新型コロナウイルスで正社員の13%以上が「テレワーク」に!家計への影響と対策は?
配信日: 2020.04.24
今年の3月に全国の正社員2万人規模で実施したある調査によると、新型コロナウイルス対策としてテレワークを行う人は13.2%、推計360万人にのぼることが分かりました。
今回は、このテレワークによる家計への影響と、その対策についてしっかりお伝えしたいと思います。
「テレワーク」とは?
テレワークと聞くと在宅勤務のイメージが強い人も多いかもしれませんが、情報通信機器を活用した場所や時間にとらわれない働き方を指し、大きく分けて「在宅勤務」、「サテライトオフィス勤務」、「モバイルワーク」の3つの形態があります。
育児や介護などで一般的なオフィス勤務が難しい人も働くことができ、また働き方改革実現の切り札として、ワークライフバランスの実現や労働力人口の確保、地域の活性化、企業にとっては業務の効率化などのさまざまな効果が期待され、国も推奨してきた働き方がこのテレワークです。
正社員の13%以上がテレワークへ移行
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:渋谷和久)が新型コロナウイルスによるテレワークへの影響について、2020年3月9日~15日に全国の正社員2万人規模の緊急調査を実施しました。
その調査から、「正社員におけるテレワーク(在宅勤務)の実施率は13.2%、そのうち現在の会社で初めてテレワークを実施した人は半数近い47.8%となった」ことが分かりました。
これは国勢調査(平成27年の調査では20~59歳男女の正社員は約2726万人)をもとに推計すると、約360万人の正社員がテレワークを行い、そのうち約170万人が初めての実施ということになります。4月現在では、その数はもっと増えているかもしれないですね。
家計の影響は?
今回の新型コロナウイルス対策として初めてテレワークを行っている人が多いことが分かりましたが、家計にはどのような影響があるのでしょうか。在宅勤務の場合を中心に見ていきたいと思います。
まずはこれまでよりも支出が減り、家計にとってプラスとなったものとして次のようなことが考えられます。
・スーツなどの被服費やクリーニング代が減った
・仕事中のランチ代やコーヒー代、仕事帰りの付き合いによる飲食代が減った
逆に、家計にマイナスとなったのはどういったことが考えられるでしょうか。
・自宅で過ごす時間が増えたため、照明器具、パソコン、エアコンなど冷暖房器具の光熱費が増えた
・トイレや自宅での炊事の回数が増え、水道費が増えた
・職場によっては残業代が認められず、収入が減った
・通信費やコピー用紙、文具代などがかかるようになった
他にも、最近テレワークを行うようになった人の何人かに聞いてみたところ、「仕事帰りにコンビニに寄る習慣があったが、在宅ワークになり、無駄な買い物をしないで済むようになった」という声もありました。
対策は?
1. 家計簿を見直し、改善する
対策として、テレワークを行う前の数ヶ月分と現在の家計簿とを比較し、項目ごとの増減と全体の収支にどのような変化があるかを把握しましょう。
1つ1つの項目だけでなく、全体の収支のバランスを見ながら家計を見直すことが必要ですが、以前に比べて全体の支出が増えていれば、まずは増えてしまった項目の中で節約できることがないか考えます。例えば、光熱費であれば次のような小さなことから心がけてみましょう。
・日中はできるだけ日当たりが良い部屋で仕事をする
明るく暖かい部屋であれば、光熱費や暖房費をかけずに済みます。仕事はできるだけ明るいうちに終わらせる、と決めて集中するのもいいかもしれません。
・パソコンを使わないときはスリープモードにする
パソコンは起動するときに最も電力を消費します。短時間であれば使わないときでもシャットダウンはせず、スリープモードにして節電しましょう。
2. 節約できることから検討する
節約が難しい項目については無理をせず、他の項目を減らせないか考えてみましょう。
・小遣いや外食費を減らす
テレワークで自宅にいる時間が増えれば外でお金を使う機会も減るはずですし、自炊が増えれば外食も少なくなります。
・固定費を減らす
例えば新聞、雑誌の定期購読や、スポーツクラブの会員費、子どもの習い事などが見直しの候補になります。
3. 勤務先の費用負担を確認しておく
通信費のほか、コピー用紙や文具などの備品代については、勤務先からテレワーク勤務手当などとして一律に支給されるのが一般的だと思います。対象となるものを確認し、できるだけ支給額の範囲内に収めて仕事をすることを心がけましょう。
4. テレワーク中のけがは労災として報告する
普段の通勤時や就業中にけがをした場合と同じように、もしテレワーク中にけがなどをすれば労災が適用されることを知っておきましょう。例えば、在宅勤務中にトイレに行こうと席を立った際に転倒してひどいけがをしてしまった、などという場合は労災にあたります。
まとめ
今回はテレワーク、特に在宅ワークの家計への影響と対策についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大については一日も早く収束することを願ってやみませんが、テレワークのような働き方については、これを機にますます日本社会に浸透していくといわれています。
まずはご自身の家計をしっかりチェックすることから始め、今後も工夫してテレワークを継続しながら家計も守っていきたいですね。
出典・参考
総務省 「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」
パーソル総合研究所 「新型コロナによるテレワークへの影響について、全国2万人規模の緊急調査結果を発表 急増するテレワーク。正社員の13.2%(推計360万人)がテレワークを実施」
執筆者:藤丸史果
ファイナンシャルプランナー