更新日: 2021.03.16 その他暮らし

新型コロナ等で生活が苦しくなった学生さんへ。緊急時の奨学金を検討しよう

新型コロナ等で生活が苦しくなった学生さんへ。緊急時の奨学金を検討しよう
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で「親が失業した」「アルバイトができなくなった」など、家計状況が急変して困っている学生の方もいるでしょう。お金が原因で卒業をあきらめる、ということがないよう、緊急時に利用できる奨学金制度について理解を深めておきましょう。
馬場愛梨

執筆者:馬場愛梨(ばばえり)

ばばえりFP事務所 代表

自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。

過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。

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緊急時の奨学金制度とは?

多くの学生が利用する奨学金制度を運営している「日本学生支援機構」では、新型コロナウイルスの影響で家計が急変した方や、親の失業、病気、地震や台風などの災害等で収入が減って困っている方向けに、緊急時の奨学金を用意しています。
 

■給付奨学金(家計急変)

給付奨学金とは、返済の必要がない「もらえるお金」です。通常の奨学金は春と秋だけ応募できるのですが、「家計が急変した人」に限っては一年中いつでも応募できます。
 
受け取れる金額は、通っている学校(大学/短大/専修学校/専門学校/高専、国公立/私立)や、自宅通学かひとり人暮らしか、学生自身と親の収入などによって異なりますが、月額1万~7万円程度です。
 

■第一種奨学金(緊急採用)

第一種奨学金は、無利息でお金を借りられる制度です。これも、家計が急変してお金が必要になった場合は、「緊急採用」として通常の申込時期と関係なく申し込むことができます。給付奨学金と違って、大学院生も利用できます。借りられる金額は、月額1万~12万円程度です。
 

■第二種奨学金(応急採用)

第二種奨学金もお金を借りられる制度ですが、こちらは利息がかかります。家計急変時は「応急採用」として通年で申し込めるようになっています。月額2万~最大22万円まで借りられます。
 
利用する側にとって有利なのは「給付型>第一種>第二種」の順ですが、有利な制度ほど利用できる人の条件が厳しくなっています。
 

■緊急特別無利子貸与型奨学金

前述の3つの奨学金と違い、新型コロナウイルスの影響を受けた家庭に特化した奨学金です。第二種奨学金と同等の内容ですが、貸与始期は2020年10月からとなり、貸与終期は2021年3月です。
 
これら4つの奨学金を利用したい場合は、在学中の学校に問い合わせて申込手続きをしましょう。
 

■奨学金は日本学生支援機構以外も

奨学金制度は日本学生支援機構以外にもあります。例えば、大学が独自に運営しているもの、都道府県や市町村が運営しているもの、NPO法人や公益財団法人などが主体のものなどです。
 
日本学生支援機構の公式サイトには、これらの制度をまとめて検索、一覧できる専用のページが用意されていますので、より有利な条件で利用できる制度がないか確認してみましょう。
 

奨学金返済中に生活が苦しくなってしまったら

奨学金の返済(返還)は、卒業後に始まります。「就職先が見つからなかった」「就職先の給与が少なく経済的に厳しい」「失業した」「災害や病気などで収入が減った」など、長年返していくなかで返済が困難な事態に見舞われることがあるかもしれません。
 
そんなときは、奨学金を運営している団体に必ず連絡するようにしましょう。日本学生支援機構の場合は、返済を先延ばしにしたり毎月の返済額を減らしたりできる制度があります。
 

まとめ:あきらめずに、利用できる制度や支援の情報を集めよう

奨学金をはじめ、生活が苦しくなったときのための制度や支援策はいくつもあります。学校を中退したり消費者金融でお金を借りたりする前に、自治体や大学のホームページを確認するなどして、自分が利用できる方法はほかにないのかよく調べてみましょう。
 
(出典)
日本学生支援機構「新型コロナウイルス感染症への対応について」
日本学生支援機構「大学・地方公共団体等が行う奨学金制度」
日本学生支援機構「返還が難しいとき」
 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表
 

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