2018.02.10 暮らし

隣の部屋がうるさくて眠れない!慰謝料ってもらえるの?

「隣人がうるさい・・・」という経験は誰しもあるのではないでしょうか。

駆けまわる子供の足音や夜中まで飲んで騒ぐ学生の声など。特にアパートやマンションでは騒音問題がつきものです。今回は隣人の騒音によって健康に支障をきたし、さらには引っ越しを余儀なくされたNさんのケースを例にみてみましょう。

転勤で引っ越したNさん。新しい隣人は大迷惑な夫婦で・・・

アパレル勤務のNさん(男性・32歳)は、転勤でY市へ引っ越してきました。音に対して人より敏感なNさんは、アパート選びの際に、壁が厚い角部屋の物件を選びました。
 
ある日の夜のことです。自室のベッドで寝ていたNさんは、大きな笑い声で目が覚めました。声は外の方から聞こえてきます。Nさんがベランダに出てみると、隣の家に住む女性がベランダで電話をしていました。
 
Nさんはむっとして、力強く自分のベランダの窓を閉めました。時刻は深夜の2時頃。その後も女性は2時間以上電話をしていたといいます。話し声が気になってしまい、Nさんがその日眠りにつくことができたのは、明け方の5時頃でした。
 

生活音がうるさい!わらにもすがる思いで大家さんに相談

その後も隣人はベランダで度々、電話をしました。隣人は夫婦で、どちらも電話をする時はベランダに出るようです。その時間は朝、昼、深夜と、時間を問いませんでした。また、深夜に掃除機をかけたり、早朝に洗濯機を回したり、テレビの音量が大きかったりと、気になることは他にも多々ありました。
 
一度気になると、Nさんは隣の家からどんなに小さな音がしてもイライラするようになりました。
 
Nさんは、大家さんに「隣家の生活音がうるさいので、注意してください」とお願いしました。その後、しばらく隣の家の音はしなくなったそうです。安心したNさんでしたが、ほっとしたのもつかの間、2週間ほどしたら、また前と同じ状態に戻りました。
 

ついに健康被害で引っ越しへ。どうして自分だけが・・・

ちゃんとした睡眠がとれなくなったNさんは、仕事中も集中力が切れるようになり、ミスが増えたといいます。ある日、激しい胃痛に襲われ病院に行くと、ストレスによる胃潰瘍だと診断されました。このままではさらに体調を壊しかねないと思ったNさんは、引っ越しを決意しました。しかし、自分だけが体調を崩し、引っ越しをするのは腑に落ちません。
 
Nさんは弁護士に相談しようか考えています。果たしてNさんは、隣の家の夫婦から慰謝料や治療費、引っ越し費用などを支払ってもらうことはできるのでしょうか。
 

騒音トラブルに遭った場合、慰謝料や治療費を支払ってもらえるのか、東京桜橋法律事務所弁護士の池田理明先生にお伺いしました。

騒音トラブルによって健康被害に遭った場合、慰謝料と治療費を請求することができます。勿論、騒音の感じ方は人それぞれですし、生活騒音に関してはお互い様というところもあります。騒音が原因で慰謝料請求ができるのは、その騒音が「受任限度」を超える場合と理解してください。
 
慰謝料の相場というものはありませんが、ひどい事案であれば20~30万円程度の賠償額になる場合もあります。ニュースで取り上げられるような相当悪質なトラブルなら、もっと請求できるかもしれません。
 
慰謝料の金額は、騒音の音量や音の質、時間帯、頻度、過失なのか故意なのか、注意されたにも関わらず継続しているかなど、さまざまな情報から総合的に考慮されて決まります。そのため、一概にいくらということはいえません。
 
今回のNさんのケースのように、騒音によるストレスが原因で胃潰瘍などの病気になった場合は、治療費を請求できることもあります。また、引っ越しする場合の費用に関しては、騒音を理由にどうしても引っ越しせざるをえない状況に限って認められます。うるさいから気になるというくらいでは、引っ越し費用を受け取れることは難しいと考えられます。
 
もし自分がトラブルに巻き込まれたら、オーナーや管理会社に相談し、それでも収まらなければ弁護士に相談してみましょう。そこから、騒音の録音、騒音計での音量の計測など、どのように証拠を集めるかを決めていきます。
 
実際問題、近所の騒音トラブルで慰謝料を貰えるケースはあまりないように感じますが、相談することで健康被害による治療費や、引っ越し費用を受け取れる可能性はあります。このようなトラブルに巻き込まれてしまった際は、一人で抱え込まず、周りの人に相談してみましょう。
 
著:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/

IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応。

FINANCIAL FIELD編集部

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池田 理明

監修:池田 理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

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