更新日: 2021.07.29 その他暮らし

代金の支払い前にキャッシュバック? それ、ちょっとまった!

代金の支払い前にキャッシュバック? それ、ちょっとまった!
給与ファクタリング業が貸金業に該当すると金融庁に回答されてから、高額な手数料が出資法違反とされ、貸金業の登録ができない業者がバタバタと姿を消しました。しかし、すぐに手軽に現金を手にしたい人がいる以上、新手の現金化業者が出てきます。
 
「ツケ払い(後払い)商品売却で即日キャッシュバック」
「レビュー拡散で現金報酬GET」
 
しかし、こんな見出しが躍るその商品は、その値段で妥当ですか?
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

ツケ払い現金化という仕組みは?

令和3年6月16日、消費者庁、金融庁、警察庁が、いわゆるツケ払い(後払い)現金化についての注意喚起資料を公表しました(※)。
 
通常、「ツケ」払いは、掛け取引で、商品の引き渡しの時には代金を支払わないで、店舗側が代金を帳面に「ツケ」ておいて、月末等の後日にツケの分をまとめて支払います。
 
商人間では掛け取引の習慣がありますが、店舗と一般消費者の間では、消費者と店に信頼関係がある場合に限られます。
 
ツケ払い現金化の場合も、まず後払いで商品を購入し、次に現金化するために業者に買い取ってもらい、キャッシュバックを受けます(当然のように、買取手数料を取られます)。その後、商品代金を支払います。
 
他にも、その商品についてレビューを書く、SNSで拡散する等で、キャッシュバックされるものもあります。
 

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個人情報が悪用される場合も

商品販売の体を成していますが、購入する側も商品がほしくて購入するのではありません。買い取って現金化してくれるので、取りあえず買うだけです。
 
金融庁ホームページの「今すぐ現金」「手軽に現金化」にご用心では、以下のように明記してあります。
 
『形式的に商品の売買等であっても、その経済的な実態が貸付けであり、業として行う場合には、貸金業に該当するおそれがあります。個別具体的な実態を踏まえて判断する必要があります。貸金業登録を受けずに貸金業を営む者は、違法なヤミ金融業者(罰則の対象)です』
 
商品代金を払い込む前にキャッシュバックを受け取りますが、最終的に支払う商品の代金との差が大きく(手数料が高い)、さらに困窮化してしまいます。その他、借り入れを返済するために借り入れをする多重債務に陥ります。
 
それだけではありません。取引する際に個人情報を相手に伝えますが、これを悪用される危険があります。また、個人情報をインターネット上でさらされる危険もあります。
 

では、どうしたら良い?

では、個人間融資で相手が個人なら問題ないのでしょうか。
 
個人でも、反復継続する貸し付けは「業」にあたるので、貸金業にあたります。国または都道府県の登録を受けなければヤミ金です。無登録での営業や勧誘は罰則の対象です。無登の業者の場合、伝えた個人情報の悪用やSNSでさらされるおそれがあります。
 
では、どこにも借りられない場合、どうしたら良いのでしょうか。
 
生活に困窮した場合には、まずは公共機関に相談しましょう。平成27年4月から、生活困窮者の支援事業、生活困窮者自立支援制度が開始されました。
 
いきなり生活保護ではなく自立して生活を立て直すことができるよう、一人ひとりに合った計画を立て、寄り添う支援がされます。一定期間衣食住の提供をしつつ、就労支援を行い場合もあります。
 
生活困窮者自立支援制度については、お住まいの都道府県・指定都市にお問い合わせください。ややこしい仕組みになっていても、支払う金額-受け取る金額=利息です。
 
利息制限法により上限金利は、10万円未満は年利20%、10万円以上100万円未満は年利18%、100万円以上の時は年利15%です。これを超えて20%の間は、行政処分の対象です。20%を超えると刑事罰の対象になります。
 
その融資ヤミ金かもと思われたら、#9110警察総合相談やお住まいの都道府県や市区町村の相談窓口へ。また、貸金業登録がされている業者かどうか、金融庁ホームページの登録貸金業者情報検索サービスで確認しましょう。
 
(※)
消費者庁「伊藤消費者庁長官記者会見要旨」
 
(参考・引用)
消費者庁「「今すぐ現金」「手軽に現金化」にご用心」
消費者庁「違法は貸付(ファクタリング等)や悪質な金融業者にご注意ください!」
金融庁「「今すぐ現金」「手軽に現金化」にご用心 〜いわゆる後払い(ツケ払い)現金化に要注意〜」
金融庁「SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください」
金融庁「貸金業法のキホン」
金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」
厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者

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