更新日: 2020.04.27 その他暮らし

新型コロナの影響で住宅確保給付金の支給範囲が拡大。収入が大きく減ってしまった方も対象に!

執筆者 : 柘植輝

新型コロナの影響で住宅確保給付金の支給範囲が拡大。収入が大きく減ってしまった方も対象に!
新型コロナウイルスの影響により住宅確保給付金の内容が緩和され、対象となる人の範囲が拡大しました。この内容を少しでも多くの方に知っていただけるよう住宅確保給付金についてFPが徹底的に解説します。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

住宅確保給付金とは

住宅確保給付金とは、離職や廃業、休業などによる収入減少(以下、離職等といいます。)により経済的に困窮し、住居を失った、またはそのおそれのある方に一定の範囲で家賃相当分を支給し、安定した住居と就労の機会を支援する制度です。
 
2020年4月20日からは、新型コロナウイルスの影響により要件が緩和されており、より多くの方の生活の助けとなることが想定されています。

住宅確保給付金の対象となるのはどんな人?

住宅確保給付金の対象となるのは次の条件すべてに該当する人です。フリーランスはもちろん派遣やアルバイトなどいわゆる非正規雇用の方も対象となります。
 
(1)経済的に困窮しており家賃の支払いが困難で、住居を失っているまたは失うおそれがある。
(2)申請日の時点で離職や廃業の日から2年以内である、または本人の都合によらずに収入が減少し、離職や廃業と同程度の状況にある。
(3)離職等の前に主たる生計維持者であった。(離職前には主たる生計維持者ではなかったが、一定の理由によって申請時には主たる生計維持者となっている場合も含む)
(4)申請日の属する月において申請者および申請者と同一の世帯に属する者の収入(児童手当や年金など公的給付を含む)の合計が一定額以下である。
※上限金額は世帯人数と自治体によって異なります。参考までに東京都多摩市においては【表1】のようになっています。
 
【表1】


(多摩市HPより筆者が作成)
 
(5)申請日において申請者および申請者と同一の世帯に属する者の所有する金融資産の合計額が一定の金額以下である。
※(4)と同様に自治体と世帯人数によって異なります。東京都多摩市においては【表2】のようになっています。
 
【表2】

(多摩市HPより筆者が作成)
 
(6)ハローワークに求職の申込みをし、求職活動を行うこと。
※離職している場合のみ。
 
なお、新型コロナウイルス感染症の状況によりインターネットでの仮登録でも可とされています。
(7)職業訓練受講給付金やその他自治体等が実施する類似の給付を申請者および申請者と同一の世帯に属する者が受けていないこと。
(8)申請者および申請者と同一の世帯に属する者が暴力団員でないこと。

住宅確保給付金の支給額は?

毎月家賃相当額(管理費共益費などは除く)を上限に、申請月の翌月分から直接貸主の口座に振り込まれます。世帯人数により支給される家賃額に上限があります【表3】。
 
【表3】


(多摩市HPより筆者が作成)
 
なお、収入によっては支給額を一部減額されることがあります。詳細についてはお住いの自治体へお問い合わせください。

支給期間は?

支給期間は3ヶ月が原則です。ただし、引き続き受給要件に該当する場合は延長の申請をすることで3ヶ月ずつ、最大9ヶ月まで延長することができます。

住宅確保給付金の手続きはどこでする? 申請に必要な書類は

住宅確保給付金の手続きはお住いの自治体の市区町村役場にて行います。申請に必要な書類は申請する方の状況によって異なります。
 
新型コロナウイルスの影響も踏まえ、自治体によっては事前に電話相談が必要になっているところもあります。住宅確保給付金の申請を希望される場合、まずはお住いの市区町村役場へお問い合わせください。

新型コロナウイルスの影響については市区町村役場へ相談を

新型コロナウイルスの影響により住宅確保給付金の支給対象となる範囲が拡大しました。離職にまで至っていなくとも、収入が減少してしまったことで住居を失ってしまったり、そのおそれがある場合は速やかにお住いの市区町村役場へ相談するようにしてください。
 
[出典]
厚生労働省「新型コロナウイルスに関連した生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金の活用について」(令和2年3月9日)
厚生労働省「住居確保給付金について」
厚生労働省「住居確保給付金のご案内 令和2年4月20日から対象者が拡がります」
多摩市「生活にお困りの方へ」
多摩市「住居確保給付金のご案内」
 
執筆者:柘植輝
行政書士