更新日: 2019.06.13 その他暮らし

「週末は田舎でのんびりしたい」都心と田舎の2拠点生活の注意点

「週末は田舎でのんびりしたい」都心と田舎の2拠点生活の注意点
「田舎の古家の扱いに困っている」という声を聞きます。放っておくと空家問題に直結です。その救世主になるかもしれない“デュアラー”の存在をご存知ですか。「都心の喧騒を離れて週末は田舎でのんびり過ごしたい」と思う人は、増えているようです。
 
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

デュアラーのデュアル(dual) 意味は、2つの・二重の

「リクルート住まいカンパニー」は、都心と田舎の二つの生活(2拠点生活)を楽しむ人を“デュアラー”と名付け、2019年のトレンドになるのではと予測しました。
https://www.recruit-sumai.co.jp/press/2018/12/2019trend.html
 
東京の一極集中が進み、通勤時の電車内は身動きが出来ないほどの混雑です。途中で乗り変えたくても、車両は満員で到着しますので、結果何台も見送ることになります。都心近郊に一戸建てのマイホームを建てても、通勤時間は1時間半や2時間となってしまうのが厳しい現実です。
 
昨今は共働き夫婦が当たり前になり、利便性を考えて会社の近くに住む「職住近接」を選ぶ人も増えています。こうした需要が、都心の高層マンションの人気を支える要因の一つとなっていると考えられます。
 
そのような人々が、「仕事のストレスを忘れてのんびり週末を過ごしたい」「子どもに自然と親しむ機会を持たせたい」等々の思いから、「2拠点生活に関心がある」と回答した気持ちは十分納得できます。
 
調査では、すでに2拠点生活を始めている首都圏在住の20~60歳代について調査すると、その半数以上が20~30歳代という結果でした。そろそろリタイアの準備に入る世代が牽引しているのではない、という事実に驚かされました。
 

維持管理が出来るかを考慮

「オンとオフの切り替えが上手くでき、2拠点生活に満足している」という成功例も多いようですが、二重生活には気をつけるべき点があります。
 
まず、“夫が単身赴任した”“子どもが下宿を始めた”という場合にも共通することですが、二重生活になることで生活費が余計にかかります。例えば、光熱費の基本料金は2軒分かかります。どちらの家にも生活必需品を揃えるのですから、それなりの出費は覚悟しなければなりません。
 
また、セカンドハウスは通常は空き家になっていますので、その管理にも気を配る必要があります。頻繁に利用しないのであれば、誰かに留守宅の管理を依頼することも考えられます。
 
最近は古民家が安く売りに出されることもありますが、「安いから買ったけれど、あまり行かない」となっては、後で持て余すことになってしまいます。自分のライフスタイルを考慮して購入することが大切です。
 

居心地の良い場所が一番

「Dual 2つの」というキーワードは、働き方においても注目されています。副業を認めている企業も増えており、今後、この流れはさらに進むと予想されます。
 
仕事上でも2つの拠点を持つことになれば、都会と都会の2拠点生活や、都会と都会と田舎の3拠点生活を希望する人も現れそうです。「費用ばかりがかかって、落ち着かない」とならないためには、自分にとって居心地の良い生活とは?原点に戻って考えるのが良さそうです。
 
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
 

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