更新日: 2020.03.31 その他暮らし

えっ?県警から突然の電話。その内容とは?

えっ?県警から突然の電話。その内容とは?
ある日のお昼前、もうすぐ還暦を迎えるAさんの固定電話が鳴りました。0120から始まるナンバーです。何かのセールスかな? と思いつつ電話に出てみると、なんと相手は「県警だ」と名乗るではありませんか!
 
新手の詐欺かもと思い、Aさんは身構えました。
 
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

岐阜県警察「安全・安心コールセンター」

電話の内容は、「岐阜市で詐欺被害が増えているので注意してほしい」というものでした。
 
詳しく説明しますというところで、電話を切ってしまったAさんでしたが、インターネットで調べると、岐阜県警のホームページにはニセ電話防止対策をしているとあり、発信番号は確かに表示されている番号でした。
 
この発信は、県警から委託された業者のオペレーターが行っています。県警が把握している被害対策世帯、そして電話帳にある世帯が対象です。
 
直接架電して、ニセ電話詐欺の被害防止と、交通事故への注意喚起を行います。ただ架電するだけで何が防げるの? という感じはありますが、少なくともオペレーターは架電時に相手の様子を知ることができるので、高齢者の見守りができます。そして、最近の詐欺にはどのような手口があるのか、直接注意を受ければ気をつけるようになるとのことです。
 
この「安全・安心コールセンター」は令和2年3月31日までの実施ですが、岐阜県警はその他にもニセ電話詐欺防止対策を行っています(岐阜県警では、「特殊詐欺」であるオレオレ詐欺・振り込め詐欺・架空請求詐欺のことを、イメージが湧きやすいように「ニセ電話詐欺」という名称に変更しています)。
 
・被害に遭うのは高齢者
・きっかけは電話から

 
普段から家族とコミュニケーションが取れていれば防げるということもあり、「岐阜県警『絆』作戦」として、家族と地域と警察の絆を深めることで、高齢者をニセ電話詐欺の被害から守ります。「週に一度は親や祖父母に連絡する」という活動を、県内企業の協力を得ながら行っています。
 
また、
(1)金融機関で、高齢者が高額の現金を引き出す場合に『全件通報』を実施
(2)コンビニエンスストアで、高額な電子マネーの購入、電子マネーの購入時に携帯電話を使用している、購入の仕方を質問する・使い方を質問する場合に『電子マネー通報』を実施

と、ニセ電話防止の対策がなされています。

キャッシュカードをだまし取る被害が

オレオレ詐欺・振り込め詐欺は、レターパックで現金を送らせる、プリペイドカードを買わせて番号を聞かれるなど、特殊詐欺の手口は変化します。
 
岐阜県警のホームページでは、現在(令和2年3月)、預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺等について注意喚起をしています。以下は、「ニセ電話詐欺防止対策」のページに掲載されている詐欺の一例です。
 
・市役所職員を名乗る人物からの電話があり、「保険料の還付金がある」「振り込むために取引がある銀行と暗証番号を教えてほしい」と言われ、その後、金融機関職員を名乗る人物が自宅に来て、「あなたの古いキャッシュカードでは振り込めないので、新しいものに交換する」と言ってキャッシュカードをだまし取る手口。
 
・「あなたの口座から不正引き出しがあった」「引き出しを止めるには暗証番号が必要」「キャッシュカードも確認したい」という電話の後に、警察官名乗る人物が自宅に来て、「この封筒に入れて厳重に管理したほうが良い。割り印をしてほしい」と言って、被害者が印鑑を取りに行っている間に、偽物のキャッシュカードが入った封筒にすり替える手口。

暗証番号は絶対に教えてはいけません

被害を防ぐポイントがいくつかあります。

■電話で「保険金の還付がある」と言われたら……『役所は文書』

納税や保険料の還付金がある場合は、役所から文書で送られてきます。計算された結果、還付となるので、還付金の根拠が添付されてきます。電話で連絡をしてくることは決してありません。

■振り込むには暗証番号が必要と言われたら……『教えない』

絶対に教えてはいけません。振り込むためには振込先の口座が分かれば良く、暗証番号は必要ありません。暗証番号は、キャッシュカードで口座からお金を出す時にしか使いません。

■あなたのキャッシュカードは古くて使えないと言われたら……『カードは絶対に渡さない、出さない』

金融機関を名乗る人物であったとしても、あなたのカードが使えるかどうかは絶対に分かりません。心配な場合は、その口座がある金融機関の「窓口」へ行って銀行員に聞いてみましょう。

■口座から不正引き出しがあったと電話があったら……『実際の店舗に聞く』

実際に取引のある店舗に問い合わせをします。口座の引き出しを止めるには、金融機関に電話し事情を説明すれば口座を凍結できます。その時にも暗証番号はいりません。
 
変だな、怪しいなと思ったら、県警の生活安全総務課や最寄りの警察署、警察安全相談室(#9110)へ相談しましょう。
 
(参照、引用)
岐阜県警察「ニセ電話詐欺防止対策」
岐阜県警察「警察安全相談」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者


 

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