫)控除」という所得控除を受けることができます。所得金額から27万円控除でき、所得税や住民税が軽減されます。さらに、特別の寡婦(寡夫は対象外)である場合には35万円控除できます。
 
ただし、寡夫は合計所得金額が500万円を超えると「寡夫控除」を受けることができません。
 
1.寡婦控除の要件
〈一般の寡婦〉
一般の寡婦とは、納税者本人が、原則としてその年の12月31日の現況で、次のいずれかに当てはまる人です。
・夫と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子(※)がいる人です。
・夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。この場合は、扶養親族などの要件はありません。
 
〈特別の寡婦〉
一般の寡婦に該当する方が次の要件の全てを満たすときは、特別の寡婦に該当します。
・夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人
・扶養親族である子がいる人
・合計所得金額が500万円以下であること。
 
2.寡夫控除の要件
寡夫とは、納税者本人が、原則としてその年の12月31日の現況で、次の3つの要件の全てに当てはまる人です。
・合計所得金額が500万円以下であること。
・妻と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていないこと又は妻の生死が明らかでない
一定の人であること。
・生計を一にする子(※)がいること。
  
※子とは、総所得金額等が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。
 
・寡婦(夫)控除のみなし適用をご存じですか
法律上の婚姻をしていない人は、離婚、死別等の要件に該当しないので、扶養する子どもがいても「寡婦(夫)控除」を受けることができません。つまり、未婚者は利用できません。
 
しかし、市区町村独自の支援として、保育料や公営住宅の家賃などの算出において未婚者に対し「寡婦(夫)控除のみなし適用」により、既婚者と未婚者の負担が異ならないようにしています。未婚の方は、お住いの市区町村に確認してみましょう。
 
(2)交通機関の割引制度
児童扶養手当を受給している方、または同一世帯の方が、JRの通勤定期乗車券を購入する場合に通常の3割引で購入できます。通勤定期乗車券を購入する時に市区町村で発行してもらった「特定者用定期乗車券購入証明書」をJRの窓口に提出して通勤定期乗車券を購入します。
 
JR以外の交通機関の割引制度を設けている場合もあります。お住いの市区町村にお問い合わせください。
 
(3)粗大ごみ等処理手数料の減免制度
児童扶養手当受給世帯等の方は、申請により粗大ごみ等処理手数料が減額又は免除されます。
 
粗大ごみ収集センターに電話をかけて、手続きします。粗大ごみの回収依頼時に「児童扶養手当受給者」である旨告げますと、受付センターより「処理手数料免除申請書」が送られてきますので、「児童扶養手当証書(現在、有効なもの)の写し」又は「児童扶養手当受給証明書」を添付して提出します。減額又は免除等の条件や手続きは市区町村で異なりますので、お住いの市区町村にお問い合わせください。
 
(4)上下水道料金の減免制度
児童扶養手当受給世帯等は、申請により、上下水道料金が減額又は免除されます。たとえば、水道料金の基本料金から、2か月につき900円(税抜)が減額されるなどです。
 
減額又は免除等の条件や手続きは市区町村で異なりますので、お住いの市区町村にお問い合わせください。
 
(5)保育料の減免制度
ひとり親世帯等は申請により、保育料が減額又は免除されます。減額又は免除等の条件や手続きは市区町村で異なりますので、お住いの市区町村にお問い合わせください。
 

収入が少ない人を対象とした減免制度

ひとり親家庭だけを対象とした制度ではありませんが、収入が少ないひとり親家庭が利用できる減免制度を紹介します。
 
(1)国民健康保険料の減免制度
国の「軽減制度」と市区町村の「減免制度」があります。「軽減制度」は前年中所得金額の合計が一定以下の世帯について、均等割額、平等割額が自動的に軽減されます。
 
たとえば、前年中(平成28年1~12月)の所得金額合計が33万円以下の世帯は、保険料の7割が減額されます。「減免制度」の場合は、申請が必要です。災害・病気・会社都合による解雇等、特別な事情により一時的に保険料を納められなくなった方が対象です。
保険料の滞納が1年を超えると、医療費をいったん全額負担しなければならないなどのペナルティーがあります。保険料の支払いが困難になったら市区町村に相談しましょう。
 
(2)国民年金保険料の免除・猶予制度
前年所得が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合、申請により、保険料の納付が免除になります。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。
 
20歳から50歳未満の方で、前年所得が一定額以下の場合、申請により、保険料の納付が一定期間猶予されます。
これら手続きをせず、保険料を滞納すると、将来の年金を受け取ることができなくなったり、未払い保険料を一括して支払わなければならない場合もあります。保険料の支払いが困難になったら、年金事務所に相談し、国民年金保険料の免除・猶予の手続きをとりましょう。
 
ひとり親家庭はどのような支援制度が受けられるのかは、市区町村が発行するひとり親家庭向けのハンドブックにまとめられていますので、入手しましょう。市区町村のホームページからもダウンロードできます。
 
プロフィール_新美昌也
Text:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。
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