更新日: 2019.08.14 家具・片付け
片づけの美学51 見せる収納と隠す収納を使いこなして、インテリア上手に
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
見せる収納の3つのメリット
見せる収納とは、オープン棚など、扉がない収納のことです。
【メリット1 すぐに使える】
見せる収納はモノをパッと手に取れるのが最大の特徴です。余分な動作なくモノが使えるので、よく使う道具の収納にぴったりです。収納方法は、直置きやスタンドなど入れ物に立てる、フックなどに掛けるなどの方法があります。
使う場所のすぐ横に直置きすれば、常に使える状態です。キッチンツールや文具類などの長いモノは、数量がある場合はスタンドに立てておくと便利です。数が少ない場合は、一つずつフックに引っかけておくのもいいですね。
【メリット2 片づけやすい】
モノを使った後、元あった場所に戻すだけです。隠す収納に比べると片づける動作が少ないので、片づけが楽にできます。
【メリット3 持っていることを忘れない】
見せる収納の場合、モノの存在を忘れることはないはずです。「買ったはいいけれど、一度も使っていない」という状況は避けられるのではないでしょうか。
見せる収納の2つのデメリット
【デメリット1 ホコリ・油をかぶる】
見せる収納は、こまめなお掃除が必要です。しばらく使わないと、ホコリ・油をかぶってしまいます。特にキッチンコンロで使う油は、驚くほど広範囲に広がりますよね。手に取った時にペタッとしてしまう可能性もあるので、定期的な拭き掃除をおすすめします。
【デメリット2 ゴチャゴチャしてくる】
モノが常に見えている状態なので、気を抜くとゴチャゴチャしてしまいます。モノが増えてくると、さらにゴチャゴチャしてきます。見せる収納をキープするためには定期的な見直しが必要です。
隠す収納の3つのメリット
隠す収納は引き出しや扉のある棚、クローゼットなどの扉のある収納のことです。
【メリット1 スッキリ見える】
隠す収納は収納扉を閉めれば中に何が入っているのか見えません。モノの情報がシャットアウトされるので、とてもスッキリして見えます。
スッキリした空間だと、生活感のある雑然としたモノがないので、家具やラグなどインテリア用品に目が行きます。お気に入りのインテリアが目立つので、その空間で過ごすことがもっと楽しくなりますよ。
【メリット2 ホコリ・油で汚れない】
隠す収納の中にモノを入れておくと、ホコリ・油汚れを防ぐことができます。また、日光による色の変化も防げるので、モノが長持ちするというメリットもあります。
【メリット3 掃除がしやすい】
隠す収納は掃除機がかけやすいことも特徴です。モノが床に出ていない空間では掃除機をストレスなく動かすことができます。
隠す収納の2つのデメリット
【デメリット1 使い忘れる、持っていることを忘れる】
モノが見えなくなっているので、自分自身もその存在を忘れてしまうことがあります。今度使おうと思っていて、忘れてしまったり。持っていることを忘れて、また買ってしまったり。隠す収納はそんな失敗をしてしまう可能性があります。
【デメリット2 見つけやすくする工夫が必要】
隠す収納だからといって、中がぐちゃぐちゃでは困ります。扉を開けた時にしか中を見ないので、見れば思い出せるように使い勝手の良い収納にしておかなくてはいけません。見える収納よりも工夫やテクニックが必要になってくると思います。
見える収納と隠す収納は使い分けがカギ!
見える収納も隠す収納もメリット、デメリットがあります。大切なのは、どの場所でどちらの収納を使うかです。
見える収納は洗面所や子どもゾーンがおすすめ。美観よりも効率性を優先させたい場所ですね。洗面所であれば、1分でも早く朝の準備ができることが理想の収納だと思います。
隠す収納はリビング、ダイニングがおすすめ。空間がスッキリして、安らいだ時間を過ごせます。ライフスタイルに応じて見える収納と隠す収納を使い分けて、快適なインテリアを楽しんでくださいね。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表