「新幹線の指定席」に座ってたら“立ち乗りの子ども”が「座りたい!」と号泣…隣席の人に「譲ってあげたら?」と言われたけど、お金払ってるのに譲る必要あるんですか!? 安易な同情が招く“トラブル”とは

配信日:
この記事は約 3 分で読めます。
「新幹線の指定席」に座ってたら“立ち乗りの子ども”が「座りたい!」と号泣…隣席の人に「譲ってあげたら?」と言われたけど、お金払ってるのに譲る必要あるんですか!? 安易な同情が招く“トラブル”とは
先日SNSで、新幹線の指定席に座っていたら泣いている子どもに席を求められ、となりの乗客から「譲ってあげたら?」と声をかけられたという投稿が、大きな話題になりました。お金を払って確保した指定席を、子どもが泣いているという理由で明け渡す必要があるのかどうか、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、自由席と指定席の料金差額の確認から、子どもが泣いていた際の対応の正解や、安易に席を譲ることで生じうるトラブルのリスクまでを解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

自由席と指定席の料金はどのくらい違う?

新幹線の指定席と自由席の差額は、基本的に530円です(通常期)。閑散期は330円、繁忙期は730円、最繁忙期は930円と、乗車する時期によって変動します。注目したいのは、530円という差額が乗車距離に関わらず一定に設定されている点です。東京から名古屋でも、東京から博多でも、基本の差額は変わりません。
 
ただし、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」と「みずほ」については、指定席のみ加算料金が別途かかります。東京〜新大阪間の場合、「のぞみ」の指定席と自由席の差額は850円にのぼります。
 
さらに、最繁忙期(ゴールデンウィーク・お盆・年末年始など)には400円増しになるため、「のぞみ」利用時の差額は最大1990円に達する区間もあります。指定席の購入には、時期や列車の種類によって相応のコストがかかっています。
 

子どもが泣いていたら指定席は譲るべきなの?

結論から言えば、指定席を譲る義務はまったくありません。指定席は購入者が対価を支払って得た権利であり、ほかの乗客が権利行使を非難したり譲るよう強く求めたりするのは権利の侵害ともいえます。
 
そもそも新幹線では、座席が必要な場合に、事前に指定席を予約するという選択肢が用意されています。そのため、通常の電車の優先席のように「必要な人がいれば譲るべき」という前提で考えるのではなく、指定席では購入者の利用権が優先されると考えるのが自然です。
 
子ども連れの親が事前に指定席を手配しなかった結果として生じた状況に対して、すでに指定席を購入していた乗客が配慮を求められるのは、筋が通っているとは言えません。
 
また、となりの乗客からの「譲ってあげたら?」という声かけは、あくまでも個人の意見に過ぎず、強制力はありません。善意で席を譲るのは個人の自由ですが、それはあくまでも本人の意思によるものであり、「譲って当然」という空気をつくるのは適切とは言えません。
 

席を譲ることで思わぬトラブルになる可能性も。正しい対応は?

指定席は、対価を支払って特定の座席を確保した人に与えられる正当な権利です。善意で席を譲ること自体は個人の自由ですが、安易に譲ってしまうと思わぬトラブルに発展するリスクもあります。
 
例えば、「少しの間だけ」という約束で譲ったのに返してもらえなくなったり、車掌による車内改札の際、指定席券を持たない乗客が座っていることで説明を求められたりするケースが考えられます。当事者間での座席のやり取りは、結果として余計な混乱を招きかねません。
 
もし子ども連れの親がどうしても座席を必要としている状況であれば、周囲の乗客に席を譲るよう求めるのではなく、車掌に相談するのが本来の正しい対応です。自由席が満席の場合でも、車内の状況に応じて車掌の判断で適切な案内が行われることがあります。
 
購入者には、確保した指定席を最後まで使い続ける権利があります。となりの乗客など周囲からプレッシャーをかけられても、毅然とした態度で「乗務員にご相談ください」と促すことが、トラブルを防ぐ上でもベストな選択と言えます。
 

まとめ

新幹線の指定席と自由席の差額は通常期で530円が基本ですが、「のぞみ」利用時や最繁忙期には最大1990円に達する区間もあります。お金を払って確保した指定席を、子どもが泣いているという理由でほかの乗客から求められても、譲る義務はまったくありません。
 
新幹線には優先席の設定がなく、座席が必要なら事前に予約するのが大原則です。また、当事者間での安易な座席の譲り合いは、車内での思わぬトラブルを招く可能性もあります。座席に関する問題は当事者間で解決しようとせず、乗務員に対応を任せるのが鉄則であり、無理に譲る必要はありません。
 
「お金を払っているのに」という疑問は、権利として正当です。同じような状況に置かれたときは、正しい知識を持ち、自信を持って対処してください。
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

  • line
  • hatebu