最終更新日:2019.06.13 公開日:2019.05.06
暮らし

管理組合の理事の本音「管理費を納めないで住み続ける住民をどうすればいいの?」

マンションを購入した方はご存じでしょうが、住民による管理組合によって、「管理費」が徴収されます。この金額をマンションの共有部分の修繕など、全体の管理に使います。
 
よく問題になるのが、管理費を滞納する住民が出てくることです。その払わない住民の分まで、他の住民が負担を強いられてしまいます。
 
マンションの管理に支障をきたしかねません。ところが、多くの場合、マンション管理組合の理事は持ち回りの1年交代です。なかなか滞納住民にきびしく取り立てることができません。こんな場合、どうしたらいいのでしょうか?
 
藤木俊明

執筆者:

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

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内藤悠作

執筆者:

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監修:内藤悠作(ないとう ゆうさく)

弁護士/東京桜橋法律事務所

2009年弁護士登録。2016年にニューヨーク州のロースクールへ留学のため登録抹消するも、翌年復帰。

ITベンチャーを中心とした企業法務から、個人の法律問題まで、幅広く手掛ける。一歩先の展開を見通す状況分析を心掛けると同時に、依頼者の立場・心情に対する的確な理解を大切にしている。座右の銘は「生涯成長」。

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藤木俊明

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執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

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内藤悠作

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監修:内藤悠作(ないとう ゆうさく)

弁護士/東京桜橋法律事務所

2009年弁護士登録。2016年にニューヨーク州のロースクールへ留学のため登録抹消するも、翌年復帰。

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どうしても管理費を支払わない住民がいる!

会社員Fさんは、10年前に80世帯ほどが住む分譲マンションの一部屋を購入し、住み続けています。ここは、住民が毎年持ち回りでマンション管理組合の理事をつとめ、理事長、副理事長、会計、書記、監事などの役職に就きます。
 
Fさんは今回2回目の理事就任で「会計」担当になりました。前任者から「XX号室の住民がずっと組合費を滞納していて困っているのです」と引き継ぎを受けました。あらためてみると滞納金額は約100万円にもなっています。前任者は、「何度XX号の人に払ってくれるようにいってもダメなんです。居留守を使われたりしまして……」。
 
前任者の会計担当も会社員で仕事があります。毎日毎日XX号室へ取り立てにいけるわけではありませんし、取り立てのプロでもありません。
 
たとえば、賃貸のマンションなら追い出すこともできるのでしょうが、こんな場合はどうしたらいいのでしょうか?
 
*物語はフィクションです
 

管理費を払わない住民に管理組合ができることは? 東京桜橋法律事務所の内藤悠作弁護士にお伺いしました。

そもそも分譲マンションの住民は、他の住民に対して共用部分等の管理費を請求する権利を有していますが、マンション管理者や管理組合法人は、「区分所有法」(建物の区分所有等に関する法律)に基づき、他の住民に代わって管理費請求権を行使できます。そして、この権利には、「先取特権」という担保権が与えられています。
 
これは強い権利です。本来であればその権利を、強制力をもって実行する場合は、まず訴訟を提起し、勝訴判決に基づいて強制執行手続を行うことになります。しかし、管理費請求権には先取特権が与えられていることにより、訴訟手続を経ずに、強制執行手続の着手が可能となります。
 
具体的な強制執行の方法としては、XX号室(区分所有物件)自体を「競売」にかける手段に進むことが考えられます。「競売」とは債権者(この場合はマンション管理組合)が債務者(この場合はXX号室の所有者)から債権を取り立てるため、裁判所に不動産(この場合はXX号室)の差し押さえを申し立て、裁判所に認められればXX号室を入札にかけ、売り渡して債権を回収する手続です。
 
本来なら、住民同士なのですから、よく話し合って妥協案を探し、無理なく徴収できる方法があればいいのですが、ここに至るまでに、何年も手を尽くし、しかも相手が話し合いに応じようとしないのであれば、上記のような手段もやむなしかもしれません。
 
ただし、上記の法的手続を行うにも弁護士費用がかかります。その弁護士費用も組合管理費から出すことになるわけです。当然、そのXX号の住民に請求したいところですが、そこは管理組合の規約がどうなっているのか調べなくてはなりません。
 
また、競売にかけても、お金になるまではずいぶん時間と手間がかかります。さらにいうと、仮に競売による売却が成立しても、XX室住民が立ち退かなかったら、再び建物明け渡しの強制執行が必要ということになり、それにもまた費用と手間がかかります。部屋の荷物の撤去などでまたひと揉めあるかもしれません。
 
先ほど述べたように、毎年担当が変わる理事からすれば大仕事です。本来は、こんなにこじれる前、滞納金額がそんなでもない時期のときに管理組合が気をつけて見ておくべきことではないでしょうか。
 

早めに手を打っていかないと大きなリスクに

今回のXX室住民に対しては、訴訟もやむなしであり、その先には競売まで検討する必要があることがわかりました。
 
管理費の滞納はいろいろなマンションで問題になっていると聞きます。こじれないように早めに手を打ちたい……といっても持ち回りの理事ではなかなかむずかしいのかもしれませんね。
 
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
監修:内藤悠作(ないとう ゆうさく)
弁護士/東京桜橋法律事務所
 

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