更新日: 2019.06.14 その他暮らし

2人以上で住む賃貸住宅の選び方

執筆者 : 西山広高

2人以上で住む賃貸住宅の選び方
これから、特に2人以上でお住まいの賃貸住宅を探そうとお考えの方に、「賃貸住宅の選び方」のポイントお伝えしたいと思います。
 
稀に「引っ越しが趣味」「2年毎に新しいところに住み換える」という方もおり、そういう方は物件探しも慣れているでしょう。しかし、多くの方にとって賃貸住宅探しはそう何度も経験するものではありません。
 
後悔しない物件探しのために参考になれば幸いです。
 
西山広高

執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)

ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、宅建マイスター(上級宅建士)、上級相続診断士、西山ライフデザイン代表取締役
 
http://www.nishiyama-ld.com/

「円満な相続のための対策」「家計の見直し」「資産形成・運用アドバイス」のほか、不動産・お金の知識と大手建設会社での勤務経験を活かし、「マイホーム取得などの不動産仲介」「不動産活用」について、ご相談者の立場に立ったアドバイスを行っている。

西山ライフデザイン株式会社 HP
http://www.nishiyama-ld.com/

賃貸住宅市場の繁忙期

賃貸住宅市場の繁忙期は1月半ばから3月。今の賃貸住宅市場は少し落ち着いた時期です。単身向け住宅は、3~4月の卒業・入学シーズン、4月の異動シーズンがあり、どうしてもこの時期に引っ越さなければいけない人が集中します。
 
2人以上の居住を想定した「ファミリー向け」賃貸住宅も同じ時期に需要は高まるものの、単身向けに比べると一年を通してある程度の需要があります。
 
4月以外の時期の異動。ご結婚が決まり新居を探す。子供が生まれる、子供が成長して手狭になってきた、などの事情で、大きめの住宅へ引っ越す。
 
あるいは、お子様が独立して住む人が減り、これまでの住居では広すぎるので、小さめのところに住み換える。このような方がいるということが、通年需要がある理由です。
 

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繁忙期は物件の回転が早い

家を借りている人(賃借人)が大家さん(賃貸人)に賃貸借契約解除の通知をする時期は解約の1カ月前までとしている契約が多くなっています(実際には、個々の契約によって違いがあります)。
 
3月に卒業する学生さんや4月から異動になる社会人の方など、多くの方が2月中に大家さんに解約を通知します。通知を受けた大家さんは不動産業者に次の入居者募集を依頼します。このような物件がたくさん出始めるのが繁忙期の始まりです。
 
一方、4月からの新生活に備え物件探しをする人たちは、1月後半から2月頃に「どこに」「どのくらいの家賃で」「どのくらいの面積・どんな間取りの」物件にしようかとインターネットを使って探し始めます。
 
インターネットが普及する前の不動産探しは、希望のエリアにある不動産屋さんに飛び込むのが普通でした。今では、ほとんどの方がネットで物件を絞り込み、数件を内覧(内見=物件確認)し、物件を決めます。
 
通常、賃貸物件を決めるとき、入居希望者は内覧を行います。人気の物件は早い段階から内覧の希望も入り始め、募集開始からすぐに、場合によっては内覧ができるようになる前に申込みが入る物件もあります。
 
繁忙期は、ほかの時期にくらべてそのスピードが上がります。
 
不動産屋は原則として申込み順に受け付け、大家さんや保証会社の審査が通らなかった場合などを除いて最初に申込みした人に決定します。繁忙期は特に「ちょっと迷っている間に先を越された」というケースも珍しくありません。
 
この時期に物件探しをする人は「今日見た中で、今日中に決める」くらいの気持ちで臨む必要があるでしょう。
 

新築物件の多くは2月から3月の入居を狙って竣工する

新築物件にこだわる場合、繁忙期を避けると良い物件がなくなってしまう恐れがあります。多くの賃貸マンション、アパートは2~3月の繁忙期に入居開始できるよう工程を組んでいます。
 
大家さんは1月頃から募集を開始、できれば3月末までに満室にしたいと考えています。特にまとまった戸数がある物件ではその傾向が顕著です。これは、繁忙期だからできることで、そのほかの時期に竣工するとこのように効率よく入居者が集まることは稀です。
 
どうしても新築に住みたい場合、早めにどこでどのような物件の募集が始まるかリサーチしておき、出遅れないようにする必要があります。
 

物件選びのポイント

さて、肝心のポイントです。物件を選ぶ際には多くのポイントがあります。不動産には同じものは二つとありません。同じ建物、同じ間取りでも階数が違えば景色も違いますし、家賃も違うでしょう。
 
・家賃
安いに越したことはありませんが、周辺相場に比べて極端に割安な物件は訳アリの可能性もあります。今はインターネットで様々な物件の募集賃料を見ることができます。
 
事前に比較しておくとともに、自分の収入から支払える家賃を算出しておきましょう。一般的には世帯の手取り収入の3分の1程度までが目安と考えられます。
 
また、地域によっても異なりますが、東京エリアでは、更新時に「更新料」や「更新事務手数料」がかかる場合があります。契約前には、これらの費用も含めた、実質の家賃負担額を確認しておく必要です。
 
良い条件の物件は家賃が高めなのは当たり前。「良いからちょっと高いけど決めちゃえ…」ということもありえますが、毎月かかる家賃はじわじわと家計に効いてきますので慎重に。
 
・契約条件
住宅の賃貸借契約は「普通借家契約」と「定期借家契約」と言われる契約方法があります。定期借家契約は更新のない契約ですが、物件によっては「再契約」できる場合があります。
 
定期借家契約では大家さんが「再契約しません」と意思表示されれば、せっかく気に入っていた物件でも退去せざるを得なくなります。多くの契約が「普通借家」ですが、契約前に契約条件をよく確認しましょう。
 
・立地
通勤・通学の便や周辺の生活利便施設の場所。騒音や日照など周辺環境を必ず確認しましょう。内覧に行くときは、公共の交通機関と徒歩で行くべきです。できれば、曜日や時間帯を変えて見に行くとよいと思います。
 
特に女性は、周辺の夜の様子なども確認しておいたほうが良いでしょう。駅からの経路の人通りや街灯の整備状況などもチェックポイントです。
 
・間取り・面積
間取りや収納の収容力、使い勝手も大事なポイントです。共働きの夫婦では、生活リズムが違うこともあります。寝室を通らなければ浴室に入れないような間取りの物件もあります。
 
気にならない方は良いですが、どちらか一方が朝早い、帰りが遅いといった場合、毎日のことですのでストレスになりかねません。間取りを見ながら、どのような生活動線になりそうか、それぞれの家庭の生活スタイルをイメージして考える必要があります。
 
今使っている家具を引っ越し先に持っていく場合、そのサイズもあらかじめ測っておき、現地でどのようにレイアウトできるか考える必要があります。
 
新たに家具・家電を買い揃えようとされる場合は、事前に家電量販店などに出向き、購入予定のもののサイズを把握しておきましょう。特に冷蔵庫やベッドなどの大型家電、家具は想定した場所に入らない、ということもあります。
 
・設備
追炊き機能付き浴室、モニター付きインターホンなどは、自分では付け替えられないものです。絶対に必要なものは何かをあらかじめ考えておきましょう。最近の物件はコンロもビルトインされたシステムキッチンが増えています。ガスかIHかなどもチェックポイントになるかもしれません。
 
一方、温水洗浄便座などは購入しても1万円台。照明器具がついていない物件もありますが、デザインにこだわらなければひとつ3,000~5,000円で購入できます。
 
カーテンなど、必要なものもあるでしょう。新生活ではほかにもいろいろ必要なものがあります。なにが必要かピックアップし、いくらくらいかかるかを検討しておきましょう。
 

満点の住宅を狙わない

なかには何度も内覧を繰り返す方もいます。家を探す人にとってこれから少なくとも何年か住む予定の家を探すわけですから、妥協したくないと考えるのもわかります。どの物件もどこか少し不満を感じ、なかなか決められない人は少なくありません。
 
不動産探しでは100点満点の物件に出会うのは困難です。ですので、いくつか物件を見たらポイントの優先順位を決めます。絶対に譲れないのはなにか、その次に優先順位が高いことは何か、といくつか決めておきます。最低限の妥協ラインを決めるのも重要です。
 
中にはしばらくすると慣れることもあるでしょう。本当に必要なポイントか冷静に見定めましょう。
 

家賃のほかに必要なお金

不動産賃貸契約の際は、家賃以外にもいろいろお金がかかります。あとから驚かないように事前に確認しておきましょう。
 
・管理費・共益費 物件により異なる
・敷金 家賃の0~2か月分
・礼金 家賃の0~2か月分
・鍵交換費用 1.5~2万円程度
・家財・借家人賠償保険 2~3万円
・保証会社を利用する場合保証料 家賃の50~100%
・仲介手数料
 
地域ごとの商習慣により、「敷引き」などと異なる名目の費用が設定されていたり、金額の目安が異なる場合があります。物件ごとの募集条件をきちんとチェックしておく必要があります。
 
例えば、月額家賃12万円の物件の場合
家賃(当初2か月分)  12万円×2=24万円
敷金(1か月分) 12万円
礼金(2か月分) 12万円
鍵交換費用 2万円
家財・借家人賠償保険 2.5万円
保証料 6万円
仲介手数料 12万円
合計 70.5万円
 
この他にも引っ越し費用、家電・家具・その他の生活用品などが必要になります。こうした支出があることをあらかじめ想定しておきましょう。
 

まとめ

まったく同じものは2つとない不動産。物件を決めるときには決断力も必要です。いろいろ物件を見て目を養うことも重要ですが、時間が経つうちに人気のある物件は入居者が決まっていきます。
 
最近はインターネットで物件を探せる時代。いくつか見たら自分なりの優先順位を決め、おおよそ納得できた物件に決めるのが良いでしょう。
 
あまり知られていませんが、インターネットで掲載されている物件のほとんどがどの不動産屋でも紹介可能です。親身に相談に乗ってくれる地元の不動産屋さんを見つけ、ご希望を伝えて相談するのもよい物件に出会う良い方法のひとつです。
 
執筆者:西山広高(にしやま ひろたか)
ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、西山ライフデザイン代表取締役