更新日: 2019.07.17 その他暮らし

【初心者向け】インフレのリスクってどんなもの?

【初心者向け】インフレのリスクってどんなもの?
投資に関心がある人は、「インフレリスク」という言葉を聞いたことはありませんか?
 
インフレとは物価が上昇し、その結果、お金の価値が下がることです。お金の価値が下がるということは、自分の資産価値も下がることになりかねません。
 
資産をインフレから守る方法を知っておくことは、自分の生活を守ることにもつながります。インフレリスクとは何か、またその対策についてお伝えしたいと思います。
 
前田菜緒

執筆者:前田菜緒(まえだ なお)

FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士

保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)

https://www.andasset.net/

インフレリスクとは

そもそもインフレリスクとは何でしょうか。例えば、1本100円のペットボトルがあったとします。
 
インフレにより150円に値上がりしたとすると、今まで100円で買えていたものが買えなくなってしまいます。
 
以前の100円の価値と現在の100円の価値は違うということです。これが、100円の価値が下がるということです。
 
ペットボトルが100円から150円になった程度では、私たちの生活に大きな影響を与えませんが、物価が1.5倍になったと考えれば、影響は大きなものです。
 
もちろん、そのようなケースでは給与等も上昇するでしょうから、保有する資産も増えていることでしょう。
 
しかし、タンス預金等、現金を運用せず置いておくと、そのお金の価値は下がる一方です。物価は上昇しているにもかかわらず、資産の増加は物価上昇に追いついていないのです。
 

人手不足がインフレを引き起こす

実際、私たちの周りではインフレが起きています。例えば、ヤマト運輸の宅配料金の値上げは記憶に新しいことでしょう。
 
ヤマト運輸の宅配料金値上げの背景には、ネット通販の拡大による荷物量の急増があり、ドライバー不足や長時間労働の問題を引き起こしました。その結果、宅配料金が値上げされたのです。
 
さて、この状況を日本全体に置きかえてみましょう。現在の日本は少子高齢化です。労働力人口が減少しています。
 
労働力人口の割合は、2014年の約52%から、2060年には約44%に低下するといわれています。つまり、働く人よりも支えられる人の割合のほうが多くなるというわけです。
 
労働力人口が減るとヤマト運輸の宅配料金値上げのように、さまざまな分野で料金の値上げが発生する可能性があります。
 
インフレが進む可能性があるのです。しかし、労働力人口の減少が国内経済を縮小させ、成長力が低下するという見方もあるため、必ずしもインフレにつながるとは言い切れません。
 
とはいえ、私たちの資産を守るという点を考えた場合、やはりインフレリスクは考えておくべきリスクでしょう。
 

インフレに強い金融商品とは

では、資産をインフレから守るにはどうすればよいでしょうか。インフレに強い代表的な金融商品が株式です。なぜなら、インフレになれば企業の収益は上がり、その結果、株価も上昇するからです。しかし、株式投資は知識と資金が必要です。決してハードルは低くありません。投資に慣れていなければ、抵抗がある投資方法でしょう。
 
株式に投資する方法は、直接株を購入することだけではありません。投資信託でも株式に投資することは可能です。
 
投資信託であれば、運用はプロに任せられますし、投資金額も千円〜1万円程度からはじめられます。株式投資に比べるとずいぶんハードルが低くなります。
 
投資信託は一括購入もできますし、積み立てもできます。しかし、株式の短所を考えると、積み立てのほうがリスクを減らすことができます。
 
なぜなら、株式はインフレに強い一方、デフレには弱く、デフレ時には株価が下がってしまうからです。
 
積み立ては、価格が高いときには少量しか購入せず、安いときに多量に購入する仕組みのため、平均購入単価を下げることができます。投資信託の価格は上がったり、下がったりしますから、購入単価を下げられれば、価格が上がったときに資産価値は増えます。ですから積み立てのほうがリスクを減らすことができるのです。
 
「iDeCo」や「つみたてNISA」をされているなら、株式投資の投資信託を積み立て対象に選ぶことで、インフレ対策ができます。インフレ対策は難しくありません。資産運用する際はインフレリスクも視野に入れ、対策を行いましょう。
 
Text:前田 菜緒(まえだ なお)
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP(R)認定者

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