更新日: 2020.04.08 子育て

【相談事例】教育資金はどう準備する? 学資保険と外貨建て保険のメリットと注意点

執筆者 : 下田幸彦

【相談事例】教育資金はどう準備する? 学資保険と外貨建て保険のメリットと注意点
子どもが生まれたので教育資金準備として学資保険を検討しています。毎月積立タイプだと返戻率が低くなるため、担当者から学資保険の全期前納プランと子ども名義の一時払い外貨建て終身保険を提案されています。気をつけるべきことはありますか?
 

下田幸彦

執筆者:下田幸彦(しもだゆきひこ)

ファイナンシャルプランナー(AFP)

ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー・証券外務員二種・FP事務所・青い森マネードクターズ 代表
 
青森県出身。大学卒業後IT企業に入社。金融系システム構築をきっかけにFP資格を取得。
 
保険ショップ店長、東証一部上場ハウスメーカー金融担当者を経て2016年独立。
 
10年にわたる保険業界と住宅業界の経験をもとに、保険などの金融商品を販売しない独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を重視した中立な立場のアドバイスを行っています。
 
個別相談を中心に企業や学校へのマネーセミナー、各メディアへのコラム執筆も担当。
 
FP事務所・青い森マネードクターズ公式運営サイト
「青森くらしのお金相談室」
http://aoimori-fp.com/
 
無料メールマガジン「お金の知恵・マネーチェ」
http://aoimori-fp.com/mlmglp
 

教育資金準備で大切なポイント

教育資金準備を行うために大切なポイントは、必要な時期に確実に準備できる「安全性」です。ご相談者さまは、お子さまの教育資金準備の手段として、学資保険の全期前納プランと一時払い外貨建て終身保険を提案されています。
 
どちらも貯蓄性があるので将来の教育資金準備に有効です。しかし、注意点もあります。今回は、教育資金を保険で準備するメリットと注意点についてお伝えします。

学資保険のメリットと注意点

学資保険は貯蓄性に加えて「保障機能」により、契約者が死亡・高度障害などの所定の状態になった場合に以降の保険料の支払いが免除されます。そのため、進学資金の確実な準備に向いています(保険料免除特約・特則が付加されている場合)。
 
貯蓄性については、保険料の支払い方法を月払いではなく、半年払いや年払いなどで支払い回数を少なくすることで支払総額を抑えられ、返戻率が高くなります。
 
ご相談者さまが提案された全期前納は、すべての期間の保険料を前払いする払い方です。仮に保険料免除特約(特則)付き学資保険を全期前納した場合、前納期間は毎年、生命保険料控除の対象となります。また、契約者が死亡すると以降の保険料は免除され、加えて未経過分の保険料が戻ります。
 
全期前納に似た払い方として「一時払い」があります。これは全期間の保険料を一括で支払う点で同じですが、生命保険料控除が保険料を支払った年のみ適用される点や契約者死亡時の保険料免除特約(特則)が付加できない点で異なり、保険料の支払総額は一時払いの方が一般的に安くなります。
 
もしご相談者さまが提案されたような全期前納プランの貯蓄性を高めたいなら、「保険料免除特約(特則)なし」とする方法もあります(保険会社によって取り扱いが異なる場合があります)。注意点は、短期間で解約をすると解約返戻金が支払総額を下回るケースが多いことです。

一時払い外貨建て保険のメリットと注意点

ご相談者さまが提案されたもう1つの商品が、一時払い外貨建て終身保険です。この商品は保険料も保険金も外貨での扱いとなります(実際は為替レートに応じた日本円での支払い、受け取りの場合が多いです)。
 
メリットは、高い予定利率によって少ない保険料で大きな保障を得られることです。さらに終身保険は貯蓄性があるため、解約返戻金は経過年数に応じて増えます。保険料も一時払いなので、定期的に支払う方法と比べて安くなります。
 
注意点は「為替リスク」です。為替リスクとは、為替の変動により日本円での受け取り金額が増減する可能性のことをいいます。保険金や解約返戻金の受け取り時に為替が円高のときは、日本円換算すると支払金額より受け取り金額が少なくなる場合があります。
 
外貨建て保険で資金準備をするときは、進学時期に為替が円高の場合も視野に入れて「円と外貨の両方で資金を準備する」などの計画でリスクを低くしてはいかがでしょうか。

まとめ

教育資金準備の方法に正解はありません。保険、貯蓄などそれぞれに特長があるので、メリットと注意点を確認しながらライフスタイルやお子さまの進学プランに合った教育資金準備の方法を選択してください。
 
執筆者:下田幸彦
ファイナンシャルプランナー(AFP)


 

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