更新日: 2020.11.19 その他暮らし

車両盗難や車上ねらいに遭いやすい車種は?家計を守るための対策方法

執筆者 : 松浦建二

車両盗難や車上ねらいに遭いやすい車種は?家計を守るための対策方法
いつの時代も、自動車を盗んだり荒らしたりする悪い人はいます。もしマイカーが被害に遭ってしまったら、経済的な損失や精神的なショックは相当なものです。できる限り被害に遭わないようにするために、被害に遭いやすい車種を調べてみました。自動車を購入する時は参考にしてみてください。
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

車両本体の盗難で特に狙われているのはランドクルーザーとプリウス

日本損害保険協会が毎年実施している「自動車盗難事故実態調査」の結果から、車両本体の盗難件数が多い車種をグラフにしてみました。
 
この調査は各年11月1日から30日(直近の第21回調査は2019年11月ではなく2020年2月に実施)までの1カ月間の調査で、件数は保険会社が保険金を払った件数なので、盗難被害件数と一致しているとは限りません。
 
月によって件数に変動は当然あり、グラフに載せた車種は他の車種に比べて被害に遭う確率が高いだけで、他の車種が被害に遭っていないわけではありません。


 
2020年2月の1カ月間で、車両本体の盗難件数は232件となっています。グラフは、その内訳を比率で表していて、最も多く被害に遭っているのはランドクルーザー(トヨタ)で構成比は18.1%にもなります。約5台に1台の割合なので、盗む側からみたら超人気車種といえます。
 
2番目は僅差でプリウス、3番目以降はレクサス(LX)、アルファード、レクサス(LS)、ヴェルファイア、レクサス(RX)、ハイエースの順で、ここまでの8車種で全体の7割(70.3%)を占めています。
 
そして、ここまでの8車種はすべてトヨタの自動車です。グラフに載っている14車種では他にレクサス(GS)、クラウン、ハリアーもトヨタ車なので、実に14社中11車種がトヨタ車となっています。トヨタの車は耐久性やメンテナンスのしやすさ、ブランド力等が優れているので、盗んだ後に、高く売りやすい事情があるようです。
 

自動車の車上ねらいもトヨタ車が多く被害に遭っている

次に、車上ねらいの被害に遭っている車種も多い順にグラフにしてみました。


 
車両本体の盗難のグラフと同様に、件数(構成比)の多い順に14車種まで車種名を入れてあります。車両本体の盗難のグラフとは、14車種の占める割合が明らかに違います。車両本体の盗難では、14車種で全体の8割(79.7%)にもなりましたが、車上ねらいでは14車種で占める割合は4割(40.6%)しかありません。
 
車種別で最も多く被害に遭っているのはプリウス(トヨタ)で、2番目以降がクラウン、ランドクルーザー、ヴェルファイア、ハイエースと、車上ねらいでもトヨタの車が並んでいます。
 
ただ、6番目以降にはN-BOX(ホンダ)やインプレッサ(スバル)等、トヨタ車以外も6車種入っていて、軽自動車も含まれています。また、トヨタでも高級車のレクサス車はあまり車上ねらいに遭っていません。
 

家計を守るための対策方法

日本損害保険協会の「自動車盗難事故実態調査」から、車両本体の盗難と車上ねらいの被害に遭いやすい車種を紹介しました。これらの内容からは次のことがいえます。
 
●車両本体の盗難はトヨタの高級車を中心に狙われている。
●車上ねらいは特定の車種が狙われているわけではない。
 
つまり、愛車が盗難に遭わないようにするには、トヨタ以外の自動車に乗るのがよいともいえます。しかし、そうはいってもトヨタ車を購入したい人は多いでしょうから、できる対策としてはなるべくグラフに載っていないトヨタ車を選ぶことくらいでしょうか。
 
車上ねらいに関しては車種がかなり分散しているので、車種選びで対策を講じるとしたら、レクサスを選ぶと効果があるかもしれません。
 
ちなみに、車上ねらいで何を盗まれているかというと、多い順に「金銭・カード(ETCカードを除く)」「タイヤ・ホイール」「外装部品(バンパー・ドアミラー等)」「バッグ類」「カーナビ」となっています。
 
そのため、車内に金銭やカード、バッグ類等を置いておかないことがとても大事といえます。他は以前の記事で書いたように、駐車場は屋内にすることが効果的な防止策といえます。
 
そして、家計に大きなダメージを与える可能性を極力排除するために、適切な補償内容の自動車保険に加入して、万が一被害に遭った時でも保険金を受け取れるようにしておきましょう。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者


 

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