2019.01.07 暮らし

全国平均は約5万円 シングルマザーの住まい実態とは

生活費に占める住居費の割合は大きいので、離婚を考える場合、離婚後の住まいの費用がいくらかかるか気になると思います。
 
シングルマザーが賃貸住宅に住む場合、家賃の相場はいくらぐらいかかるのでしょうか。資金が不足する場合の支援策はあるのでしょうか。
 

家賃の相場

不動産情報サービスのアットホーム株式会社が、全国の20歳~59歳のシングルマザー618名を対象に行った「シングルマザーの住まいの実態調査」(2016年3月31日公表)の結果を見てみましょう。
 
これによると、シングルマザーの月額家賃(全国平均)は5.2万円。分布図で見ても、最も多いのが5万円台でした。ただし、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で見ると、家賃の平均は7万円で、全国平均よりも2万円ほど高い結果となっています。
 
一方、個人年収は平均で214.9万円ですが、実家ではない賃貸住宅に住んでいる人の個人年収は平均190.5万円となっています。
 
一般に、年収に占める家賃の割合は20%以内が好ましいと言われています。これを超えると家計を圧迫して生活が苦しくなります。
 
上記の調査では、家賃は年収の20%を超えていますので、生活が厳しいと推測されます。実際、自分のみで家賃を払っている人のうち、約80%が「家賃を払うのが厳しい」と思っています。さらに、負担の程度に関しては「非常に負担に感じる」という人が最も多く、36.1%でした。
 
なお、職業別の個人年収は、公務員・経営者・役員・会社員が315.5万円、パート・アルバイトが139.9万円、専業主婦が76.3万円となっています。
 

住まいの立地、間取り

同調査でシングルマザーに、家の広さ、間取り、最寄り駅までの徒歩分数を聞いたところ、賃貸の広さは平均54.0平方メートル、間取りで最も多いのは「2DK」、最寄りまでの駅までの徒歩分数は平均22.3分でした。
 
家賃を下げるために1R(ワンルーム)や1K(ワンケー)にすればいいじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、1Rや1Kは単身者向けの間取りなので、シングルマザーが入居を希望しても、大家や管理会社の承諾が得られない場合があります。
 
また、住まい探しの際に、シングルマザーであることを理由に入居を断られたということがあるという人は、賃貸・持家ともに、約10%という結果でした。
 

住まいに関する公的支援

部屋を借りるとき、引っ越し費用がかかります。子どもが小さければ、荷物も少ないでしょうから、引っ越し費用は10万円程度見積もっておけば良いでしょう。部屋を借りるときには、礼金・敷金・斡旋手数料・前家賃など家賃の4~5か月程度は必要になります。さらに、寝具・家具・家電などを買いそろえるとなると、かなりのまとまった金額が必要になります。
 
本来はお金を貯めてから離婚するのが理想的ですが、すぐに引っ越さなければならないような場合に利用したいのが「母子父子寡婦福祉資金貸付制度」(自治体により名称が異なります)です。事業開始資金、事業継続資金、修学資金、技能習得資金、修業資金、就職支度資金、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、就学支度資金、結婚資金を基本的に無利子で貸し付けてくれます。
 
20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子または男子、寡婦等が利用できます。
 
このうち転貸資金は、住宅を移転するため住宅の貸借に際し必要な資金で、限度額は260,000円、据置期間6ヶ月、償還期間3年以内、利率は、保証人がいる場合は無利子、いない場合は年1.0%です。民間の金融機関で借りるのに比べとても有利です。
 
申込から融資まで1か月以上はかかりますので、早めに、自治体の福祉担当窓口に相談しましょう。
 
また、母子家庭向けに家賃補助をしている自治体もありますので、調べてみましょう。例えば、神奈川県厚木市では、ひとり親家庭に対し家賃の一部を助成することによって、母子家庭等の生活の安定と向上を図るため、母子家庭等家賃助成事業を行っています。助成金額は、家賃月額に応じて、1,300円~10,000円となっています。
 
その他、例えば、東京都では都営住宅の入居に際して、「ひとり親世帯」の資格がある場合、抽選では当選確率が「一般世帯」の 7 倍になるなどの優遇措置があります。また、練馬区では、保証人が見つからない等により、区内民間賃貸住宅への入居や居住の継続が困難なひとり親世帯の方に、区と協定を結んだ一般社団法人賃貸保証機構に加盟している民間の保証会社を利用した時の保証料の一部を助成しています。
 
多くの自治体では、ひとり親家庭の皆さんの生活を応援するため、「ひとり親家庭のしおり」
(名称は自治体により異なります)を作成しています。このしおりでは、身近な相談窓口や、ひとり親家庭、寡婦・寡夫の方々が利用できる各種制度などを紹介していますので、ぜひ、ご活用ください。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/



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