店員の釣り銭ミス。2000円のお釣りが7000円に これって返金するべき?
配信日: 2018.01.13 更新日: 2021.06.21
但し、あなたの別の心が「お店側が間違ったんだから、別に言わなくて良いのでは?」とささやきます。迷っているうちに言い出せなく、そのままお店を去ってしまい、罪悪感が残ってしまうようなこともあるのではないでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
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弁護士
開成高校卒、東京大学法学部卒。弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。どんな相談に対しても「わからない」とは言わないことをスタンスに、日々クライアントのために奮闘中。
【東京桜橋法律事務所】
編集部の見解は?
もちろん、ファイナンシャルフィールド編集部としては、このようなときすぐにお店側に言って、多くもらったお釣りを返すことをお薦めします。ところで、このケースは、法律的にはどのように解釈されるのでしょうか?
東京桜橋法律事務所の豊田賢治弁護士にお伺いいたしました。
基本的には詐欺罪
まず、わざとお釣りを間違えさせようと、5000円札で支払うときに「1万円からで」などと言い、店員を勘違いさせて多くのお釣りを得た場合、詐欺罪(十年以下の懲役)に該当する可能性が大です。微妙なのは、自分は何もしていないのに、なぜか店員が勘違いして多くのお釣りを渡してきた場合です。
お釣りが多いことに即座に気づいた場合、基本的にはそれを店員に伝える義務があると考えられ、それにもかかわらず黙って多いお釣りをもらってお店を出てしまうと、やはり詐欺罪に該当する可能性があります。お釣りが多いこと知って、それを店員に伝えなければならないのに、そしらぬ顔をして黙って出ていくことが積極的にだましたことと同等と評価されることがあるからです。
詐欺罪以外の刑罰の可能性は?
お釣りを多くもらったことに即座には気づかなかった場合、詐欺罪になる可能性はほとんどありませんが、そのまま多いお釣りを返さなかった場合、遺失物等横領罪(いしつぶつとうおうりょうざい)になる可能性があります。遺失物等横領罪となると、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金もしくは科料(1000円以上1万円未満の金員を支払わせる刑罰)が科せられます。
参考までに、科料に対して、1万円以上の金員を支払わせる刑罰を罰金といいます。遺失物、つまり、忘れ物や落とし物を勝手に取ってしまうと犯罪になるというものです。首輪がついているけど身元が分からない犬を拾い、あまりの可愛さから飼い始めてしまった。このケースも遺失物等横領罪になる可能性がありますので、気をつけましょう。
まとめ
お釣りを多くもらったようなケースで、発覚し、実際に犯罪として摘発されるケースはあまり聞きません。ただ、最近の状況からすると、お釣りを多くもらったことを個人のブログなどに書いて、それがきっかけで発覚して摘発されるということも想定されます。
お釣りを多くもらい、言わないでもらってしまうことは、罪になる場合もありますので、正直に店員さんに言うようにしましょう。
TEXT:ファイナンシャルフィールド編集部
監修:豊田 賢治 (とよた けんじ)弁護士
東京桜橋法律事務所 所長 http://tksb.jp/
弁護士登録後、大手渉外法律事務所、外資系法律事務所での勤務を経て独立。
現在は弁護士16名を擁する東京桜橋法律事務所の所長として、多数の企業や個人の法務顧問として活動。