どのぐらい伸びる?Web会議の普及と活用方法
配信日: 2020.04.07
このような状況の中、Web会議を利用する人が増えているのをご存じでしょうか。今回は、Web会議の利用方法について見ていきたいと思います。
執筆者:長崎元(ながさき はじめ)
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表
学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。
長崎元行政書士事務所 HP
https://www.office-hnagasaki.com/
そもそも、Web会議とは?
Web会議とは、パソコンやスマートフォン、タブレットを使い、遠くの人とリアルタイムに動画で会話をするためのシステムです。多くがインターネット回線を利用して行われます。
一般の方にとって利用しやすい方法としては、SkypeやZoom、Chatworkなどがこれにあたります。この他にも多くのWeb会議システムがあり、それぞれに特徴があります。
上で名前を挙げた3つのツールについて比較してみます。
Web会議はこう使う
表1のとおり、無料版を使う場合、複数人でWeb会議を行うことができなかったり、時間制限が設けられていたりする場合があります。また、Web会議を行う場合でも、単に参加するだけ(会議を設定する役回りではない)場合は、自身でプランを契約する必要がないこともあります。
まずは、「自分がWeb会議を設定するのか」「Web会議は1対1が主なのか」、それとも「グループが主なのか」といったWeb会議の目的を明確にし、それに沿ったツールやプランを選択すれば良いでしょう。
Web会議利用時の環境について
前述のとおり、多くのWeb会議はパソコンなどを用いて、インターネット環境を利用して行われます。その際の利用環境について、筆者の経験を踏まえ、メリット・デメリットを考えてみたいと思います。
■ヘッドセット推奨
パソコンやスマートフォンのマイクやスピーカーを使うことは可能ですが、パソコンやスマートフォンを、机・テーブルの上に置いて使うというケースが多いと思います。そのため、マイクからは多少離れることになるので、声が届きにくくなる可能性があります。
また、周囲の状況によっては、スピーカーの音声が聞き取りにくい場合があります。よって、ヘッドセット(イヤホンやヘッドホン、マイクが一体となったもの)を使ったほうがより快適に利用できます。
ヘッドセットは、Web会議のみに使うのであれば、性能にこだわる必要ないかと思います。安価なものでも十分利用できますが、接続端子にはご注意ください。せっかく買ったのに、パソコンに接続できないということがまれにあります。
■Wi-Fi環境推奨
Web会議をスマートフォンなどのデータ通信で行うと、会議を行っていた時間にもよりますが、相当量の通信となります。スマートフォン等の契約形態が“データ通信使い放題”のようなプランでない場合、Wi-Fiを利用することをお勧めします。また、あわせてバッテリーの準備もしたほうが良いでしょう。
一例ですが、筆者は2時間弱のWeb会議をスマートフォンで行い、フル充電から3分の1ほどまで減りました(スマートフォンの状態などにより異なります)。
■自宅で利用する際の背景
自宅などでWeb会議を利用する場合、相手に部屋の中を見られることに抵抗がある、という方はいると思います。そのようなとき、利用するWeb会議システムによっては、背景を編集する機能が付いています。
表1では、Skypeの“背景ぼかし”機能と、Zoomの“背景合成”機能がこれにあたります。これらの機能を活用すれば、お互いのプライバシーも守られます。
なお、Zoomの“背景合成”については、少し注意が必要です。使うと合成写真のようになり、本来の背景を隠すことができるのですが、背景と似た色は、同じように写真が合成されてしまうという点です。
テレビなどで次のようなことは見たことはないでしょうか?「緑色の背景に天気予報の図などを合成して表示する際に、出演者が緑色の服を着ていて、そこにも天気予報の図が表示されてしまった」これと同じことが起こります。
例えば、筆者の実例として、白い背景の中でバーチャル背景を利用したところ、背景は海の絵に変わりました。それと同時に、筆者が付けていたマスクにまで海の絵が映り込んでしまいました。背景とマスクの色が似ていたため、一緒に背景合成の対象となってしまったのだと思います。
ご自身の服と背景の色は、別系統の色にしておいたほうが良いでしょう。
背景については、ぼかしにしても合成にしても、どうしても不自然な感じにはなってしまうので、例えばビジネスの打ち合わせなどをする際には、事前に相手方の了承を得るなどの工夫が必要でしょう。友だちや社内メンバーとの間で利用するのが良いと思います。
最近は、Web会議を利用したセミナーや勉強会、懇親会なども行われています。Web 会議は、移動時間の削減など、今後のビジネスにも非常に有用なツールとなり得ます。
今回の自粛要請を機に利用数が伸びているWeb会議ですが、まだまだ活用の余地はあると思います。ただ、どの方法で始めるにしてもメリット・デメリットがありますので、並行して利用を始めるなどの工夫は必要でしょう。
Web会議には良い面が多くありますが、やはり、これまでの対面の会議と比べてしまうと、パソコンの使い方が分からない、最初の設定が煩わしいなどの問題があり、ついつい「次の機会に」となってしまいます。
まずは、次の打ち合わせを、思い切ってWeb会議に切り替えてみたり、使い方に慣れるために友だちや会社の同僚とWeb会議を試してみたりしてはいかがでしょうか?
外出や人と会うことが難しくなっている今だからこそ、ぜひ、皆さんも積極的に利用されることをお勧めします。
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表