2019.03.13 暮らし

契約満了の1週間前に「契約の更新はしません」。これって法的に問題ないの?

契約社員や派遣社員の多くは雇用契約の期間が定められています。
 
そして、その契約期間の満了を迎えるまでに、更新することで、引き続き就労できる雇用形態です。契約の更新は確約されておらず、満了日がある程度近づいた頃に更新の有無が判明するという形式のものがほとんどです。
 
では、仮に契約が更新されないという通知が契約満了の直前にされた場合、その通知は法的に問題がないのでしょうか。
 

契約満了の1週間前に通知を受けたAさん

Aさんはとある派遣会社にて、派遣社員として2年間程働き続けていました。その間Aさんは「原則として契約は3ヶ月ごとに更新するものとする」との約束のもと、3ヶ月ごとに更新を続けていました。
 
ところが、契約満了の月になっても派遣会社から更新の通知は届きませんでした。
 
結局、通知は契約満了の1週間前に到着しましたが、その通知には「次回の契約更新はしない」と記されていました。
 
このまま契約が更新されないとなれば、Aさんは雇い止め(会社の意思により契約の更新をされないこと)により、1週間後には職を失ってしまいます。派遣会社による今回の雇い止めは、法的に問題がないのでしょうか。
 

契約の更新通知は30日以上前が原則です

今回、派遣会社のAさんへの行為は「違法な雇い止め」に該当することとなります。
 
なぜなら、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」第1条において、労働契約の更新について次のように定められているからです。
 
次の条件に該当する労働者との労働契約を更新しない場合には契約の満了日の30日以上前にその予告をしなければならない。
 
・その契約をこれまでに3回以上更新している、あるいは勤務期間が1年を超えている。
・契約の更新がないと明示されていない。
 
Aさんと派遣会社との間にある契約は上記の条件に該当しています。そのため、派遣会社の行った雇い止めは違法な雇い止めとされる可能性が高いと考えられます。
 
また、上記の基準を見る限り、もしも「契約を更新しない」という通知が30日以上前にされていたのであれば、ただちに違法な雇い止めであるとまでは判断されないでしょう。
 
とはいえ、個別に具体的な状況によっては、30日以上前に通知があったとしても、「違法な雇い止め」だと判断される可能性もあります。
 
そして、通知が必要なのは「30日前まで」であり、「1ヶ月前まで」ではありません。雇い止めの違法性について判断するときはその日数の制限についても注意しておきましょう。
 

もし、雇い止めにあってしまったら?

万が一、雇い止めにあってしまったら、そのまま契約終了で退職するのか、それとも会社に残るため、雇い止めの取り消しを求めるのか、そのどちらを選択するかによって対応の方法が異なります。
場合によっては労働審判や労働訴訟にまで発展することもありえるでしょう。
 
いずれにせよ、会社と交渉するのであれば、それ相応の準備と慎重な対応が必要となります。
 
個人の力で対応することも不可能ではないのですが、やはり専門家など第三者の力を借りる方が賢明です。
 
雇い止めの問題に直面したのであれば、まずは労働基準監督署などに相談してみましょう。また、交渉が難しそうな場合は、社労士事務所や労働問題に詳しい弁護士など、各種専門家などに相談して対応を進めることをおすすめします。
 
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
 
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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士

2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。
広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。



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