更新日: 2019.01.07 その他暮らし

「飲食店で副業」大企業勤務のかたわら飲食店のオーナーで成功した話!

「飲食店で副業」大企業勤務のかたわら飲食店のオーナーで成功した話!
「飲食店で副業」というと、夕方退社した後、どこかの飲食店でこっそりバイトするようなイメージでしょうか。
 
しかし、これは基本的に会社から認められにくいでしょう(だから“こっそり”)。
 
しかし、「自分が飲食店のオーナー」になって成功した大企業勤務の人もいます。
 
ポイントは「正直に会社に相談すると認められる道もある」ということと、「フランチャイズを活用する」というところにあったようです。
 
藤木俊明

Text:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

外食業界でもビジネスパーソンとしてのスキルが生かせた!

10年ほど前お目にかかった武田さん(仮名)は、当時電子機器メーカーの社員でした。
 
飲食店をやってみたいと、会社の人事に正直に相談したところ、「飲食店の従業員として働くのはダメだけどオーナーになるのは大丈夫」という答えを得たそうです。
 
さっそく有名ラーメン店チェーンのフランチャイズに申し込み、自分のお店をオープンさせました。
 
どうしてフランチャイズに参加したのかを武田さんに聞くと、「自分にはノウハウも仕入れのネットワークもないので、すべて揃えてくれるフランチャイズに加入するのがいいと考えたのです」とのこと。
 
外食業界のノウハウはない武田さんでしたが、ビジネスパーソンとしてスキルを積み重ねてきたことが、ラーメン店の経営に役立ったと語ります。
 
「自分はオーナーで人を使う身ですよね。そこでは会社で学んだマネジメントのスキルが、また売上や利益の集計には会社で学んだエクセルが役に立ちました」
 
こうしてラーメン店を軌道に乗せた武田さんですが、昼間はもちろん会社員としてしっかり仕事をして、夜になったら自分のお店を見にいきます。
 
おもしろいのはその勤めていた電子機器の会社で、副業としてラーメン店をやっている武田さんに、「君は外食業界に詳しくなったろうから、レジスターの営業をやれ」と命じ、武田さんもそれに応えてレジスターを売りまくったそうです。なかなかいい会社ですね! また、副業をやりながらも、会社の本業にも手を抜かずがんばった武田さんの努力もあるでしょう。「時間の使い方がうまくなりました」と語りました。
 

やはり最初の投資は必要

さて、このフランチャイズという仕組みですが、加入する時に加盟金を支払い、店舗や設備は自分で用意し、その後売上の数%を毎月フランチャイズ料としてフランチャイズ本部に支払うパターンが多いようです。
 
その代わり、店舗の運営など必要な技術は教えてもらえますし、最初から知名度のあるブランドを使えます。
 
いろいろあるラーメンのフランチャイズチェーンの資料を見ると、加盟金は数百万円以上かかるものが多く、それとは別に店舗取得と内装工事の費用が必要ですね。
 
武田さんからは詳しく伺えませんでしたが、最初は相当自己資金を持ち出したのではないでしょうか? 
 
フランチャイズチェーンによっては、店舗の世話をしてくれるところもあるようですが、副業とはいえ、最初に「本気の投資」が必要だったのではないかと思います。ハイリスクではあったでしょう。
 
10年が過ぎ、武田さんは店舗を拡大し、会社を辞めて自らがチェーンを率いるほどに成功されています。出だしは副業だったかもしれませんが、計画的に、「○○歳で会社を辞めて独立しよう。
 
そのためには■■歳から副業として準備して、うまくいったらそれ1本でいこう」という青写真を書かれていたのではないでしょうか?
 
「副業からはじめて安定した会社の給与をもらいながら独立に向かって準備する」という計画性は見習いたいところです。人生100年時代のロールモデルでしょう。とはいえ、飲食店で成功を収めるのは並大抵のことではありません。
 
武田さんに並外れた才覚があったことは間違いないです。家族とも相談して慎重に検討したいものです。
 
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
明治大学リバティアカデミー講師・副業評論家

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