『メルカリNow』は手軽・便利・即金:いいこと尽くしなの?
配信日: 2018.01.04 更新日: 2019.01.10
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
手軽・便利・即金:いいこと尽くし
従来のメルカリに比べて即座に不要品を換金できるのが特長で、初日からアクセスが殺到。開始十数分でサーバーが一時ダウンしたとも報道されています。メルカリNowのスキームはスマホで完結し、即金といういいこと尽くしです。アクセスが殺到するというのも納得です。
筆者も、不用品などを処分したいと思う時に、わざわざ業者に連絡するとしても、箱詰めをはじめとした手続きなどを考えて、二の足を踏むことがよくあります。
こういったユーザーの利用を阻むポイントを解消したサービスで、いいとこ尽くしのように見えます。いいこと尽くしの裏に何か抑制要因はないのでしょうか?
最大の関門は本人確認
メルカリNowで検索しても、出てくるのはやはり本人確認に関わる問題点です。「こちらの情報がうまく読み込めなかったので再送依頼とのメッセージがあった」などといったQ&Aが掲載されていました。
すなわち、サーバーや情報保全などの点でほんとうに万全なのか少し不安が残ります。
スムーズに機能するのかしばらく見守りたい
メルカリを運営する側としても、大量に売り物が入ってきて、とりあえずはキャッシュをユーザー側に出すわけですが、その入ってきた中古品はどのようなフローで掃けていくのでしょうか。
会社側がキャッシュを受け取るのはその中古品が売れた時点になりますから、その間のタイムラグがどのくらいあるのか? 過去の取引履歴に基づいた査定価格で買い取りを実施するということですが、過去の取引履歴≠将来の取引見込みですから、このあたりも気になるところです。
これらのことを考えると、メルカリNowは、お年玉プレゼントになるかどうか? もう少し見守りたいという感じでしょうか。
金融商品と違って「早く買わないと(スキームを使わないと)、買い時を逸してしまう」というものではありませんから。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表