新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金とは
配信日: 2020.05.03
ヨーロッパやアメリカでは大変なことになっているようです。日本でも国民の社会生活が抑制され企業活動にも大きな影響が出ているようで、近々“非常事態宣言”が出されるのではないかといわれております。
教育機関の休業が続くなか、小学校などに通う子供の保護者が会社を休む必要が生じた場合の助成金として、事業主向けの助成制度が創設されています。本制度はあくまで事業主向けの制度ですが、被雇用者もよく理解して会社に確認する必要があると考えます。
執筆者:内宮慶之(うちみや よしゆき)
内宮慶之FP事務所代表
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング技能士1級
会計事務所では、税務会計コンサルティングの他、資産税や相続事業承継の経験も豊富。
現在、相続及びライフプラン全般における相談業務、講演、執筆、非常勤講師などの業務を中心に活動している。高等学校での講演も多く金融経済教育にも尽力している。
平成30年度日本FP協会『くらしとお金の相談室』相談員、大阪市立住まい情報センター専門家相談員、修学支援アドバイザー(大阪府教育委員会)にも就任している。
小学校休業等対応助成金
令和2年2月27日から3月31日までの間に、新型コロナウイルス感染症の影響による小学校などの臨時休業などに伴い、その小学校などに通う子供の世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主に対する助成金制度です。
[創設の趣旨]
事業主が本助成金を活用して、年休の有無にかかわらず保護者が希望に応じて有給休暇を利用できるよう、労働環境を整えるようにすること。
[助成内容]
有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額×10/10
対象労働者の日額換算賃金額(※)×有給休暇の日数
※通常の賃金を日額換算したもの(8330円を超える場合は8330円)
[申請期間]
令和2年3月18日から6月30日まで
※(1)雇用保険被保険者用と(2)雇用保険被保険者以外の2種類の様式があります。
※申請は、事業所単位ではなく法人ごとの申請となります。
(出典:厚生労働省・都道府県労働局より)
詳細な支給要件や具体的な手続きなどは厚生労働省ホームページで確認してください。申請書は厚生労働省ホームページから印刷可能です。
定義など
[小学校等]
・小学校、義務教育学校の前期課程、各種学校(幼稚園又は小学校の課程に類する課程を置くものに限る)、特別支援学校(全ての部)
※障害のある子どもについては、中学校、義務教育学校の後期課程、高等学校、各種学校(高等学校までの課程に類する課程)等も含む。
・放課後児童クラブ、放課後等デイサービス
・幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、家庭的保育事業等、子どもの一時的な預かり等を行う事業、障害児の通所支援を行う施設等
[対象となる保護者]
・親権者、未成年後見人、その他の者(里親、祖父母など)で、子どもを現に監護する者が対象となります。
・上記のほか、各事業主が有給休暇の対象とする場合は、子どもの世話を一時的に補助する親族も含みます。
[対象となる有給休暇の範囲]
●春休み、土日・祝日に取得した休暇の取り扱い
・学校:学校の元々の休日以外の日(※春休みや日曜日など元々休みの日は対象外)
・その他の施設(放課後児童クラブなど):本来施設が利用可能な日
※新型コロナウイルスに感染した、または風邪症状など感染したおそれのある、小学校等に通う子供にかかわる休暇の対象は学校の春休みなどにかかわらず、令和2年2月27日から3月31日までの期間は対象となります。
●半日単位・時間単位の休暇も対象となります
※勤務時間短縮は所定労働時間自体の短縮措置であり、休暇とは異なるため対象外です。
●就業規定等における規定の有無
就業規則等が整備されていない場合でも、要件に該当する休暇を付与した場合は対象となります。
●年次有給休暇や欠勤、勤務時間短縮を、事後的に特別休暇に振り替えた場合の扱い
対象となりますが、労働者本人の同意が必要です。
(出典:厚生労働省・都道府県労働局より)
まとめ
事業主向けに創設された“小学校休業等対応助成金制度”について解説しました。この大変な状況のなか、企業も生活者もたいへんな苦労を強いられていることでしょう。資金難に陥る危険性は低くないかもしれません。
会社にしっかり確認して、利用できる制度はしっかり利用して、この困難を切り抜けたいですね。
[出典]
厚生労働省・都道府県労働局「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します」
執筆者:内宮慶之
内宮慶之FP事務所代表
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング