2019.05.09 暮らし

退院目処が分かれば準備もしやすい!4つの例から考える目安入院日数

病気やケガで病院等に入院する人の平均在院期間は29.3日ですが、年齢や傷病によって入院期間はかなり異なります。もし、事前に何日くらいで退院するのかわかっていれば、その後の予定は立てやすくなり、入院費等の準備もしやすくなるはずです。
 
そこで、例として4つの傷病を取り上げ、それぞれ何日くらい入院している人が多いのかを調べてみました。
 

胃がんの平均在院日数は19.2日だが半数は10日も入院していない

厚生労働省が3年に1度おこなっている患者調査は、多くの保険会社でも商品パンフレット等で活用している主要な統計です。
 
最新の調査結果が2019年3月に公表されましたので、その中から、4つの傷病について在院期間の内訳をグラフにしてみました。まずは胃がん(悪性新生物)についてです。グラフのパーセント表記は患者数全体に占める在院日数の割合を表しています。
 

 
胃の悪性新生物で入院した時の在院日数は平均19.2日となっていますが、患者によって日数にかなりバラツキがあります。4日以内の割合が21%、5日~9日が28%なので、9日以内に全入院患者の半数が退院していることになります。
 
1ヶ月(30日~60日)以上入院している割合は15%程度しかなく、確率面から考えれば胃がん入院への備えは30日分もしておけば十分と言えそうです。
 

脳梗塞の平均在院日数は78.3日だが4分の3は2ヶ月以内

続いて脳梗塞について在院期間の内訳をグラフにしてみました。
 

 
脳梗塞の平均在院日数は78.3日で胃がんの約4倍にもなります。そのため、在院日数も長めで、9日以内に退院している割合は20%しかいなく、1ヶ月以上入院している割合は42%にもなります。
 
在院日数は患者によってかなりバラツキがあり、30日~60日(18%)や10日~14日(14%)の場合が比較的多くなっています。
 
脳梗塞の平均在院日数が78.3日なのに61日以上入院している割合は全体の4分の1程度しかいないことから、一部の患者が平均をかなり上げていると考えられます。脳梗塞への備えを確率面から考えるなら、3か月程度は想定しておいた方が良さそうです。
 

腎不全の平均在院日数は44.8日だが4分の3は1ヶ月以内

次は腎不全について在院期間の内訳をグラフにしてみました。
 

 
腎不全の平均在院日数は44.8日で胃がんの2倍強になります。ただ、在院日数が短い人も多く、2週間(14日)以内で退院する人が全体の55%(4日以内24%・5日~9日17%・10日~14日14%)になっています。
 
腎不全も平均在院日数が44.8日なのに30日以上入院している割合は全体の4分の1程度しかいないことから、一部の患者が平均をかなり上げていると考えられます。脳梗塞への備えを確率面から考えるなら、2か月程度は想定しておいた方が良さそうです。
 

骨折の平均在院日数は78.3日だが4分の3は2ヶ月以内

最後に骨折について在院期間の内訳をグラフにしてみました。
 

 
骨折の平均在院日数は37.2日で胃がんの2倍弱程度となっています。在院日数は0日~4日(20%)と30日~60日(23%)の割合が非常に高くなっています。
 
60日超~3ヶ月以内も13%で多く、治療してすぐに退院できる骨折と、リハビリも必要で退院まで数か月を要する骨折に分かれているようです。
 
病気やケガの種類によって在院日数に大きな違いがあり、それぞれの傷病においても病状や医療機関によって大きな違いがあります。
 
さらには性別や年齢、地域等によっても違いがあります。平均在院日数は短縮傾向にあるので、3年後の調査ではまた違った結果になるでしょうが、病気やケガに備えるための知識として頭に入れておくと、いつか役に立つ時がくるでしょう。
 
執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
 
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松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/



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