マンションの老朽化問題。解決のカギになる定期借地権って?

配信日: 2019.10.14

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マンションの老朽化問題。解決のカギになる定期借地権って?
マイホームを建てて暮らしていくためには、まず土地を手に入れなければなりません。分譲マンションも例外ではありません。
 
分譲マンションの場合は、建物自体を区分所有(その場所だけ所有)し、廊下やエレベーターなどの共有部分はみんなで所有します。では、土地はどうなるのでしょうか?
 
福田昌也

執筆者:福田昌也(ふくだ まさや)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)、保護司

1972年大阪市浪速区生まれ。1996年沖縄に移住。
2007年にFPとして独立。ライフプランニングや保険証券分析、相続対策などの相談業務を手掛ける傍ら、年間100本以上の講演会やセミナーを開催。夜はミュージシャン(脱力クラブBAND)として活動。最近ではリタイアメントプランニングの一環として詩吟にハマっている。

一般的には土地は所有権

住民が所有権をもつ場合、マンションの大きな敷地はみんなで共有します。マンションは、セキュリティー面や立地条件で多くの場合とても魅力的ですが、廊下、エレベーター、そして大きな敷地を50年、いや100年後もみんなで共有する事実から目をそらしてはいけません。
 
30歳でマンションを購入すると、50年後、自分は80歳です。ローンは完済していますが、マンションも築50年。ずっと住み続けるだけでなく、50年の間に売却や相続、賃貸での貸し出しなどさまざまな変化があるかもしれません。
 
また、マンションの大規模修繕を考えなければなりません。管理会社は50年後もかわらず支えてくれているでしょうか? いや、老朽化が激しく、建て替えも視野に入れなければならないかもしれません。
 
みんなの意見がまとまって、それぞれの世帯がお金を出し合い、うまく建て替えられるのでしょうか? 「建て替えずにこのまま、終の棲家にしたい」と考える世帯の方が多いかもしれません。そもそもマンションを建ぺい率・容積率ともに限界まで使って建てている場合、部屋を増やして、新たな収益を生むこともできません。
 

後々のことを考慮する

築50年となると、マンションの管理組合の組合員も老いている可能性が高くなります。管理会社もずっと同じ会社が、建築当初と同じように丁寧に管理してくれるとは限りません。このような老朽化した建物を相続することになったらどうしますか? 
 
管理費、修繕積立金、固定資産税などは、永遠に続きます。子や孫は困りますね。
 

定期借地権の魅力は想像力を働かせて考えよう!

定期借地権の場合はどうでしょうか? まず一般の土地の所有権付き物件より、間違いなく価格が安いです。売る側からも「土地が定期借地権なんですよ……」と気弱な営業トークが最初に飛んできます。
 
私の周りのFPに「定期借地権って、どう思いますか?」と聞くと、「財産としての価値が感じられない」という答えが返ってくることもしばしばです。
 
いやいや、私はそうは思いません。定期借地権こそ、さきのマンション老朽化問題に明るい見通しをくれる素晴らしい契約形態だと考えます。
 

定期借地権とは?

簡単にいうと、ある一定の期間がきたら、マンションをみんなで壊して、更地にして、地主に土地を返すということです。
「えっ? せっかくのマンションを取り壊すなど考えられない!」と思う方も多いと思います。
 
人間の寿命が200年ほどあるなら、定期借地権では困りますが、一般的に定期借地権は50年や60年で設定します。晩婚化している昨今、住宅購入時期も後ろにずれています。仮に40歳で購入なら100歳まで安泰です。
 
私は、更地になる定期借地権の魅力がこれからますます上がっていくと信じて疑っていません。もちろん解体にむけての積立金も重要ですよ。
 
執筆者:福田昌也
一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)、保護司


 

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