公開日:2019.10.06 暮らし

ライバルと組んで拠点を合理化し、顔認証だって取り入れる!~9月から大きく動き始めた銀行ATMのトレンドとは?

銀行の本業は、預金を集めてそれをもとに企業や個人に融資すること。預金と貸出金の金利差である「利ざや」が主たる収益源のはずでした。
 
ところが、低金利の状況が長期化し、カネ余りといわれるように資金需要も低迷が続いているため、利ざやの減少に歯止めがかかりません。
 
上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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上野慎一

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執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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合理化と減少が進む銀行店舗

こうした厳しい経営環境に加えて、ネットバンキングの台頭なども相まって、銀行店舗も様変わりしました。駅前や目抜き通りなどの1階にあった支店はいつの間にか姿を消したり、なくなっていないとしても2階以上のフロアに場所が変わっていたりするケースも珍しくありません。
 
さらに、同じ場所にあるけれど、見慣れない支店名が店舗の入り口に追加表示されていることも。別の場所にあった支店が移転・統合されて共同店舗化された結果なのです。
 
このような形で銀行店舗は合理化と減少の一途をたどっています。店舗外にATM機だけが設置されているケースも増えているようですが、普段メインで利用する銀行の機械が、いつでもどこでも手軽に見つかるレベルとは感じられません。
 
また、コンビニ内のATMを利用する手もありますが、いつでも何度でも無料で使えるわけではありません。
 

ライバル銀行同士が店舗外ATMの共同利用を開始

そんな状況下、メガバンクでライバル同士の三菱UFJ銀行と三井住友銀行が店舗外ATM(支店ATMやコンビニATMは除く、無人拠点のATM)を共同利用する体制を整え、先般2019年9月22日より運用を開始しました。両行の公表によると、その概要は次の通りです。(末尾の※1および※2参照)
 
[対象となるATM拠点数]
  2818(2019年3月現在、三菱UFJ銀行1626+三井住友銀行1192)
 
[共同利用の要点]
 ・対象は、自行のキャッシュカードを持つ個人。
 ・他行の店舗外ATMでの「引き出し」や「振り込み」利用の際にこれまで必要だ
 った他行ATM利用手数料を一部無料化し、自行ATM利用時と同水準の手数料に改定する。
 ・これまで利用できなかった「預け入れ」の相互利用を開始する。
 ・残高照会は他行のATMでも無料で利用できるが、通帳の利用や、生体認証取引、暗証番号変更等のサービスは利用できない。
 

ATM利用手数料は、どのくらい安くなるの?

2行でキャッシュカードを持つ個人顧客は、他行のATMを自行並みの手数料で利用でき、利用できる拠点数が大きく増えてメリットがありますが、各行の店舗に設置されたATMは対象外。その点は、要注意です。そして、利用手数料の軽減状況をまとめると、次の通りとなります(各金額は、消費税込1回当たりの手数料額)。
 

 

 
18時までか21時までかの違いはあるものの、「引き出し」・「振り込み」のATM利用手数料が無料になり、今まで不可だった他行ATMからの「預け入れ」も無料か低額の手数料で利用できるようになりました。
 
1回当たり各手数料のおトク額は100円台・200円台レベルですが、他行の数多くあるATM拠点を自行並みの手数料で利用できる点など、利便性は格段に向上したといえるでしょう。
 

統廃合だけじゃなく次世代ATM導入の動きも

もちろん、銀行にとって今や無人の店舗外ATMといえども合理化の対象です。今回の共同利用開始後は、両行が近接する一部拠点の廃止を検討することはいうまでもありません。拠点数に関して、1足す1は2以下に収束していくのです。
 
一方で、セブン銀行は2019年9月から次世代ATMを順次導入します。顔認証機能が最大の特徴で、顔認証や運転免許証など本人確認書類の読み取りによって、ATMでの口座開設やキャッシュカードを使わない出金なども可能になっていく模様です。2020年夏までにまず東京都内のATMを新型に刷新し、2024年度までに全国約2万5000台を切り替えていく計画です。(末尾※3参照)
 
採算の取れない店舗やATMなどのネットワークは、時にライバルと手を組んででも合理化して減らす動き。一方で、次世代ATMを拡充しようとする取り組み。一見、正反対にも思えますが、銀行という業態そのものが多角化・多様化してボーダーレスになっていることを共に象徴するのかもしれません。
 
いずれにしても、銀行の店舗網やATMをどう使いこなすのか。利用する側の私たちにも、従来の価値観の転換や使いこなしのリテラシー向上が求められる時代が到来していることを実感させられます。
 
(出典)
 (※1)三菱UFJ銀行「ニュースリリース」2019年7月5日 「株式会社三井住友銀行との店舗外ATM共同利用開始について」
(※2)三井住友銀行「ニュースリリース」2019年7月5日 午後4時「株式会社三菱UFJ銀行との店舗外ATM共同利用開始について」
(※3)セブン銀行「ニュースリリース」2019年9月12日「次世代ATMを導入開始 顔認証、QRコード読取にも対応」
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士

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