片づけの美学37 食費の節約には整理が効く「冷蔵庫」
配信日: 2019.01.09 更新日: 2019.07.05
一見関係ないように思えますが、整理は節約にとても効くのです。今回は冷蔵庫の整理で食費を節約する方法を考えてみたいと思います。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
食費の節約に整理が効くのはどうして?
食費の節約と言えば、安売りの店での買い物、特売日の買いだめ、節約料理が思いつきますね。けれど、賞味期限のある食材の買いだめは、食べきれなくて廃棄というリスクも伴います。
いくら他店より値段が安くても、使い切るために必死に消費したり、食べずに捨てたりしては本末転倒ですよね。
また、「忙しくて節約料理を作る時間がない」というのも、共働きがどんどん増えてきている今どきのライフスタイルでは当然のことです。
買いだめや節約料理がうまくいかない場合、有効な節約は冷蔵庫の整理です。食材を上手に管理して、ムダなく使い切る。そしてまた必要な分だけ買ってくる。この流れを繰り返すことで、ムダな出費を抑えることができます。
整理できている冷蔵庫ってどんな状態?
冷蔵庫が食材でパンパン。食材の置き場所がいつもバラバラ。空いたスペースにとりあえず置く。このような使い方をしていると、「また買っちゃった」「また賞味期限が切れちゃった」「また腐らせちゃった」というもったいないことが起こりやすくなります。
食材を期限内においしく食べるためには、冷蔵庫の見通しのよさはとても大切です。できるだけ冷蔵庫の中はシンプルに、少なめの量を入れておくことがおすすめです。
整理できている冷蔵庫とは、使っている人が中身を把握できている状態のことです。何が残っているか、早く使わないといけないモノはどれかなどを知っていると、献立を決めるのにもとても役立ちますね。
冷蔵庫をゾーンで分ける
中身を把握するために役立つのが、内部をゆるくゾーン分けすることです。
例えば、見やすい下の方には、賞味期限が短いグループ、残り物・常備菜グループ。ちょっと見づらい上の方に、賞味期限が長めの食材グループなど、自分の中でルールを決めて使ってみましょう。使い忘れがずいぶん減るはずです。
買い物の頻度をちょっと少なくする
食材の補充は、「生鮮食品が底をつきそうになったら」が理想です。できれば買い物は週に1回か2回に抑えてみましょう。
毎日のように買い物に行くと、1回の購入量が少ないので買い物カゴにもっと入るとか、持つ余裕があるなど理由をつけて、つい余分なモノまで買ってしまいます。買い物は冷蔵庫が「空っぽで何もない」と思う時がベストタイミングです。そうすれば、必要なモノを買うだけでけっこうな量になり、余分なモノまで買う余裕はなくなります。
買い物の頻度を減らすと、一度にたくさん買うため支払いが高額になります。これ以上出費はつらいなという気持ちが湧いて、余分なモノを買いづらくなる効果もあります。
「あの特売日は逃したくない」という強い思いがある場合は、その日を逆算して購入量を調節するなどしてもよいでしょう。
ときどき、冷蔵庫のたな卸しをしてみましょう。
冷蔵庫の中には、買ってきたけれど使っていないモノもあるはずです。「使ってみよう」と思って買った話題の調味料や、新発売のドレッシングなど、試しに買ってみたものの忘れてしまっているモノが。見た目やにおいは変わっていないかもしれませんが、入れたままで古くなってしまっている食材は処分しましょう。きっと今さら使うことはありませんよ。
いろいろなムダ・もったいないを省くことで、冷蔵庫がシンプルになっていくはずです。使いやすくて、節約にもなる。そんな効果があるはずです。冷蔵庫の使い方でムダ・もったいないを感じている方はぜひチャレンジしてみてください。
Text:奥野 愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表