更新日: 2020.07.04 その他暮らし

新型コロナウイルスで増える消費者トラブル どんな問題が起きているの?

執筆者 : 下中英恵

新型コロナウイルスで増える消費者トラブル どんな問題が起きているの?
新型コロナウイルスの影響で経済的に苦しい毎日を送る人々のために、国のさまざまな補償制度が用意されていますが、最近では、このような制度を悪用した詐欺事件が発生しています。
 
今回は、新型コロナウイルスに関連した詐欺は、どのような手口なのか、また自分が騙されないためにはどのようにしたら良いのか、一緒に確認していきましょう。
 
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

こんな詐欺には要注意

まずは、どのような詐欺事件が起きているのか、事例をチェックしていきます。
 
独立行政法人国民生活センター(※1)によると、新型コロナウイルスに便乗して悪質な勧誘を行う業者や、保健所の職員を名乗る者からの電話などが増えているようです。
 
例えば、80歳代の女性のところには、自宅の固定電話に中央省庁を名乗る者から電話があり、マスク2枚と新型コロナウイルスの検査キットを送ると言われました。家族構成やかかりつけの病院を聞かれたということです。
 
また、別の80歳代の女性のところには、「新型コロナウイルスの感染を防ぐために、行政から委託を受けて消毒に回っている」や、「新型コロナウイルス感染防止のパンフレットを持参したい」と電話がかかってきました。
 
基本的に、行政機関から突然電話がかかってくることはありません。
 
また、業者が家に来訪してしまうと、高額な商品やサービスを勧誘される可能性があります。電話の内容に不審な点があったり、怪しいと思った場合には、行政機関名や連絡先を聞き出し、一度電話を切って確認することが大切です。
 

正しい情報を確認しよう

さらに、悪質な詐欺事件に巻き込まれないようにするためには、正しい情報をチェックしておくことも重要となります。例えば、個人に10万円が給付される「特別定額給付金」という制度があります。
 
申請を行えば基本的に全ての国民が一律10万円を受け取ることができるので、関心が高い方も多いでしょう
 
この特別定額給付金は、郵送やマイナンバーを使って申請を行います。メールなどが送られてきて、記載されたURLにアクセスして金融機関の口座番号を入力するようなことや、電話で直接口座番号を伝えるという申請方法はありません。
 
給付金の正しい申請方法を確認しておけば、悪質な電話やメールがきた際にも、「おかしいな」と気がつくことができます。各省庁のホームページやチラシなどで、チェックしておくと安心ですね。なお、特別定額給付金の詳細については総務省の特設ページ(※2)を確認しましょう。
 

おかしいなと思ったら……新型コロナウイルス関連の相談先

最後に、新型コロナウイルスに関連した詐欺事件の相談窓口についてご紹介します。
 
行政機関を名乗るものや、知らない業者から電話やメールなどがかかってきて、不審な点があった場合、国民生活センターに相談するようにしましょう。
 
国民生活センターでは、「新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン」が開設されており、フリーダイヤルで消費者トラブルについての相談をすることができます。ぜひ活用してみましょう。
 
<新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン>
相談受付時間
午前10時~午後4時(土曜、日曜、祝日を含む)
 
相談特設番号(フリーダイヤル)
0120-213-188
 
いかがだったでしょうか。日頃から、「オレオレ詐欺」のような悪質な手口に注意している方は多いと思いますが、新型コロナウイルスによる日常の混乱に紛れて、新たな手口による詐欺が発生しています。
 
自分の親など、高齢の家族については、特に気にかけてあげることが大切ですね。今回ご紹介した内容を参考にしながら、今後も悪質な詐欺に騙されないようにしっかりと注意していきましょう。
 
出典・参考
(※1)独立行政法人国民生活センター 新型コロナウイルス感染症関連
(※2)総務省 特別定額給付金
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者


 

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