2018.07.23 暮らし

「再開発」事業の新築マンションにメリットがあると思われる5つのポイントとは?

昨今は「再開発」事業で供給される新築マンションも少なくありません。

一体、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。
 

新築マンションは、都心部を中心に価格の高騰が続いています。

不動産経済研究所の公表(2018.6.14)によれば、2018年5月に発売された首都圏の新築マンションは、平均価格6030万円・㎡単価89.5万円(坪単価295.2万円)でした。
 
これは同月に販売された東京都(23区および都下)、神奈川県、埼玉県、千葉県の全物件の平均値で、東京23区だけの数値ですと平均価格7173万円・㎡単価111.7万円(坪単価369.2万円)となります。
 
ざっくりとした印象ですが、ファミリータイプの新築マンションが価格で6000万円以上、坪単価で300万円の水準を超えると「高いな」と感じていた時期は、それほど大昔ではなかったような気がします。時代は大きく変わってきているのでしょうか。
 

「再開発」は、人気キーワードのひとつ

新築マンションは、都心部にニーズが集まる一方で郊外エリアは(低価格にもかかわらず)人気薄という〝二極化〟が指摘されて久しかったのですが、都心部の価格高騰の影響を受けて、郊外の物件がここにきて見直される兆しもあるようです。

ただし、都心部でも郊外エリアでも、周辺競合物件に比べて何か特徴や付加価値がないと競争に生き残るのは難しい時代です。
 
人気を集めるキーワードとしてよくいわれるのは、「駅近」、「大規模(タワーマンション)」、そして「再開発」でしょうか。
 

再開発事業の仕組みとは

再開発といっても実はいろいろな手法がありますが、その代表的なものが「市街地再開発事業」です。国土交通省(都市局市街地整備課)のホームページに記載されている解説の一部分を、以下に引用します。
 
<事業の目的>
 都市再開発法に基づき、市街地内の老朽木造建築物が密集している地区等 において、細分化された敷地の統合、不燃化された共同建築物の建築、公園、広場、街路等の公共施設の整備等を行うことにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図る。
 
<事業のしくみ>
・敷地を共同化し、高度利用することにより、公共施設用地を生み出す
・従前の権利者の権利は、原則として等価で新しい再開発ビルの床に置き換えられる(権利床)
・高度利用で新たに生み出された床(保留床)を処分し事業費に充てる

出典:国土交通省 都市局 市街地整備課 「市街地再開発事業」
 
難しい用語が並んでいますが、要はみんなの敷地を共同化して立体的に高度利用(より大きな建物やより背の高い建物を建てる)することにより、道路を広くしたり公園・緑地・広場を確保したり公共施設を設け、災害に強く暮らしやすく、便利で潤いのある街づくりを目指す制度ということです。
 
ケースバイケースですが、容積率(敷地の何倍までの建物が建てられるかの規制)の割り増しや、補助金などの公的なサポート体制も整えられています。
 

再開発事業の街には、どんな特徴やメリットがあるの?

再開発事業で作られた街の特徴やメリットはたくさんありますが、次のような点が代表的なところでしょうか。
 
(1)再開発組合(土地所有者ほか元々の権利者やデベロッパー等で構成される)などの事業施行主体が行政と長い時間をかけて充分に協議して練り上げた開発計画ななど、地域の課題やニーズにも即した住みやすい街づくりとなっている。
 
(2)大規模な敷地で複合的な開発がされる場合が多く、住宅(マンション)のほかに商業施設(スーパー、専門店、クリニックなど)や保育施設、さらに規模によってはスポーツクラブ・シネマホール・図書館などの各施設等々が一体的に整備されるケーもも多く、生活利便性が大変高い。
 
(3)駅前や駅近くの密集地などを再開発するケースも少なくなく、こうしたプロジェクトでは直結した大変高い交通利便性が確保されている。
 
(4)住宅(マンション) 自体も数百戸クラス(場合によっては1000戸超)の大規模となることが多く、フロントサービス、ラウンジ、ゲストルーム、ライブラリールーム・キッズルーム・シアタールーム・キッチンルーム等々の多彩な集会交流スペースなどスケールメリットを活かした充実した共有施設が整備されている。
 
(5)上記のような様々なメリットから、再開発事業による新築マンションは周辺の単体開発マンションに比べて高単価が維持される傾向が見られ、将来的な中古試乗でも資産価値が減価しにくいことが期待できる。
 
 

今後も続く「再開発」事業の新築マンションの供給

現在分譲されている「再開発」事業マンションは、先ほどの国土交通省の解説における「高度利用で新たに生み出された床(保留床)」をデベロッパーが再開発組合などから買い取って販売しているものが大多数です。
 
例えば、東京都ではこれまで232地区で市街地再開発事業が施行されていますが、そのうち40地区が事業中、事業認可を待つ予定地区は12地区あります(2017年7月31日時点)。再開発事業はこれからもまだまだ続きます。
 
参考URL:東京都都市整備局「市街地再開発事業について」
 
必ずしも再開発事業でなくても、立地や商品区画などの評判がよく、購入するメリットが多いマンションも少なくありません。
 
しかし、やはり物件によって評価はケースバイケースであり、振れ幅も大きいのが現実だと考えられます。
 
「再開発」事業マンションは、地域の課題やニーズを取り入れ、利便性が高く、さまざまなスケールメリットにも恵まれています。
 
そのため、一定水準以上の評価が最初から確保されており、将来的な資産価値の維持も期待できるなど優れている点が多いと思われます。
 
多くのメリットがある「再開発」事業マンション。マイホームを検討する際に優先度を高めておいても損ではないでしょう。
 
Text:上野 慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士,不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー

上野 慎一

Text:上野 慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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