「カンタンに稼げます」「電話で説明します」のキーワードはまず疑え! 悪質副業を見抜くポイント
配信日: 2018.09.28 更新日: 2019.01.11
つい先日も消費者庁から“「画像選択がベースの簡単な作業でお金を稼げる」などとうたい、多額の金銭を 支払わせる事業者に関する注意喚起”という報道発表があり、悪質な業者が名指しされていました。典型的な悪質副業事例だと思いますので、気をつけたいポイントを指摘しましょう。
Text:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
電話説明を必須として有料コース入会を強要
この悪質業者は「かんたん選択ビジネス」、「写真を選ぶだけで収入UP」などとインターネット広告を打ち、自社のサイトに呼び込んでいたようです(現在は閲覧できなくなっています)。
消費者庁によると、そのWebサイトには「画像選択がベースの簡単な作業なので機械操作が苦手でも稼げる」「たった数秒間の作業でも 10 万円 20 万円 100 万円と現実的に稼ぐことが可能」「今なら5万円誰でも受け取ってもらえます」などと掲載され、街頭インタビューを受けた女性が10万円稼いだと話す動画も掲載されていたとのことです。これはおそらくサクラでしょう。
「カンタンに稼げます」には身構えましょう!
そうしてこの悪質業者は、興味を持った消費者にメールアドレスを登録させるわけですが、これが第1の狙いです。
消費者庁によると、登録した消費者に「現在○人待ちの状態です」「1時間に2~3人ほどご案内させていただいておりますので、明日のお昼にはお仕事のご案内ができるかと思います」などと煽りのメールを送り、「申し込みWebサイト」に登録させようとします。
ここに登録させるのも罠なのですが、本当の罠は「このビジネスをはじめるために電話での説明が必要です」と、電話説明の予約をさせることのようです。電話番号を聞き出すのがホントの目的でしょう。
悪質業者は電話で消費者に「有料コースにしませんか?年収何百万円稼げますよ」とうそぶいて、高額な有料コースへの入会を迫るようです。消費者庁の調査によれば、当然そんなカンタンに稼げると合理的に説明できる仕組みではなく、稼いだ人間も存在しないとのことです。要はオレオレ詐欺に近いものでしょう。
「電話で説明します」にも身構えましょう!
消費者庁の追求に、この悪質業者は廃業を表明したらしいですが、法人番号検索サイトで調べると、まだ9月18日現在会社登記されているようです。気をつけなくてはなりませんね。
まとめ ~ 気をつけるポイントはここ
(ポイント1)登録無料がふつう
新しいスタイルの副業が多数登場していますが、その多くは登録が無料です。最初にお金を払うまともな副業もないことはないですが、ほとんどは登録無料で、工夫して仕事を得ていくものです。「先にお金を振り込んでください」という甘い言葉はまず疑ってください。
(ポイント2)コピペだけで儲かるなんて甘いことはない
新しい副業は工夫しないとなかなか収益が上がりません。もちろんカンタンな副業もありますが、たとえば「コピペだけでいきなり大きな収益が入る」なんてことはまずありませんので疑ってかかるべきです。
(ポイント3)電話番号は教えない
悪質業者は電話で巧妙に言いくるめようとします。カンタンに電話番号を教えないのが一番です。
実際に会社が実在するかどうかは、先の法人番号検索サイトでも調べられます。もちろん実在しているから安心というものではありません。うっかりお金を振り込まないことです。
消費者庁のサイトには悪質業者の実名を挙げていますので、参考にしてください。
※消費者庁発表資料(2018年9月)
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
副業評論家