最終更新日:2019.03.26 公開日:2018.08.06
暮らし

「事実婚」のメリットを弁護士に訊いてみた!

横浜パートナー法律事務所代表の大山滋郎弁護士が、話題のニュースを解説します。
 
今回は「事実婚」について。
 
人気ブロガーのはあちゅうさんと、有名AV男優しみけんさんが事実婚をして話題となっています。事実婚の場合、正式婚との扱いの違いやデメリットはないのか、届け出方法、子どもができた場合の籍、相続、その他の違いなどどうなっているのでしょうか?(30代女性)
 

事実婚とは何か

結婚は、「婚姻届け」を提出することで成立します。これを、「法律婚」といいます。事実婚というのは、婚姻届けは出さないが、事実上夫婦として暮らしていることを言います。ただ、単に同棲しているだけなのか、事実上の夫婦として暮らしているのかは、必ずしもよく分かりませんよね。
 
そこで、結婚式を行ったのか、外部に対してて夫婦として対応していたのかなどを考慮して、事実婚があったのかどうかが判断されることになります。ただ、この判断はなかなか難しいですね。だからこそ、結婚しているかどうかを判断する必要をなくすため、国は婚姻届けを出すことを推奨しています。
 

法律婚と事実婚は何が違うの?

婚姻届けが出され、法律婚が成立すると、様々な法的な効力が認められます。何より簡単に別れること(離婚)は出来なくなります。お互いに相続の権利が発生しますし、生まれた子供は当然に夫婦の子供と認められ、子供にも相続権が認められます。
 
これに対して、事実婚の場合には、かなり限られた法的効力しか認められません。夫婦間での相続は発生しません。簡単に別れることもできます。(ただし、別れる事情に応じて、慰謝料が発生することはあり得ます。子供は当然には夫の子供とは認められず、そのためには夫による認知が必要になります。
 
その他、お金に絡む問題ですと、事実婚でも社会保険の受取などはできますし、自動車保険の家族限定割引なども受けられます。その一方、生命保険金の受取人になれるかなどは、保険会社毎の規定よりますので注意が必要です。
 
つまり、事実婚の場合、夫婦間の法的関係は、法律婚に比べてかなり弱いものとなるのです。
 

あえて事実婚を選ぶメリットは?

昭和の時代には、女性が結婚することを「永久就職」なんて言いました。女性の結婚は、専業主婦になることであり、ある意味夫から給料を貰って就職するのと同じだということですね。一度「就職」すれば、「労働者」として強い権利を持てますから、簡単に解雇されることはありません。
 
つまり、簡単には離婚されないということです。こういう考えからすれば、事実婚は非正規労働者のようなものです。簡単に解雇(離婚)される可能性がありますので、こちらをわざわざ選ぶメリットはないはずです。
 
ただ、現在女性も経済的に力を付けてきています。今回の有名ブロガーの女性などまさにそうですね。そういう人の場合は、会社に強く拘束される「正社員」よりも、自分の力で生きていくことを好む場合もあるでしょう。その場合は、かえっていつでも関係を解消できる「事実婚」にメリットがありそうです。
 
これから女性の経済力が増すにつれて、このような「事実婚」は増えていくのではないかと思われます。
 
TEXT:マネラボ お金と投資の知っトク研究所
大山滋郎(おおやま じろう)
横浜パートナー法律事務所代表弁護士(日本・ニューヨーク州弁護士)

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執筆者:マネラボ(まねらぼ)

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