更新日: 2020.08.12 その他暮らし

テレワークで考える。通勤時間とあなたの時給

執筆者 : 下中英恵

テレワークで考える。通勤時間とあなたの時給
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、自宅で仕事を行うテレワークが普及しています。都市部など、毎日片道1時間くらいかけて通勤していた方々にとっては、時間的にも大きな余裕が生まれたのではないでしょうか。
 
今回は、テレワークで生まれた時間を有効に活用する方法を考えてみましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

機会費用という考え方

みな皆さんは「機会費用」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。時間は「もの」ではないので、市場で売り買いすることができませんが、私たちは自分の時間を使って、新しいものやサービスを生み出すことができます。つまり、時間は有限で、大きな価値があるものなのです。経済学の世界では、あなたの時間をお金に換算した値を「機会費用」と呼んでいます。
 
機会費用を考える場合、アルバイトやパートなどの時給を思い出してみると分かりやすいでしょう。例えば、時給5000円の人にとっての機会費用は、1時間5000円の価値があるものと考えることができます。一方、時給1000円の人の場合、1時間の価値は1000円となるので、5000円の人に比べると、機会費用が安いということになります。
 

通勤時間を有効に活用する方法

アットホーム株式会社が行った調査(※)によると、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で、賃貸で一人暮らしをしていて、電車で都内に通勤している20代から30代会社員の通勤時間は平均47分となっています。都心では一人暮らしに限らず家族で暮らしている場合でも、会社からは少し離れた場所に住み、通勤に片道1時間近くかかっている方は多いのではないでしょうか。
 
実際のところ、通勤時間中は会社で働いているわけではないので、時給は発生せず、お給与はもらえません。しかし、先程ご説明した経済学の「機会費用」では、この往復2時間という通勤時間は働いている時間と同様に、価値があるものと考えられるのです。
 

通勤時間の有効活用

アットホーム株式会社が行った調査(※)によると、通勤中、電車の中での過ごし方は、以下のとおりとなっています。
 
1位 音楽を聴く 64.5%
2位 ネットサーフィン 48.6%
3位 ニュースサイトを見る 47.2%
 
「SNS」は、20代女性が62.1%と高くなっており、「勉強」は、20代男性が13.6%という結果になっています。
 
電車での通勤時間は座席に座れなかったり、混雑していたり、思うように読書や勉強ができないケースも多いでしょう。スマートフォンを使って、新聞やニュースをチェックする人がいる一方で、特に目的もなくSNSやネットサーフィンに時間を使ってしまっている人もいるかもしれません。
 
今回の新型コロナウイルスの影響で、仕事のテレワーク化が進み、通勤時間が減ったという方は、この貴重な時間の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。専門知識の勉強や、読書などの自己投資はもちろん、外に出てジョギングをしたり、健康な体作りに取り組むのも良いでしょう。元気な体こそ、将来にわたり長く働き続けるために、最も大切な資本の1つです。
 
さらに、今までの通勤時間を利用して、副業に挑戦するという方法もあります。1日2時間程度でも、自分の知識を利用して記事を書くライターの仕事やWebデザインを行う仕事など、自宅でスタートできるものも多くあります。いくつかの仕事を持つという副業は、本業の仕事がうまくいかなくなったり、経済が悪化した場合、有効なリスクヘッジになります。ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
 
新型コロナウイルスにより、不自由な生活を強いられている方は大勢いらっしゃいます。これからも、感染拡大を防ぐための生活様式を取り入れていかなければなりませんが、せっかくなので何か新しいことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。まずは今回ご紹介した内容を参考にしながら、あなたの貴重な時間を価値あるものに活用することから始めてみましょう。
 
[出典]
(※)アットホーム株式会社「 都内勤務20~30代賃貸一人暮らし会社員の『電車通勤実態』調査」(2018年6月13日)
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者


 

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