更新日: 2020.05.10 子育て
新型コロナの影響で収入が激減。小中学校の教育費が負担になったら就学援助を活用しよう
一方、保護者の中には休業などで収入が激減し、子どもを小中学校に就学させるのに必要な学用品費等の支払いが厳しくなった方もいるかもしれません。
これらの費用を補助する就学援助をぜひ活用しましょう。就学援助は、今回のような新型コロナウイルス感染症の影響によって家計が急変したときは随時申請が可能です。
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/
就学援助制度とは
義務教育の小中学校では授業料と教科書は無料です。
しかし、小中学校では、その他にも、学用品費・体育実技用具費・新入学児童生徒学用品費等・通学用品費・通学費・修学旅行費・校外活動費・医療費・学校給食費・クラブ活動費・生徒会費・PTA会費・卒業アルバム代等、さまざまな費用がかかります。
就学援助は生活保護世帯(要保護世帯)、またはそれに準ずる程度に経済的に困窮している世帯(準要保護世帯)に対し、子どもの学習に必要なこれらの費用を援助する制度です。
準要保護世帯は自治体によって異なり、住民税非課税世帯や児童扶養手当支給世帯、収入が生活保護基準の1.5倍以下などです。例えば、横浜市では4人世帯の場合、世帯年収の目安(平成31年度)497万円以下の世帯が対象です。
平成30年度就学援助対象者数は、137万4897人。就学援助率は14.72%(公立学校児童生徒数に占める割合)、つまり、7人に1人が就学援助を利用しています。
補助対象品目と金額は国が基準を定めていますが、自治体によって補助対象品目と金額は違いがあります。詳細は、学校や教育委員会にお問い合わせください。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴う就学援助制度の取り扱いについて
新型コロナウイルス感染症の影響で、休業、離職、会社の倒産、売上の減少等により収入が著しく減少(家計急変)し、授業料等の支払いが困難となった方等について通知が出されました(令和2年3月24日付元文科初第1780号文部科学事務次官通知)。就学援助については以下の通知が出されました。
●就学援助等に関すること
入学や新学期開始に際し、就学援助等の認定および学用品費、学校給食費等の支給について、以下の点に配慮すること。
・家庭や学校の状況等により、やむを得ず市町村等における申請期日までに申請書の提出が難しい場合には申請期間を延長するなど、可能な限り柔軟な対応を行うこと。また、新型コロナウイルス感染症の影響等により家計が急変し、年度の途中において認定を必要とする者については、速やかに認定し、必要な援助を行うこと。
・なお、必要に応じて、国立学校および私立学校に通う者についても上記に準じて取り扱うこと。
この通知を受け、例えば、船橋市では、就学援助の申請は原則として「申請の属する月を認定月とする」としているところ、「5月末までに申請(学校へ提出)された場合、4月認定する」と運用を変更しています。就学援助の受給を希望される方はまずは申請しましょう。
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー