2018.02.11 暮らし

年金から月々3万円のローンを組むことに 親切にみえる悪徳業者の怖さ

Text : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 池田 理明

お年寄りを狙って不必要なリフォームをせまる悪徳業者が報告されています。悪徳業者は嘘の破損を指摘して強引に契約をせまり、「今ならサービスします」などと持ち掛けながら結果的に相場よりも高い価格で工事します。

悪質業者による不要なリフォームを契約してしまったMさんの例をみてみましょう。

年金から月々3万円出してローンを組むことに…親切にみえる悪徳業者の怖さ

67歳のMさんは、一人息子を女手一つで育ててきました。息子も独り立ちした今、小さな持ち家で年金生活を送っています。ある日のこと、玄関からチャイムが鳴ったのでMさんはドアを開けました。そこにいたのは作業着を着た若い男性です。
 

「お宅の屋根瓦(やねがわら)がずれているようです。危険ですから、屋根にのぼって確認させてください」

 
男は無料で住まいの点検をしていると言います。Mさんは無料ならと思い、お願いすることにしました。数十分後、屋根から彼が下りてきました。
 

「こちらがずれた屋根瓦の写真です」

 
確かに、屋根瓦がずれています。彼は自分のところで修理をすると言いました。ただ、安い契約ではないのでMさんはためらいました。
 

「息子に相談してから決めてもいいですか?」

 
それに対して男は、「今なら値引きしますよ」と契約をせまります。確かに、このまま屋根瓦を放っておいては危険だし…Mさんは言われるがまま、契約書にサインをしてしまいました。費用は年金から月々3万円のローンを組むことに。しかし、男が返ってから冷静になって考えると、本当に必要な契約だったのだろうかとMさんは不安になりました。
 
後日、息子が帰省した際に、今回のことを相談してみました。息子が屋根にのぼって確認したところ、ずれた屋根瓦は見当たらなかったそうです。
 

その場で性急に契約を結ぼうとするのが悪徳業者の特徴

上記のMさんのケースでは屋根瓦の修理でしたが、他にも「シロアリがいるかもしれないから床下を見せてください」というケースや、「外壁にひびが入っている」、「基礎の回りが湿っている」など、さまざまなパターンがあります。
普段目にしない部分や、素人では判断が難しい部分を点検されるので、そう言われるとなかなか嘘だと気づくことができません。また、Mさんのようにずれた屋根瓦の写真など、その家ではない写真を見せられてだまされてしまう人もいます。
 
悪徳業者の特徴としては、他社と比較されると相場よりも高額であることがばれてしまうため、「キャンペーン中なので安くします」などと言って性急に契約を結ぼうとする点です。
 

こういった悪徳業者のリフォームに対して、契約を破棄したりお金は請求したりすることはできるのでしょうか。東京桜橋法律事務所弁護士の池田理明先生にお伺いしました。

まず、訪問販売で契約した場合はクーリングオフが適用されるため、契約を破棄することが可能です。
 
それ以外の形態で契約した場合は、消費者契約法で対応します。例えば、リフォームすることで他の部分に影響が出てしまうなど、不利益につながるような情報や重要なことを説明せずに強引に契約を結んだならば、これに違反するため契約の取り消しができます。
 
また、リフォームの必要が無いのにそのように装うなど、詐欺に当たる場合も契約の取り消しができます。それに伴って発生した費用を損害賠償請求することも可能です。もしリフォーム後に、リフォーム内容が突貫工事のようなひどい内容で修理の必要がある場合は、リフォームの不履行として修理代金も請求できます。
 

高齢の親御さんとは、こまめに連絡をとることがトラブル防止に

悲しいことですが、こういった高齢者を狙う悪質な業者はリフォームに限らず、さまざまな場面・手口で忍び寄ります。高齢の親御さんとはこまめに連絡をとり、早めに異変に気づくことがトラブルの防止につながります。
 
もし被害に遭ってしまったら、きちんと弁護士や警察へ相談しましょ
 
著:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/

IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応。

FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

 

 

池田 理明

監修:池田 理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所/第二東京弁護士会所属

中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。

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