2019.01.16 暮らし

裁量労働制やフレックス制…いろいろな働き方があるけど何が違うの?残業などお給料の考え方

執筆者 : 柘植輝

近年では多様なライフスタイルに合わせ、これまでになかった働き方が次々と出てきています。その中でも今回は、「裁量労働制」と「フレックス制」について、比較する形で解説します。
 
多様な働き方について知っておくことで、本当に自分に合った働き方が見つかるかもしれません。
 

裁量労働制とは

裁量労働制とは、労働時間を実際の労働時間でカウントするのではなく、あらかじめ定めた時間分労働したと考える制度です。裁量労働制は法令など(労働基準法上第38条の3、38条の4など)により定められる、一定の条件に該当する人にのみ適用される制度です。
 
例えば、デザイナーや大学における研究者(専門業務型裁量労働制)や、企業内の中枢部門で大きな決定をもたらす仕事に従事する人(企画業務型裁量労働制)などです。
 

フレックス制とは

フレックス制とはフレックスタイム制とも呼ばれている制度です。(労働基準法第32条の3)
 
1日の労働時間を固定的に定めず、1ヶ月以内の期間の労働時間を定めておいて、その期間の間に決められた労働時間分であれば、1日の労働時間を自由に定めて働くことのできる制度です。
 
基本的にいつ出社していつ退社するのも自由ですが、会社の取り決めにより、必ず勤務しなければならない時間(コアタイム)が定められることもあります。
 

裁量労働制とフレックス制の違いは?

裁量労働制とフレックス制には多くの違いがありますが、今回は特に給与に関係する部分に絞って比較していきます。
 

残業時間は?

例えば、所定の労働時間が1日8時間、1ヶ月160時間とされる月において、180時間労働したと仮定します。つまり、1ヶ月で20時間の残業をした状態です。この状況で、フレックス制であれば、基本的に20時間分の残業代が支払われます。
 
しかし、裁量労働制においては特段の条件などのない限り残業代が支払われません。なぜなら、裁量労働制は「一定の労働時間分働いたものとみなす」制度であるため、180時間働いたとしても、160時間働いたものとみなされるからです。
 
ただし、フレックス制において、労働時間が少なかった場合(160時間と定めたのに140時間しか働かなかった場合)は、会社によって不足分に相当する賃金のカットや、労働時間を翌月に繰り越して精算されることなどがあるため、注意が必要です。
 

休日に勤務した場合は?

裁量労働制の場合もフレックス制の場合も、休日に労働した場合にはその分の割り増し賃金が発生します。
 
例えば、就業規則や雇用契約などにおいて休日とされている日に労働した場合、その日に労働した時間分は、休日労働として割り増し賃金が支払われることとなるのです。(労働基準法第37条1項)
 
特に裁量労働制はフレックス制とは異なり、基本的に残業代が発生しない制度ではありますが、休日労働の場合は、別途休日労働分の割り増し賃金が発生することに注意しておきましょう。
 

深夜帯に勤務した場合は?

裁量労働制の場合も、フレックス制の場合も、深夜帯(22時から翌朝5時まで)に勤務した場合は深夜勤務分の割り増し賃金が発生します。(労働基準法第37条4項)休日に勤務した場合と同様、深夜帯に勤務した場合には割り増し賃金が発生することも押さえておきましょう。
 

裁量労働制とフレックス制の違いに注意

裁量労働制もフレックス制も、労働者が一定の裁量をもって業務に対応することができるという点で似通った部分がありますが、実際にはさまざまな面において違いがあります。
 
両者の違いを理解し、自身の望む働き方を実現できるようにしておきましょう。
 
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
 
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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。