最終更新日:2019.01.11 公開日:2018.06.11
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給与明細の読み方「基本のキ」社会保険料編。大人が身につけたいお金のこと

前回の給与明細の読み方「基本のキ」税金編では、給与明細中の税金を確認することができました。復習になりますが、給与明細中に出てくる税金は所得税と住民税です。
 
一般的に所得税は、まずは仮の所得税を毎月の給料から源泉徴収し、年末調整により確定されます。住民税は前年の所得に基づいて確定された額が、翌年の6月から徴収されます。
 
今回は給与明細に記載されている社会保険料についての「基本のキ」をお届けします。
 
お給料日になると、紙ベースまたはデータベースなど何らかの形で届く「給与明細」。あなたにとって大切なお金の情報を確認できます。
 

給与明細の引かれている金額の中身は何?

引かれている金額の中身は大きく分けて2つの項目です。
 
1.税金
2.社会保険料控除
 
今回は、2.の社会保険料についてお伝えいたします。社会保険とは、皆さんの経済生活の安定を守るための、公的な助け合いの制度です。
 
一定の条件を満たす国民は、勤務先の企業を通して加入することが義務づけられています。そして加入することにより、さまざまなリスクによる経済的な損失を補ってくれる役割を持っています。
 
社会保険料と一口にいっても、数種類の保険料が控除されています。それらの社会保険の種類は「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」です。1つずつ確認していきましょう。
 
<健康保険>
主に病気やケガに対する保障制度です。
 
健康保険に加入することにより、かかった医療費の3割が自己負担で済みます。さらに、かかった医療費は3割の自己負担で果てしなく加算されていくのではなく、高額療養費制度により自己負担の1カ月の上限額が定められます(上限額は所得や年齢による)。
 
そのほか、健康保険に加入していると、出産時の費用を補填する出産一時金や、病気やケガなどで長期間の労働ができなくなった時の保障として、傷病手当金などの給付を受けることができます。
 
病気や怪我の時の所得減額のリスクをすべて自分自身で負わなくても、公的な補填があることがわかります。
 
また、控除されている健康保険料は労使折半(労は労働者、使は使用者、折半は半分ずつを意味します)ですので、同じ金額を勤務先が負担してくれているのです。
 
<厚生年金保険>
年金保険には3種類の給付があります。「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」です。
 
老後の生活を支える「老齢年金」。病気やケガにより障害を負った時の「障害年金」。死亡時に遺族に支給される「遺族年金」です。
 
老齢年金を例に挙げると、リタイヤ後の生活の基盤となるものだと考えられます。老齢年金の強みは何よりも「終身」すなわち命の終わる時まで支給される点です。
 
時代背景により金額の変動はありますが、公的年金は長生きのリスクをカバーしてくれる年金制度といえます。また、年金保険料も労使折半です。
 
<介護保険>
老化で介護が必要な人のための保障制度です。介護保険は40歳以上の人に加入が義務付られています。健康保険料に合算されて控除され、介護保険料も労使折半です。
 
<雇用保険>
従業員の雇用の安定や促進のための保険制度です。
 
失業時の失業給付金がよく知られています。そのほか、育児や介護の休業時の給付や、再雇用により給料が大きく減額になった高齢者への給付、キャリア形成のための給付などさまざまな給付があります。
 
雇用保険料は労使折半ではなく、勤務先の負担額が多くなっています。
 
そして、最後に給与明細に項目はありませんが、社会保険の1つに<労災保険>があります。労災保険の保険料は全額が勤務先の負担になるので、給与明細には出てこないのです。
 
労災保険は、業務中・勤務中の事故や災害によるリスクに対しての保障制度です。
 
いかがでしたか。給与明細の中の社会保険料を確認すると、すでにさまざまな公的保障が存在していましたね。
 
それぞれの社会保険料を控除されているということは、それらの保障を持っているということです。仕組みを理解したうえで、個人的に不足を感じる部分を自助努力で準備するのが良い方法であると考えられます。
 
Text:安本貴子(やすともたかこ)
やすもとファイナンシャルプランニング事務所代表/株式会社YFP代表取締役
1級FP技能士、CFP(R)、宅地建物取引士、証券外務員2種。

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安本貴子

執筆者:安本貴子(やすもとたかこ)

やすもとファイナンシャルプランニング事務所代表/株式会社YFP代表取締役
1級FP技能士、CFP(R)、宅地建物取引士、証券外務員2種。

主婦となり家計を任されたとき、自分自身の「お金」にまつわる知識のなさに愕然とする。生命保険のこと教育費のこと、いつかは来る老後のこと。わかりにくい年金のこと……何から手を付ければよいのか、いったい誰に相談すればよいのか……そんなときに出合ったFPという資格。将来の人生設計に必要な「お金」のこと。FP資格を取得後、独立系FP事務所に約8年勤務。「本当にお客様のお役に立つ提案をしたい」という信念より「やすもとファイナンシャルプランニング事務所」を開業。現在は個別相談を中心に、経験に基づいた家計の相談と、無駄を省いたわかりやすい保険の解説が好評。そのほか、大学のFP講座講師や、セミナー講師としても活動中。大学生と高校生の母。
http://yasumotofp.com



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