更新日: 2019.07.04 その他暮らし
「電子マネーを牽引するシニア層」 スマホ利用率から読み取るその訳
でも電子マネーを使う機会は増えています。近い将来、カードで決済、もしくはこの機能をスマホに取り込んだ支払い方が普通になる日が来ると思います。そして、この支払い方を牽引するのはシニア層だと考えています。
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
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皆が持っている?交通系ICカード
電子マネーは、あらかじめカードに現金をチャージしておき、現金に代えて支払いが出来る仕組みです。チャージ機で現金を直接チャージするだけでなく、クレジットカードと連動していて後払いに設定されているものもあります。この機能をアプリとしてスマホ仕様にしたのが、“アップルペイ”や“おサイフケータイ”です。
一番普及している電子マネーと言えば、交通系ICカードです。JR・私鉄・地下鉄とそれぞれに発行されていますが、全国で相互利用が出来るようになり、使える範囲が広がりました。1枚持っていれば、電車もバスも使えます。九州の“はやかけん”を北海道で使用することが出来るのです。
以前、東京に遊びに行った時、地下鉄の券売機の前で佇んでいる私は、知人に偶然会いました。何しているの?の問いかけに、行先が路線図の何処にあるのか分からないと答えました。初めての土地の路線は迷路のようで、探すのも一苦労でした。ようやく料金を見つけ券売機で切符を購入するのですが、この券売機は全国共通ではありません。
加えて鉄道各社は相互乗り入れが進みました。○○駅経由となると、発券はさらに複雑になります。これらの悩みを解決したのが、交通系ICカードです。その便利さは皆さんも実感されていると思います。
便利なものに敏感なシニア層
スーパーで会計をした後に、お財布が小銭でいっぱいになることはありませんか。例えば693円の支払をする時、ピッタリの小銭は無くても、1195円を出して502円のおつりをもらう場合があります。シニアになると、そういった計算が面倒になってきます。“レジ袋はいりますか”“ポイントカードはお持ちですか”といった質問に答えなければなりません。同時進行で、老眼の目でお財布を覗き小銭の準備をするのが大変に感じてしまうのです。
後ろの列に並ぶ人達の視線も気になります。結局、全ての買い物を千円札で済ませてしまう人もいます。スーパーのポイントカードの利用率はとても高いです。以前はポイントを貯めるだけの機能が多かったのですが、電子マネーの機能付きのカードが増えました。持っていると、レジ前でのドキドキやイライラは解消されます。紛失した場合は、カードによっては手続きすることで残高を引き継ぐことも出来ます。簡単にチャージが出来ますので、高額なチャージは避けた方が安心です。
シニア層の購買意欲は旺盛です。交通系ICカードの相互利用のように、1枚のカードで利用できる店舗が増えたら、使用率は一気に上がると思います。
「2017年シニアのスマートフォン利用に関する調査(MMD研究所)」によるとスマホ率は48.2%だそうです。(60~79歳男女4244人対象)
昨年まではガラケーが優位だったのに、今年はガラケー45.7%で、いよいよ逆転しています。近い将来“スマホをかざしてお買い物”を牽引するのは、シニア層だと考える次第です。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士